LaTeX/LaTeXによる文書の構成/ページスタイルの変更

3.3.1 ページスタイル

ページスタイルが制御しているのは,ページ番号の表示形式と表示位置,ヘッダとフッタの表示,非表示です. ヘッダ,フッタはそれぞれページ上部とページ下部の本文領域外の部分のことであり,一般にページ番号や章の標題などが表示されます.ページスタイルの例を表3.2に示します.


表 3.2: ページスタイル

スタイル 出力
empty ページ番号,ヘッダ,フッタ共に何も出力しない
plain ページ番号をフッタ中央部に出力する. ヘッダには何も出力しない
headings ヘッダにドキュメントクラス依存の文字列と ページ番号を出力する
フッタには何も出力しない
myheadings 基本的に headingsと同じ.ヘッダに出力される文字列を\markbothあるいは\markrightコマンドで定義できる

jarticleドキュメントクラスでは myheadingsが指定されていますが,ヘッダに出力されるのはページ数だけです.文字列を出力する場合は\markbothあるいは\markrightコマンドを用います.

3.3.2 ページスタイルの変更

\pagestyle{・・・}
\thispagestyle{・・・}

ページスタイルの指定と変更を行うには,\pagestyleおよび \thispagestyleコマンドを用います.文書全体のページスタイルの変更には\pagestyleコマンドを用い,文書中のある1ページのみの変更には
\thispagestyleコマンドを用います.引数には表3.2の いずれかのページスタイルを指定します.次にページスタイルの指定例を示します.例では最初にページスタイルにplainを指定し,続けてある1ページだけページ番号を出力しないように指定しています.

\pagestyle{plain}
\thispagestyle{empty}

3.3.3 ヘッダの指定

headingsmyheadingsといったページスタイルでは,ヘッダ領域に文字列を出力できます.これらの文字列を指定あるいは変更するのが\markbothおよび\markrightコマンドです.\markbothコマンドは偶数ページと奇数ページ両方のヘッダを,\markrightは奇数ページのヘッダのみを指定します.

\markbothコマンド

\markbothコマンドの記述方法を次に示します.

\markboth{数ページヘッダ}奇数ページヘッダ}

例えば,偶数ページのヘッダに文書のタイトルである``モンゴルの経済改革''を出力し,奇数ページのヘッダに執筆者の名前``山吹緑''を出力する場合は,次のように記述します.

\markboth{モンゴルの経済改革}{山吹緑}

\markrightコマンド

\markrightコマンドの記述方法を次に示します.

\markright{奇数ページヘッダ}

例えば,奇数ページのヘッダに節番号を出力する場合は,次のように記述します.\thesectionコマンドは章番号を出力するコマンドです.

\markright{\thesection}


3.3.4 ページ番号の出力形式の変更

\pagenumbering{・・・}

目次や付録などで,本文とページ番号の振り方を変えて出力するときには \pagenumberingコマンドを用います.これはページ番号の出力形式を変更するコマンドです.\pagenumberingコマンドの引数として指定できる値を表3.3に示します.次の実行例では,ページ番号を小文字のローマ数字に設定しています.

\pagenumbering{roman}


表 3.3: ページ出力形式
出力形式 機能
arabic ページ番号をアラビア数字にする
roman ページ番号を小文字のローマ数字にする
Roman ページ番号を大文字のローマ数字にする
alph ページ番号を小文字のアルファベットにする
Alph ページ番号を大文字のアルファベットにする


\pagenumberingコマンドでページの出力形式を変更するとページカウンタがクリアされ,ページ番号はまた1から振られるようになります.また出力形式がalphあるいはAlphのとき,ページ数がアルファベットの上限である26を超えるとエラーになるので注意して ください.