HTMLでは,文章の段落構造,見出し,表組み,そしてWWWシステムの特徴でもある文字以外の情報(画像,音声,動画など)の貼りつけや他の情報へのリンクをタグによって記述する.HTMLのページの基本的な形を図3.4に示す.
HTMLでは `<' と `>' の間に書かれた文字がタグとして扱われる. 基本的にタグは開始タグ(<tagname>)と終了タグ(</tagname>)の2つが対になっている.
<tagname> タグの設定対象となる部分 </tagname>
ただし例外として,対になっていないタグ(<br>タグ, <hr>タグ,<img>タグなど)もある.また,タグでは大文字と小文字は区別されない.例えば,<TITLE>,<Title>, <title>はすべて同じ意味に解釈される.
属性を指定できるタグもある.属性とはそのタグの効果を細かく指定するものであり,開始タグの中で指定する.属性には値を持つものと持たないものがあり,値を指定するものは次のように記述する.
<tagname 属性1="値1" 属性2="値2"...> タグの設定対象となる部分 </tagname>
ページの背景や文字の色を変更するには,16進数で表現されたR (赤),G (緑),B (青)の3色の濃淡の組み合わせにより指定する.例えば,``#FF0000
"は,
それぞれの色の濃淡がFF (赤),00 (緑),
00 (青)であり,これは"純粋な赤"を意味する.なお,最初に#
をつけるのを忘れないようにすること.16進数による色指定の詳細については第1部 1.1.2を参照すること.
#RRGGBB
HTMLで特殊な意味を持つ文字(<
,>
,
&
,"
など)は,そのままではファイルに記述してもWWWブラウザに表示されない.ページ内でこれらの文字を表示させるときは,表3.2のように記述する.
次にその例を示す.
特別な書き方が必要な文字もあります.<br> <>大なり,小なりカッコと&アンドと,<br> "ダブルクォーテーションです.<br> 半角スペース(ここ→ ←)です.<br> 一方,ここでは(これ→←)スペースは入れてません.
|
<!--と-->
に囲まれた部分はコメントと呼ばれ,HTMLのソースファイルに記述してあってもWWWブラウザの画面には表示されない.しかし,タグを`<!--'と`-->'
で囲むと,そのまま表示してしまうWWWブラウザもあるので注意すること.
ページを作成するには,本文を書く前にまずページ全体の設定を行う
<html>,<head>,<tit
le>,<body>などのタグを書き込む.これらのタグは,ページのタイトルを設定したり,ページの本文とそれ以外の部分(ヘッダ)を区別する役割がある.
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0//EN"> <html> <head> ヘッダ </head> <body> 本文 </body> </html>
HTML文書を作る場合には,どのバージョンのHTMLに準拠する文書なのかを明記する必要がある.ここでは,<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTDHTML 4.0//EN">として,この文書がHTML4.0の規格に従って記述されていることを宣言している.
HTML形式のファイルであることを明示するために,ファイルの最初と最後を <html>タグと</html>タグで囲む.
<head>タグと</head>タグで囲まれた部分をヘッダと呼び,ページのタイトルやそのページの構成情報など本文に記述しない情報を記述する.ヘッダに記述した部分はページには表示されない.
<body>タグと</body>タグで囲まれた部分にはページの本文を記述する.
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