Macintoshを起動すると,起動画面が表示されたあと,Finderが表示されます(図
2.3) .Finderは,Macintoshを起動すると自動的に実行されるプログラムで,UNIXのシェルとその役割が似ています.Finderは,メニューバー,ウインドウ,アイコン,デスクトップなどから構成されます.ここでは,Finderを構成する要素について説明します.
図 2.3:デスクトップ
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画面(図2.3)の背景の部分をデスクトップと呼びます.デスクトップにはさまざまなアイコンやウィンドウが表示されています.デスクトップという呼び名は,様々なファイルやアプリケーションを机の上(デスクトップ)に広げるように,作業ができるところに由来します.
アイコンは,アプリケーションやフォルダ,ファイルなどを視覚的に表したものです.アイコンをクリックすると,そのアイコンの色が変わり,選択されます.アイコンは,アプリケーションやファイル,フォルダを表しています.
次におもなアイコンとその名称をあげ,説明します.
- ハードディスクアイコン
- ハードディスクを表すアイコンです.ダブルクリックするとハードディスクの内容が表示されます.
- フロッピーディスクアイコン,MOディスクアイコン
- フロッピーディスクやMOディスクなどの取り出し可能な記憶媒体を表すアイコンです.これらの記憶媒体は,スロットに挿入するとアイコンとしてデスクトップに表示されます.ハードディスクアイコンと同様に,ダブルクリックするとウィンドウが開き,内容が表示されます.フロッピーディスクの扱いについては,4.3を参照してください.
- 書類アイコン
- アプリケーションから作成される書類を表します.ダブルクリックすると,その書類を作成したアプリケーションが自動的に起動され,書類が読み込まれます.
- フォルダアイコン
- UNIXのディレクトリに相当するフォルダを表します.
- アプリケーションアイコン
- さまざまなアプリケーションを表します.アプリケーションごとにアイコンの形は異なります.ダブルクリックするとアプリケーションが起動します.
- ゴミ箱アイコン
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不要になった書類やフォルダを消去するためにあるゴミ箱を表します.書類やフォルダの消去の方法は3.1.2を参照してください.また,フロッピーディスクやMOディスクなどのアイコンをゴミ箱アイコンにドラッグ・アンド・ドロップして,これらの記憶媒体をドライブから取り出せます.
ウィンドウは,ディスクやフォルダ,書類などの内容を表示する四角形の領域です.例えば,ハードディスクアイコンをダブルクリックするとウィンドウが開き,ハードディスクの内容が表示されます.
ウィンドウの一部をクリックすると,画面の一番手前に表示され操作できる状態になります.この状態のウィンドウをアクティブなウィンドウと呼びます.
図 2.4:ウィンドウ
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次にウィンドウ各部の名称をあげ説明します.
- タイトルバー
ウィンドウの名称が表示されます.ドラッグするとウィンドウを目的の場所に移動できます.ダブルクリックすると,ウィンドウの表示をタイトルバーのみにできます.これをウィンドウシェード機能といいます.タイトルバーを再びダブルクリックする,もしくはシェードボックスをクリックすることによってもとの状態に戻せます.
- サイズボックス
ドラッグするとウィンドウを拡大,縮小できます.
- ズームボックス
クリックするとウィンドウの大きさを変更できます.変更後の大きさはウィンドウの内容によって異なります.ウィンドウは最適の大きさに変更されるか,画面いっぱいの大きさに拡大されます.再びクリックすると,もとの大きさに戻せます.
- スクロールアロー
クリックするかプレスするとウィンドウの表示部分を矢印の向きに移動できます.
- スクロールボックス
ドラッグするとウィンドウの表示部分を移動できます.
- グレーエリア
クリックするとウィンドウの表示部分を1画面分移動できます.
- クローズボックス
クリックするとウィンドウを閉じることができます.
- シェードボックス
クリックするとウィンドウの表示をタイトルバーのみにできます.再びクリックすると,もとの状態に戻せます.タイトルバーをダブルクリックするのと,同じ効果を得られます.
メニューバーはメニューのトップ項目やアイコンから構成されます.(図2.5).メニューバーの項目は,基本的にアプリケーションごとに異なりますが,いくつかの項目はどのアプリケーションでも表示されます.メニューをクリックすると,関連する項目が表示されます.マウスが重なった項目は表示が反転され,選択された状態になります.選択できない項目は,灰色で表示されます.
図 2.5 : メニューバー
次に各アプリケーション共通のメニューのアイコンと名称を挙げ説明します.
- アップルメニュー
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メニューバーの左端にあるりんごのアイコンをクリックすると表示されます.アップルメニューからは,Macintoshのさまざまな設定を行うコントロールパネルやプリンタの設定を行うセレクタなどを起動できます.
- アプリケーションメニュー
- メニューバーの右端にあるアイコンをクリックすると表示されます.メニュー項目には現在起動しているアプリケーションが表示され,選択するとアプリケーションが切り替わります.Windowsのタスクバーと機能が似ています.
- 入力メニュー,えんぴつメニュー
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アプリケーションメニューの左にあるアイコンをクリックすると表示されるメニューを``入力メニュー''と呼びます.メニュー項目にはさまざまな言語が表示され,選択すると使用する言語が切り替わります.おもに使用するのは,英語入力用の`U.S.'と,日本語入力用の`ことえり',朝鮮語入力用の`'です.ことえりはUNIXのWnn,WindowsのMS-IMEに相当するかな漢字変換システムです.
入力メニューからことえりを選択すると,入力メニューの左にえんぴつのアイコンが表示されます.ことえりの詳細については,2.6を参照してください.
- ヘルプメニュー
- メニュー項目を選択すると,アプリケーションの操作方法などを調べられるヘルプ機能を利用できます.
ヘルプはすべてのアプリケーションで使えるわけではありませんが,Finderの使い方などは特に詳細に記されています.
図 2.6:キーボードショートカット
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メニュー項目の横には,多くの場合アルファベットが合わせて表示されています.アルファベットが表示されているメニュー項目はマウスを使って選択しなくても,アルファベットに対応するキーを入力することで操作できます.これをキーボードショートカットといいます.キーボード操作だけで,そのメニュー項目をマウスで選択するのと同じ効果が得られます.
例えば,図2.6では[保存]の横に[ S]と表示されています.これは,[保存]を実行するには(コマンドキー)を押しながら
sを押せばよいことを表しています.
Macintoshでのキーボードショートカットは,
などの修飾キーとそれ以外のアルファベットまたは数字キーの組み合わせで定義されています.
以降,を押しながらsを押すことを,
+sと表記することとします.
Macintoshで``ショートカット''と言う場合は,一般にキーボードショートカットのことを指し,Windowsのショートカットとは意味が異なります.Windowsのショートカットにあたるものは,Macintoshではエイリアスと呼ばれています(3.1.4参照).