fvwmのカスタマイズは,.fvwmrcというファイルを記述することで行う..fvwmrcファイルは設定を行っていない場合は存在しないので,設定を行うときはホームディレクトリに.fvwmrcファイルを作成する.また,はじめて設定を行う場合はCNS標準の設定ファイル(表4.2)をホームディレクトリにコピーし,それに変更を加える方法を勧める.
図4.9にfvwmを起動した際の画面を示す.
fvwmでは色に関する設定を.fvwmrcファイルでまとめて記述している.設定することができるのはウィンドウの枠の色,ページャの色,メニューの色などである.ウィンドウの枠の色の設定に関してはfvwm2と同じように,ウィンドウをアクティブ,非アクティブの2種類に分類している.さらに,仮想デスクトップやページを移動しても常に画面上にあるスティッキーウィンドウの枠の色を設定することができる.つまりfvwmではアクティブ,非アクティブ,スティッキーの3種類のウィンドウの枠の色を設定することができる.一般的にはxclock,xbiff,FvwmPager,GoodStuffなどをスティッキーに設定する.また,Menuはルートウィンドウでマウスをドラッグしたときに現れるメニューのことを意味する.ここではForeColorがウィンドウの文字の色を,BackColorがウィンドウの枠の色を意味する.色の指定方法については第X部 4.3.2 を参照してほしい.
# Color (色に関する設定) #はコメントアウト # すべてのウィンドウの色 StdForeColor Black StdBackColor #60a0c0 # フォーカスされているウィンドウの色 HiForeColor Black HiBackColor #cd6e6e # ページャの色 PagerBackColor gray80 PagerForeColor gray95 #スティッキーウィンドウの色 StickyForeColor Black StickyBackColor #71bcbf #メニューの色 MenuForeColor navy MenuBackColor wheat MenuStippleColor wheat
GoodStuffをどこに配置するか,ボタンの色を何色にするかなど,GoodStuffの設定について説明する.GoodStuffの外観については次のように記述して設定する.
*GoodStuffFore 色の名前 *GoodStuffBack 色の名前 *GoodStuffFont フォントの名前 *GoodStuffGeometry 位置 *GoodStuffRows 1列に配置するボタンの数
GoodStuffForeなどのパラメータが何を指すのかを図4.10に示す.
例として,標準の設定ファイルにおける``GoodStuff''の外観に関する記述を次に示す.
*GoodStuffFore Black *GoodStuffBack #908090 *GoodStuffFont -adobe-helvetica-bold-r-*-*-10-*-*-*-*-*-*-* *GoodStuffGeometry +1-1 *GoodStuffRows 3
``GoodStuff''で使用するボタンの設定について述べる.ボタンについて設定できることは,ボタンに貼りつけるアイコンやボタンを押したときに何が起動されるかなどである.ボタンの設定に関しては次のような書式にしたがって記述する.
*GoodStuff タイトル アイコン コマンド
例としてMuleの設定例を次に示す.
*GoodStuff Mule page2.xpm Exec "" mule &
``タイトル''でボタンに貼りつける文字を指定し,``アイコン''でボタンに貼りつけるpixmaps,``コマンド''でボタンを押した際の動作を記述する.一般に``コマンド''は,``Exec''によって起動することになる.ボタンに自分で作成した画像を貼りつけたい場合は第X部 4.4.3を参照してほしい.
通常,1つのディスプレイには1つの画面しか表示できないが,fvwmでは仮想的に複数のディスプレイを使用することができる.次のように設定した場合,3×3の合計9個のページを使用することができる.なお仮想デスクトップ内に配置することができるページの数は,DeskTopSizeで指定する.
DeskTopSize 3x3
Pager -2 +2
ルートウィンドウでマウスをクリックするとメニューが開く.メニューに関する設定は次のような書式にしたがって記述する.
Popup "ラベル" 機能 "ラベル" : : 機能 "ラベル" EndPopup
``ラベル''は実際に表示される内容であり,``機能''はそのラベルの項目を選択したときに実行される内容である.最初の行にPopup,最後の行にEndPopupと記述する.
実際の設定例を図4.11に示す.なお,Popupの次の行には自動的に境界線が引かれるようになっている.また,11行目でNopを指定して境界線を引くように設定している.