Emacsの操作方法は,大きく次の3つに分けられる.
キーボードの上に記されているアルファベット,数字,記号はそのキーを押すことによって入力できる.キーを押すとテキストカーソルの位置にその文字が入力され,カーソルは1文字分右へ移動する.また,<RET> を押すと改行し,テキストカーソルは次の行の先頭へ移動する.英大文字や記号の一部は,<SHIFT>を押しながら入力する.英大文字を連続して入力するような場合,<CAPS>を押すとそれ以降のアルファベットはすべて大文字となり,<SHIFT>を押しながら入力すると英小文字を入力できる.<CAPS>をもう1度押すと通常の英小文字を入力する状態に戻る.
Emacsではカーソルのある文字に対して編集操作を行う.カーソルの操作方法はウィンドウでも,エコーエリアでも同じである.また,カーソル移動はキーボードの十字キーを使っても行える.基本的なカーソルの動かし方を表1.2,図1.2に示す.`p'はPrevious,`n'はNext,`b'はBackward,`f'はForward,`a'はアルファベットの第一番目,`e'はEndを意味する.
キー操作 | 意味 |
C-p | カーソルを上に移動 |
C-n | カーソルを下に移動 |
C-b | カーソルを左に移動 |
C-f | カーソルを右に移動 |
C-a | カーソルを行の先頭に移動 |
C-e | カーソルを行の末尾に移動 |
また,文字単位だけでなく単語,文節,文単位でもカーソルを移動できる.M-b,M-fによって英文では単語ごとに,日本語では文節ごとにカーソルを移動する.単語,文節,文単位でのカーソル移動のキー操作一覧を表1.3に示す.
|
ファイルを編集中,入力した文字を削除する場合,Emacsでは表1.4に示すようなキー操作により,文字の削除を行う.
カーソルの左の文字を削除するには<BS>を使う.カーソルがある位置の文字を削除するにはC-dを入力する.また,C-kを使うとカーソルがある位置の文字から行末までを削除できる.
カーソル移動と同じように,<CTRL>の代わりに<META>を使うことによって1文字ずつではなく,1単語ずつ削除できる. M-dはカーソルの位置以降にある単語を削除し, M-<BS>はカーソルの直前の単語を削除する.日本語の場合は文節単位となるが,うまく動作しない場合もあるので注意すること.
|
Emacsを使用していて動作がおかしくなった場合や,コマンドの実行を中止したい場合には,C-gを入力する.
Next: 1.5 日本語の入力
Up: 1. Emacs入門
Previous: 1.3 Emacsの画面