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3.3 タグの機能 -- HTML

現在,HTMLで使用できるタグは多数あるが,ここでは基本的なタグ(表 )の機能を紹介する.それ以外のタグについては市 販のマニュアルなどを参照してほしい.


 
表: 基本的なタグ
 
機能 紹介されているタグ ページ
ページ全体を設定する <HTML> <HEAD> <BODY> <TITLE>
文章をレイアウトする <H> <BR> <P> <CENTER> <PRE> <HR>
箇条書きをする <UL> <OL> <DL>
フォントを変更する <FONT> <B> <I> <U> <TT>
リンクを指定する <A>
画像ファイルを貼りつける <IMG>
表組みを行う <TABLE> <TR> <TD> <TH>

まったく同じタグを使って作成されたページでも,ブラウザにより表示が若干 異なる場合がある.これは,ブラウザごとにタグの解釈が微妙に異なることが 原因で生じる.また,特定のブラウザでしか解釈できないタグも存在するため, 表示するページのレイアウトが崩れるといったことも起こり得る.タグを使用 する際は見る側のブラウザを考慮してページを作成することが望ましい.

   
3.3.1 タグの書式

HTMLでは <> の間に書かれた文字がタグとして扱われる. 基本的にタグは開始タグ(<TA
GNAME>
)と終了タグ(</TAGNAME>) の2つが対になっている.

<TAGNAME>
タグの設定対象となる部分
</TAGNAME>
ただし例外として,対になっていないタグ(<BR>タグ,<P>タグ,<HR>タグなど)もある.また,タグでは大文字と小文字は区 別されない.例えば,<title><Title><TITLE>はすべ て同じ意味に解釈される.

     
属性

属性を指定できるタグもある.属性とはそのタグの効果を細かく指定するもの であり,開始タグの中で指定する.属性には値を持つものと 持たないものがあり,値を指定するものは次のように記述する.なお,1つの タグの中に複数の属性を指定できる.

<TAGNAME 属性="値">
タグの設定対象となる部分
</TAGNAME>

      
色の指定

ページの背景や文字の色を変更するには,16進数で表現されたR (赤),G (緑), B (青)の3色の濃淡の組合せにより指定する.例えば,``#FF0000''は, それぞれの色の濃淡がFF (赤),00 (緑),00 (青)であり,こ れは``純粋な赤''を意味する.なお,最初に#をつけるのを忘れないよ うにすること.16進数による色指定の詳細についてはを参 照すること.

#RRGGBB

    
3.3.2 ページ全体を設定するタグ

ページを作成するには,文章を書く前にまずページ全体の設定を行う<HTML><HEAD><TIT
LE>
<BODY>などのタグを書き込 む.これらのタグは,ページのタイトルを設定したり,ページの本文とそれ以 外の部分(ヘッダ)を区別する役割がある.

<HTML>
<HEAD>
ヘッダ(←<TITLE>タグはこの部分に記述する.)
</HEAD>
<BODY>
本文
</BODY>
</HTML>

ページ全体を設定する <HTML>タグ

 

HTML形式のファイルであることを明示するために,ファイルの最初と最後を <HTML>タグと</HTML>タグで囲む.

ページのヘッダを設定する <HEAD>タグ

 

<HEAD>タグと</HEAD>タグで囲まれた部分をヘッダと呼び,ペー ジのタイトルやそのページの構成情報など本文に記述しない情報を記述する. ヘッダに記述した情報はページには表示されない.

ページのタイトルを設定する <TITLE>タグ

 

<TITLE>タグと</TITLE>タグで囲まれた部分にはページのタイト ルを記述する.このタグはヘッダの中に書かなければならない.このタイトル は,ブラウザのウィンドウ枠のタイトル部分に表示されたり,ブックマークリ スト()の登録名となるので,そのページの内容 を端的に表すものにすること.

<TITLE>ページのタイトル</TITLE>

ページの本文を設定する <BODY>タグ

 

<BODY>タグと</BODY>タグで囲まれた部分にはページの本文を記 述する.<BODY>タグの属性を指定すると,ページの背景や本文全体の文 字の色などを変更できる.色の指定方法はを参照する こと.

<BODY BGCOLOR="#RRGGBB">
       

<BODYTEXT="#RRGGBB"LINK="#RRGGBB"VLINK="#RRGGBB"ALINK="#RRGGBB">
本文
</BODY>

 
表: 本文全体の文字の色を指定する属性
 
属性名 色が変化する文字
TEXT 通常の文字
LINK まだ入手したことのない情報へのリンクが設定されている文字
VLINK すでに入手したことのある情報へのリンクが設定されている文字
ALINK リンクが設定されている文字をクリックしたときの文字

<BODY BACKGROUND="画像ファイルのURL">
本文
</BODY>

    
3.3.3 文章をレイアウトするタグ

ここでは文章のレイアウトに関するタグの機能を説明する.これらのタグを使 用すると,自由な位置で改行や改段落をしたり,区切り線を入れられる.

見出し <H>タグ

 

文章の見出しを表示するためのタグである.このタグで囲った部分は文字が大 きく表示され,さらに前後が改行される.サイズは6段階(最大1から最小6の数値) で指定する.しかし,日本語の場合,ブラウザによっては3段階にしか 変化しない場合もある.

<H数値>見出し</H数値>



 
図: <H>タグのサンプル



改行 <BR>タグ

 

ページに書き込んだ文章はブラウザのウィンドウの右端で自動的に改行さ れるが,<BR>タグを使うと強制的に改行できる.

文1<BR>文2


 
図: <BR>タグのサンプル



改段落 <P>タグ

 

<P>タグを使うと改段落できる.

文1<P>文2


 
図: <P>タグのサンプル



中央寄せ <CENTER>タグ

 

このタグで囲まれた部分を中央寄せ(センタリング)して表示する.

<CENTER>中寄せする文章や画像など</CENTER>


 
図: <CENTER>タグのサンプル


整形済みテキスト <PRE>タグ

 

すでに整形されている文章をそのまま表示する場合は<PRE>タグで囲む.

<PRE>整形されたテキスト</PRE>


 
図: <PRE>タグのサンプル



区切り線の表示 <HR>タグ

 

<hr>タグを使うと,ページの中に区切り線を入れられる.

<HR>


 
図: <HR>タグのサンプル


    
3.3.4 箇条書きをするタグ

HTMLには,記号による箇条書き,番号による箇条書き,及び説明付き 箇条書,という3種類の箇条書きが用意されている.

記号による箇条書き <UL>タグ

   

記号の箇条書きを行うためのタグであり,におけるitemize環境と同じで ある.<UL></UL>\begin{itemize}\end{itemize}に あたり,<LI>\itemにあたる.

<UL>
<LI> 項目1
<LI> 項目2
</UL>

<UL TYPE="記号の種類">
<LI> 項目1
<LI TYPE="記号の種類"> 項目2
</UL>


 
図: <UL>タグのサンプル



番号による箇条書き <OL>タグ

   

<OL>タグを使うと,enumerate環境と同様に番号 による箇条書きを行える.

<OL>
<LI> 項目1
<LI> 項目2
</OL>

<OL TYPE="番号の種類"> 
<LI TYPE="番号の種類">
</OL>


 
表: <OL> <LI>タグで指定できる TYPE属性の種類
 
指定できる値 効果 (出力例)  
1  何も指定しない場合と同じ (1, 2, 3, 4, ...)
A(大文字) 大文字のアルファベット (A, B, C, D, ...)
a(小文字) 小文字のアルファベット (a, b, c, d, ...)
I(大文字) 大文字のローマ数字 (I, II, III, IV, ...)
i(小文字) 小文字のローマ数字 (i, ii, iii, iv, ...)


<OL START="最初の番号(数字)">
<LI>
</OL>


 
図: <OL>タグのサンプル



説明付き箇条書き <DL>タグ

     

<DL>タグを使うと,各項目に説明が付いた箇条書きを行える. 項目は<DT>タグの後に,項目の説明は<DD>タグの後に記述 する.

<DL>
<DT>項目1
<DD>項目1の説明
<DT>項目2
<DD>項目2の説明
</DL>

 
図: <DL>タグのサンプル


    
3.3.5 フォントを変更するタグ

ここでは,文字のフォントを変更するためのタグの機能を説明する.これらの タグを使えば,文字の色やサイズを変更したり,形を変えるなどさまざまな効 果を指定できる.

フォントの色やサイズの変更 <FONT>タグ

 

<FONT>タグで色やサイズなどのフォント属性を変更できる.

<FONT>フォントを変更する文章</FONT>

<FONT SIZE="数値">サイズを変更する文章</FONT>

<FONT COLOR="#RRGGBB">色を変更する文章</FONT>


 
図: <FONT>タグのサンプル


フォントスタイルの変更 <B><I><U><TT>タグ

       

<B><I><U><TT>タグで囲まれた部分は, フォントのスタイルが変更される.日本語のフォントには効果がないものもあ るので注意すること.表にそれぞれのタグの 効果を示す.



 
表: フォントスタイルを変更するタグ
 
タグ フォントスタイル
<B> ボールド(太字)
<I> イタリック(斜体)
<U> アンダーライン(下線)
<TT> タイプライタ(等幅)


<B>太字にする文章</B>
<I>斜体にする文章</I>
<U>下線を引く文章</U>
<TT>等幅にする文章</TT>


 
図: フォントスタイル変更タグのサンプル



   
特殊文字

HTMLで特殊な意味を持つ文字(<>&")は,そのままではファイルに記述してもブラウザ に表示できない.ページ内でこれらの文字を記述するときは,表 のような特別な書き方をする.



 
表: 特殊文字
 
特殊文字 HTMLでの表記
< &lt;
> &gt;
& &amp;
" &quot;



 
図: 特殊文字タグのサンプル


      
3.3.6 リンクを指定するタグ

ここでは,WWWの最大の特徴である,他の情報へのリンクを記述するためのタ グの機能を説明する.

他の情報へのリンク <A>タグ

 

文章や画像などを<A>タグと</A>タグで囲むことで,それらの情 報に他の情報へのリンクを設定できる.HREF属性  にはリンクの設定先の 情報のURLを指定する.リンクの設定先の情報は,画像などページ以外の情報 でもよい.

<A HREF="リンク先の情報のURL">リンクを設定する文章や画像など</A>

    
3.3.7 画像ファイルを貼りつけるタグ

HTMLではGIF やJPEG 形式などの画像ファイ ルをページに貼りつけられる.また,ただ貼りつけるだけではなく,位置の指 定や文章の回り込みの指定なども行える.

画像の貼りつけ <IMG>タグ

 

画像の貼りつけには<IMG>タグを使用する.SRC属性  には貼りつける画像 ファイルの場所をURLで指定する.

<IMG SRC="画像ファイルのURL">

<IMG SRC="画像ファイルのURL" WIDTH="横幅" HEIGHT="縦幅">

<IMG SRC="画像ファイルのURL" ALIGN="位置">

<IMG SRC="画像ファイルのURL" ALIGN="文章に対する位置">

 
図: <IMG>タグのサンプル


    
3.3.8 表組みを行うタグ

HTMLでは次のタグを<TABLE>タグと</TABLE>タグの間で使うこと で表組みを作成する.  

-- 表の作り方 --

表を作成する手順を次に示す.

1.
<TABLE>タグと</TABLE>タグで囲む.
2.
<TR>タグで行を区切る.
3.
<TD>タグや<TH>タグで列を区切る.

<TABLE>
<TR><TH>見出し1</TH><TH>見出し2</TH></TR>
<TR><TD>項目1</TD><TD>項目2</TD></TR>
</TABLE>

<TABLE>タグで指定する属性

<TABLE BORDER="数値">
</TABLE>

<TABLE WIDTH="横幅" HEIGHT="縦幅">
</TABLE>

<TR><TD>タグで指定する属性

<TD ROWSPAN="縦方向の長さ" COLSPAN="横方向の長さ">
<TR ROWSPAN="縦方向の長さ" COLSPAN="横方向の長さ">

 
図: <TABLE>タグのサンプル