LaTeXには目次を作成する機能があります.本文中に,\tableofcontentsコマンドを記述すると,記述した位置に目次が作成されます.目次を作成するには最低2回のLaTeX処理が必要です.
\documentclass{jarticle}
\begin{document}
\tableofcontents
\part{\LaTeX の高度な使い方}
\section{文書処理システム}
\subsection{相互参照}
\subsection{目次}
\end{document}
このようなソースファイルを記述すると章立てコマンドである\part,\section,\subsectionの章節番号と表題がtocファイルに書き込まれます.
\tableofcontentsコマンドがソースファイル中に記述されていると,1回目のLaTeX処理の際に目次情報がtocファイルに格納されます.このtocファイルは\end{document}まで処理が進んだ段階で作られます.したがって,1回目のLaTeX処理の際には,読み込むべきtocファイルは存在していないので,空の目次が作成されることになります.そして2回目のLaTeX処理で文書中の\tableofcontentsコマンドでtocファイルが読み込まれ,目次が出力されます.
目次が何もない場合とある場合とでは,目次の分量によって目次自体のページ数が異なることがあります.このような場合,目次ページより後ろのページ番号がずれることになり,1回目の処理で作成された各章節のページ番号が正しくないことがあります.これを正しいページ番号にするためには,さらにもう1度,3回目のLaTeX処理を行い,正しいページ番号のtocファイルを読み込む必要があります.
また,このようなページ番号のずれを避けるためにpagenumberingコマンド
で目次でのページ出力と本文のページ出力を変える方法もあります.
目次には章節の目次だけではなく,
\listoffiguresコマンドで作られる図目次や
\listoftablesコマンドで作られる表目次があります.それぞれ
\tableofcontentsコマンドと同じように用います.
また文書中で\addcontentslineコマンドや\addtocontentsコマンドを用いて細かい項目の追加ができます.さらに目次出力が希望に沿っていない場合は直接tocファイルを変更できます.ただしtocファイルを書き換えるのは文書がすべて完成してから行い,変更したtocファイルが変更されないように,プリアンブルに\nofilesコマンドを記述する必要があり
ます.