LaTeX/LaTeXの基本/ソースファイルの作成

LaTeXのソースファイルは,ファイル名に`.tex'という拡張子をつける必要があります.ソースファイルは,文書全体の体裁を指定するための``プリアンブル''と,本文を記述するための``本文領域''から構成されます.LaTeXのソースファイルの基本的な形を図1.3に示します.


図 1.3:LaTeXのソースファイル
図 1.3:LaTeXのソースファイル

1.4.1 文書クラスの指定

文書クラスとは論文や書籍といった文書の分類を表し,文書全体の体裁やコマンド(1.5.3),環境(1.5.3)を定義します.文書クラスは必ずソースファイルの先頭で指定する必要があります.文書クラスの指定には\documentclassコマンドを利用します.

\documentclass{文書クラス名}

1.2CNS で利用できる主な文書クラスを示します.


表 1.2: 主な文書クラス一覧
クラス名 特徴
jarticle 一般的な日本語論文形式.講義レポートなどに用いる
jreport 一般的な日本語レポート形式.比較的長めの文書に用いる
jbook 日本語書籍用の文書クラス


1.4.2 クラスオプションの指定

クラスオプションは文書クラスでは定義できない細かな設定を行います.クラスオプションは必要に応じて次のように\documentclassコマンドのオプション引数として指定します.表1.3に主なクラスオプションを示します.

\documentclass[クラスオプション名]{文書クラス名}


表 1.3: 主なクラスオプション一覧
クラスオプション名 機能
11pt 基本の文字サイズを11ポイントにする
12pt 基本の文字サイズを12ポイントにする
twocolumn 文書を2段組にします.


1.4.3 パッケージの使用

パッケージファイルを読み込むことで,文書にEPS画像を貼り込むなどの機能を追加できます.パッケージファイルは次のように\usepackageコマンドの引数に指定することで読み込めます.表1.4CNS で利用できる主なパッケージを示します.

\usepackage{パッケージファイル名}


表 1.4: 主なパッケージの一覧
パッケージ名 追加する機能
epsf EPS画像の張り込み
ascmac 様々な環境の提供


1.4.4 プリアンブル

LaTeXの機能の基本的な定義はドキュメントスタイルの指定によって行いますが,一部の機能の変更や調整をする場合には\documentclass\begin{document}の間に必要な変更や指定を記述できます.この記述を行う部分をプリアンブルと呼びます.この部分に記述した変更や指定は本文全体に効果があります.一般的に次のような変更や指定を行います.

  • \maketitleコマンド用に\title, \author, \dateの3つのコマンドを記述する(3.2.1)
  • 各種パラメータやカウンタを指定,変更する
  • 新しくコマンドを定義したり,コマンドの定義の変更する
特に変更や指定をしない場合は,プリアンブルには何も書かなくてもかまいません.

1.4.5 本文領域

\begin{document}から\end{document}の間が実際に本文を記述する部分となります.この領域に,文書の整形および構成のためのコマンドを記述します. \end{document}以降の文書は無視されます.