Tgifは,直線,曲線,図形,文字入力などのさまざまな描画モードが備わっている図形作画ツールであり,kinput2を利用して日本語を入力できる.出力形式は,PS,EPS,EPSI,GIF,XBM形式をサポートしており,OHPに図や絵を描きたい場合や,LATEXで作成された文書に図を貼り込みたい場合などに利用できる.
次のように入力すると,Tgifが起動する.
% tgif [ファイル名] &<RET>
Tgifを終了するには,ファイルメニューから[Quit]を選択する.
描画モードメニュー(図3.2)からモードを選択した後,表3.1に示した操作方法にしたがって図形を作成する.
Tgifのウィンドウ内でマウスの中ボタンをプレスすると表示されるプルダウンメニューから,保存,編集,フォントやレイアウトなどの設定,変更を行える.まずメインメニュー内で項目を選択し,中ボタンをリリースする.マウスカーソルの形が変わるので,再びマウスボタンをドラッグすると,選択したモードに関して具体的な設定,変更を行うためのサブメニューが表示される.その中から項目を選択する.ほとんどのメニューは画面上部の`Panel Window' (図3.1)にも表示されており,そこをマウスでクリックすることで設定,変更を行える.
次にメインメニューを選択して表示されるサブメニューの各項目について説明する.
ファイルメニューを選択して表示されるコマンドのうち,特に重要と思われるものを表3.2に示す.
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Copy (複写),Cut (切り取り),Paste (貼りつけ),Duplicate (複製を作成)などを行える.メニューの右端に表示された^
d(複写)などは
C-dを意味し,キーボードからC-dと入力しても複写を行える.
キャンバスを縦方向(Portrait)に使うか,横方向(Landscape)に使うかを決定する.
キャンバスに表示する範囲を調節する.ZoomInすると図形が拡大して表示され,ZoomOutすると図形が縮小して表示される.
複数の図形をグループ化し,複数の図形を一度に操作できるようにする.複数の図形を選択した状態で実行する.
図形を前面に出したり,背面に配置したりする.とくに塗りつぶした四角形の前面に文字を表示するときなどに利用する.
[RotateClockWise],[RotateCounter]によって指定した図形を時計回り,半時計回りに回転移動できる.
Page機能を利用すると1つのファイルに複数のページを作れる.さらに,[PageLayout]を選択して複数のページを1ページずつ表示するか,まとめて表示するかを選択できる.
文字のフォントやサイズを変更できる.ただしkinput2を用いて日本語を入力する場合は利用できるフォントに限りがあるので注意すること.
直線の太さ,実線,破線,矢印などのパターンを選択する.これはパネルウィンドウの中からも選択できる.
マウスの中ボタンを使ってメインメニューから[File]→[Save],または[SaveNew]を選択する.[Save]を選択した場合は,編集中のファイル名で保存される.また[SaveNew]を選択した場合は,新しいファイル名を入力するためのウィンドウが表示されるので,そこでファイル名を入力し <RET>を押すと,.objという拡張子がついたファイル名で保存される.
Tgifで用いられるファイル形式はobj形式というフォーマットであり,描いた図をLATEX文書に取り込んだり,プリンタで印刷したり,WWW上で公開するにはそれぞれに適した画像フォーマットに変換する必要がある.パネルウィンドウでLATEX (EPS)と表示されている部分をマウスの左ボタンでクリックするとさまざまなフォーマットが表示されるので,用途に応じたフォーマットを選択してファイルメニューから[Print]を実行する.その際ファイル名は tgif.objを,GIF形式で出力した場合はtgif.gif,EPS形式で出力した場合はtgif.epsとなる.なお,CNS上のプリンタで印刷できる画像フォーマットはEPS形式とPS形式のみである.
マウスのコピー&ペースト を利用して日本語入力を行う場合,TgifとともにMuleなどを起動しておく必要がある.
まず,Tgifに貼りつける文字列をMuleの中に表示させ,その文字列をマウスで選択して反転表示させる.次にTgifのウィンドウでマウスの中ボタンをクリックし,メインメニューから[Edit]→[Selection Paste]を選択する.マウスポインタと共に四角の枠が表示されるので,Tgifのウィンドウ上でマウスボタンをクリックし,文字列を`Canvas Window' (図3.1)に貼りつける.
貼りつけた文字列のフォントが合っていないために,表示がおかしくなった場合には,マウスの中ボタンを使ってメインメニューから[Font]を選択し,サブメニューの中から横書き用の[Ryumin],[Gothic]または縦書き用の[Ryumin-V],[Gothic-V]のいずれかを選択すると,貼りつけた文字列が選択したフォントに更新される.
Tgifではkinput2というソフトウェアを使い,日本語の直接入力もできる.kinput2は,X Window System上で動作する日本語入力フロントエンドプロセッサ(FEP)であり,これを利用してアプリケーションに日本語を入力できる.かな漢字変換にはWnnを使用している.
kinput2は,日本語を入力するアプリケーションを起動する前に,バックグランドジョブとして起動しておく必要がある.kinput2を起動するには,次のように入力する.
% kinput2 &<RET>
% _
kinput2は起動しただけでは何も起こらないが,アプリケーション内で文字入力モードにした後に<SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力するとkinput2のウィンドウが表示される(図3.3).
再度<SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力するとkinput2のウィンドウが画面から消えて,もとの文字入力状態に戻せる.
ただしTgifを利用した状態では多少操作方法が異なる.`Tgif'ウィンドウ内でマウスの右ボタンをドラッグすると描画モードメニューが表示されるので,その中から文字入力モードを選択する.そして<CTRL>を押しながら<SPACE> を入力するとkinput2のウィンドウが表示される.
終了するには,<SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力する.するとkinput2のウィンドウが画面から消え,もとの文字入力状態に戻せる.
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