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1.5 LaTeX使用上の基礎知識

ここではLaTeXの基礎的な知識について説明します. エラーを訂正したり,希望通りの出力を得るために,適宜参照してください.


1.5.1 エラー

platexコマンドはLaTeX処理中にエラーを発見すると, そのエラーを表示して処理を中断し,エラーモードに入ります. ここではエラーの対処法について説明します.

エラーをなるべく出さないようにするためには, 一度にすべての文書を書いてからLaTeX処理をするのではなく, こまめにLaTeX処理をしながら文書を記述してください. エラーが出てしまった場合でも書き加えた部分だけを調べればよいので, エラーの発見が容易になります. 次に,状況に応じたエラーモードからの復帰方法とエラーの原因について説明します.

1.5.1.1 `Please type another input file name:'と 表示された場合

このエラーはplatexコマンドで処理される LaTeXのソースファイル名や文書クラス名,パッケージ名など, ファイル名の記述を誤った際に表示されます. この場合,キーボードから正しいファイル名を入力することでLaTeX処理を 続行できます. また,この状態でC-dあるいはC-cを入力することで LaTeX処理を中止できます.

1.5.1.2 `?'と表示された場合

このエラーはコマンドのタイプミスや環境の閉じ忘れなど, LaTeXの文法を誤った場合に起こります. この場合,x<RET> またはC-cを入力してエラーモードから復帰できます. また,h<RET>と入力すると, エラーの原因を説明するヘルプメッセージが見られます.

1.5.1.3 `*'と表示された場合

このエラーは\end{document}がない,あるいは LaTeXのソースファイルでないファイルをLaTeX処理した場合に起こります.こ のときはC-dまたはC-cを入力して処理を中止しましょ う.

platexコマンドの処理をC-zでやめてはいけません. バックグラウンドジョブとして残ってしまったり, 場合によってはコンピュータを停止させてしまう原因となります.

1.5.2 LaTeXに関係するファイル

LaTeX処理を行うと,dviファイルの他に`.aux'や `.log'といった拡張子のファイルも生成されます.これらのファイル はいずれもLaTeXが目的に応じて出力しているものです.ここでは, LaTeXで利用されるいくつかのファイルについて,拡張子ごとにその役割を 説明します.

1.5.2.1 texファイル

LaTeXは,`.tex'という拡張子がついているファイルを ソースファイルとして認識します. texファイルに文書を記述します.

1.5.2.2 dviファイル

texファイルをLaTeX処理した結果,出力される文書イメージファイルで す.dviはDeVice Independentの略です.

1.5.2.3 PSファイル

dviファイルを印刷するためには, プリンタが直接解釈できるPSファイルに変換する必要があります. dviファイルからPSファイルを作成するにはdvi2psコマンドを 利用します.書式については[*]を参照してください.

PSファイルはページ記述言語である PostScriptという言語によって記述されており,プリンタが直接解釈できます. LaTeXに図を貼り込む際に使われるEPSファイルは PSファイルの特別なものです. PS, EPSファイルに関しては[*]を参照してください.

1.5.2.4 auxファイル

LaTeX内部での情報の参照に利用されるファイルです.おもに 目次[*]や参考文献[*]などをつけたり する場合に情報の連絡役となります.

1.5.2.5 tocファイル

\tableofcontentsコマンドによって目次[*]を作成 する場合に生成されるファイルです.

1.5.2.6 logファイル

LaTeX自身が処理の作業記録を出力するのに利用するファイルです.

1.5.2.7 clsファイル

文書クラスを定義するファイルです.LaTeXは指定された文書クラスに対応するク ラスファイルを環境変数[*] TEXINPUTSで 指定されたディレクトリから検索して読み込みます.CNS では `/usr/local/share/textmf/' 以下のディレクトリにクラスファイルが置かれています.

1.5.2.8 cloファイル

クラスオプションを定義するファイルです.clsファイルと同様,環境変数 TEXINPUTSで指定されたディレクトリから読み込まれます.

1.5.2.9 styファイル

パッケージの定義をするファイルです. cls,cloファイルと同様,環境変数TEXINPUTSで指定された ディレクトリから読み込まれます.