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3.1 リモートホストへのログイン


3.1.1 リモートホストとローカルホスト

一般にネットワーク上の他のコンピュータを遠隔利用するとき,遠隔利用するコンピュータのことをリモートホストと呼び,自分が実際に利用しているコンピュータのことをローカルホストと呼ぶ.CNSにはサーバマシンと呼ばれる特別な機能を持つホストが存在する.自分がログインしているホストに作業に必要なアプリケーションがインストールされていないときは,用途に応じてサーバマシンで作業を行う.

3.1.2 UNIX環境

rlogin

rloginコマンドは,`remote login'の略であり,リモートホストにログインするときに使用する.rloginと入力した後にホスト名を指定してrloginコマンドを実行し,パスワードを入力すると指定したリモートホストにログインできる.この際,.cshrc.loginファイルが読み込まれる.ネットワーク上にあるコンピュータとその機能については第1部 1.2を参照すること.次に書式を示す.

% rlogin [ホスト名]<RET>

次にzz123からccz00へのリモートログインの実行例を示す.

% hostname<RET>
zz123
% rlogin ccz00<RET>
Password: <RET>
Last login: Fri Feb 19 17:57:28 from zz123
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% hostname<RET>
ccz00
% _

リモートログインしているホストからログアウトするときには,logoutコマンドを実行する.


% hostname<RET>
ccz00
% logout<RET>
logout
Connection closed.
% hostname<RET>
zz123
% _


[ホスト名]localhostに指定すると,現在使用しているホストにログインできる.また,現在とは異なるアカウントでリモートホストにログインする場合には,-lオプションに続けてログイン名を入力して実行する.次に書式を示す.


% rlogin [ホスト名] -l [ログイン名]<RET>

次の例ではCNSとは異なるアカウントでリモートホストにrlogin している.

% hostname<RET>
ccz00
% whoami<RET>
t00000tf
% rlogin picasso.guide.ac.jp -l tarou<RET>
Password: <RET>
Last login: Fri Feb 19 17:57:28 from zz123
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% hostname<RET>
picasso.guide.ac.jp
% whoami<RET>
tarou
% _


telnet

telnetコマンドは,rloginコマンドと同様に,リモートホストにログインするときに使用する.telnetはTELNETプロトコルを実装しているソフトウェアであれば,UNIX端末に限らずリモートホストにログインできるため,WindowsやMacintoshにも実装されている. telnetを利用するには,次のように入力する.


% telnet<RET>


telnetコマンドを実行するとtelnetプロンプト(telnet>)が表示されるので,openコマンドに続けて相手先ホスト名を入力する.


telnet> open [ホスト名]<RET>

openコマンドを実行した後,ログイン名とパスワードを入力するとリモートホストにログインできる.

次に,ccz00へのtelnetによるリモートログインの実行例を示す.

%telnet<RET>
telnet>open ccz00<RET>
Trying 133.27.2.37...
Connected to ccz00.
Escape character is '^]'.

UNIX(r) System V Release 4.0 (ccz00)

login:t00000tf<RET>
Password: <RET>
Last login: Fri Feb 19 17:57:28 from zz123
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
%

ssh(Secure SHell)

rloginコマンドやtelnetコマンドは,リモートホストにログインするときにパスワードを入力する.入力したパスワードはネットワークを通じて平文でやり取りされるので,インターネットを通じてリモートホストにログインする場合などは非常に危険である.

そこで,情報を暗号化してリモートホストにログインできるようにしたのがsshである.sshを利用することで,パスワードだけでなくログイン後の通信内容も暗号化されて送られるので,安全にリモートホストと通信できる.次に書式を示す.

% ssh [ホスト名]<RET>

次にccz00へのsshによるリモートログインの実行例を示す.

%ssh ccz00<RET>
t00000tf's password: <RET>
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
%

sshコマンドもrloginコマンドと同様に,異なるアカウントでリモートホストにログインできる.次に書式を示す.

% ssh [ホスト名] -l [ログイン名]<RET>

次の例では,CNSとは別のアカウントのホストへsshでログインしている.

%ssh picasso.guide.ac.jp -l tarou<RET>
tarou's password: <RET>
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
%

3.1.3 Windows環境

Windows環境のコンピュータからUNIXホストにログインするには,TELNETサービスを利用する.ここでは,Windows環境でTELNETサービスを利用できるWindows標準付属のtelnet.exeと,フリーウェアのTera Term Proの操作方法を説明する.

telnet.exe

ここではWindows標準付属のtelnet.exeの起動,ログイン,終了などの操作方法を説明する.

Tera Term Pro

Tera Term Proは,T.Teranishi (teranishi@rikaxp.riken.go.jp) 氏によるフリーウェアである.Tera Term ProとRobert O'Callahan (roc+tt@cs.cmu.edu) 氏によるフリーウェアであるttsshを利用することで,sshを使用できる.

ここでは,Tera Term Proの起動,ログイン,終了などの操作方法を説明する.

3.1.4 Macintosh環境

NCSA Telnet

MacintoshからUNIXホストにログインするときは,NCSA Telnet (以下,Telnetと表記)を利用する.


3.1.5 X Window Systemの利用

リモートログインしたホストで新しくウィンドウが表示されるようなアプリケーションを利用する際には,事前にxhostコマンドとsetenvコマンドで必要な設定を行う.ただし,CNSのWindows環境やMacintosh環境ではX Window Systemを利用したアプリケーションの表示ができないので,emacsに`&'をつけて起動してはいけない.同様に,その他のX Window Systemを利用したアプリケーション(xclockxbiffxvなど)も表示できないので注意すること.

ここでは,ホストzz123からccz00にリモートログインしてemacsを利用する場合を例に,xhostコマンドとsetenvコマンドによる設定の手順と方法を説明する.

% hostname<RET>
zz123
% xhost +ccz00<RET>
ccz00 being added to access control list
% rlogin ccz00<RET>
Last login: Fri Feb 19 16:44:50 from zz123
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% hostname<RET>
ccz00
% setenv DISPLAY zz123:0.0<RET>
% emacs &<RET>
% _

1.
xhostの設定

xhostコマンドを利用して,リモートホストで実行するX WindowSystem アプリケーションをローカルホストのディスプレイへの表示を許可,拒否する設定を行う.xhostの使い方には次の3通りがある.


xhost + すべてのホストに許可を与える
xhost - すべてのホストを拒否する
xhost +[ホスト名] 指定したホストだけに許可を与える

xhost +ccz00を実行すると,zz123はccz00が実行するX WindowSystem アプリケーションをzz123のディスプレイに表示することを許可する.このコマンドは,リモートホストにログインした後でもローカルホストのターミナルウィンドウで実行すればよい.

2.
リモートログイン

rloginコマンドを利用してリモートログインする.リモートログインの方法については第1部 3.1を参照すること.

3.
環境変数DISPLAYの設定

環境変数DISPLAYはリモートホストにログインしてから setenvコマンドを利用して設定する.環境変数DISPLAYは,X Window System アプリケーションを,表示するホストとディスプレイを指定するための環境変数である.リモートホストのX Window Systemのアプリケーションをローカルホストのディスプレイに表示するには,環境変数DISPLAYを`ローカルホスト名:0.0'に設定する必要がある.このとき,ホスト名と`:0.0'の間に空白をあけてはいけない.例えば,% setenv DISPLAY zz123:0.0を実行すると,XWindow Systemアプリケーションの表示先がzz123というホストのディスプレイに設定される.

`xhost +'と入力するとどのホストからでも自分のホストのディスプレイにウィンドウを表示できるようになってしまうので注意すること.


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