クライアントでメッセージを読み込む際, サーバからメッセージを削除する方法と, サーバにメッセージを残しておく方法の2通りがあります.
例えば, UNIX環境でMewを利用し, Windows環境のラップトップコンピュータで AL-Mail () を利用するなどして, CNS のメールアドレスに来たメッセージを 複数のクライアントを利用して読む場合は, Mewでメッセージを削除せずコピーし, AL-Mailでメッセージを削除する設定にします. 常に後でAL-Mailを利用してメッセージを読み込むことで, どちらのクライアントでも同じメッセージを閲覧できます.
逆に, AL-Mailではメッセージを残し, Mewからは削除する設定にすると, 常に後でMewを利用してメッセージを読み込むことで, どちらのクライアントでも同じメッセージを閲覧できます.
CNS のメールアドレスに届いたメッセージを, 他のメールアドレスへ自動的に転送できます. このことをメッセージの ``転送'', ``フォワード'' などといいます.
CNS のメールアドレスに届いたメッセージを 自動的に外部のメールアドレスへ転送する設定は, メールサーバにリモートログインし, `/var/forward/'ディレクトリで行います. このディレクトリに, Emacs () などのテキストエディタや echoコマンドを利用して, 自分のログイン名のついたファイルを作成し, 設定を記述します.
転送には, CNS のサーバにメッセージを残さない設定と 残す設定の2つがあります. CNS のサーバに残さない場合は, 転送先アドレスのみを記述します. CNS のサーバにもメッセージを残す場合は, 転送先アドレスの前に, \ログイン名を書き, カンマで区切ります.
次に,echoコマンドを利用して, t02000tfのメッセージを `picasso@guide.ac.jp'に 転送する設定の実行例を示します.
1. メールサーバにリモートログインする.
% ssh mail <RET> t02000tf's password: <RET> Sun Microsystems Inc. SunOS 5.6 Generic August 1997 % cd /var/forward <RET> % _
2. ログイン名のファイルを作成し,転送先のメールアドレスを記述する.
% echo [転送先メールアドレス] > [ログイン名] <RET>
% echo picasso@guide.ac.jp > t02000tf <RET> % more t02000tf <RET> picasso@guide.ac.jp % _
% echo [ログイン名],[転送先メールアドレス] <RET>
% echo \\t02000tf,picasso@guide.ac.jp > t02000tf <RET> % more t02000tf <RET> \t02000tf,picasso@guide.ac.jp % _
メールサーバへリモートログインし,フォワードの設定の際に /var/forward/に作成した, 自分のログイン名と同名のファイルを削除します.
% ssh mail <RET> t02000tf's password: <RET> Sun Microsystems Inc. SunOS 5.6 Generic August 1997 % cd /var/forward <RET> % rm t02000tf <RET> % _
通常メールサーバはユーザ認証に POP3を利用しています. しかしPOP3はパスワードを暗号化せずに扱うため, 悪意を持った第三者に傍受され不正利用される危険性があります.
外部プロバイダを経由してCNSのサーバから送受信を行う場合は,ネットワーク上での高い安全性を確保するため,`APOP'や`POP3 over SSL'をりようしてパスワードを暗号化する必要があります.
表 におもなメールクライアントの APOP・POP3 over SSL の対応状況をあげます.
`APOP' (Authenticated Post Office Protocol) とは, POP3のパスワード認証部分を暗号化することにより 安全性が高められたプロトコルです.
APOPを利用するには, メールサーバ上でパスワードの設定をし, APOPに対応しているメールクライアント () を利用する必要があります. なお, Windows版のOutlook ExpressはAPOPには対応していません.
次にAPOPのパスワードを設定するための方法を示します. なお,APOPのパスワードの変更も同様に行います.
1. mailにリモートログインする.
% ssh mail <RET> t02000tf's password: <RET> Sun Microsystems Inc. SunOS 5.6 Generic August 1997 % cd /var/forward <RET> % _
2. パスワードを設定する.
popauthコマンドを実行します.
パスワードを変更する際は今まで使っ
ていたパスワードも求められます.
% popauth <RET> Changing POP password for t02000tf. New password: <RET> <- 新しいパスワードを入力する. Retype new password: <RET> <- 確認のためもう一度入力する. % _
3.クライアントでAPOP利用の設定をする.
`POP3 over SSL'とは, POP3での通信を `SSL' (Secure Socket Layer) という通信方法を利用して暗号化したものです. SSLはWWW上の通信販売サイトなどでも利用されている 信頼性の高い方法です.
POP3 over SSLを利用するには, POP3 over SSLに対応しているメールクライアント () を利用する必要があります.