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cpacer

1.3 メールに関する設定

1.3.1 メールサーバからのメッセージの削除

クライアントでメッセージを読み込む際, サーバからメッセージを削除する方法と, サーバにメッセージを残しておく方法の2通りがあります.

例えば, UNIX環境でMewを利用し, Windows環境のラップトップコンピュータで AL-Mail ([*]) を利用するなどして, CNS のメールアドレスに来たメッセージを 複数のクライアントを利用して読む場合は, Mewでメッセージを削除せずコピーし, AL-Mailでメッセージを削除する設定にします. 常に後でAL-Mailを利用してメッセージを読み込むことで, どちらのクライアントでも同じメッセージを閲覧できます.

逆に, AL-Mailではメッセージを残し, Mewからは削除する設定にすると, 常に後でMewを利用してメッセージを読み込むことで, どちらのクライアントでも同じメッセージを閲覧できます.

1.3.2 他のメールアドレスへの転送

CNS のメールアドレスに届いたメッセージを, 他のメールアドレスへ自動的に転送できます. このことをメッセージの ``転送'', ``フォワード'' などといいます.

1.3.2.1 フォワードの設定

CNS のメールアドレスに届いたメッセージを 自動的に外部のメールアドレスへ転送する設定は, メールサーバにリモートログインし, `/var/forward/'ディレクトリで行います. このディレクトリに, Emacs ([*]) などのテキストエディタや echoコマンドを利用して, 自分のログイン名のついたファイルを作成し, 設定を記述します.

転送には, CNS のサーバにメッセージを残さない設定と 残す設定の2つがあります. CNS のサーバに残さない場合は, 転送先アドレスのみを記述します. CNS のサーバにもメッセージを残す場合は, 転送先アドレスの前に, \ログイン名を書き, カンマで区切ります.

次に,echoコマンドを利用して, t02000tfのメッセージを `picasso@guide.ac.jp'に 転送する設定の実行例を示します.

1. メールサーバにリモートログインする.

% ssh mail <RET>
t02000tf's password: <RET>
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% cd /var/forward <RET>
% _

2. ログイン名のファイルを作成し,転送先のメールアドレスを記述する.

% echo [転送先メールアドレス] > [ログイン名] <RET>
% echo picasso@guide.ac.jp > t02000tf <RET>
% more t02000tf <RET>
picasso@guide.ac.jp
% _
% echo [ログイン名],[転送先メールアドレス] <RET>

% echo \\t02000tf,picasso@guide.ac.jp > t02000tf <RET>
% more t02000tf <RET>
\t02000tf,picasso@guide.ac.jp
% _

1.3.2.2 フォワードの解除

メールサーバへリモートログインし,フォワードの設定の際に /var/forward/に作成した, 自分のログイン名と同名のファイルを削除します.

% ssh mail <RET>
t02000tf's password: <RET>
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% cd /var/forward <RET>
% rm t02000tf <RET>
% _

1.3.3 外部プロバイダーからのメール操作

通常メールサーバはユーザ認証に POP3を利用しています. しかしPOP3はパスワードを暗号化せずに扱うため, 悪意を持った第三者に傍受され不正利用される危険性があります.

外部プロバイダを経由してCNSのサーバから送受信を行う場合は,ネットワーク上での高い安全性を確保するため,`APOP'や`POP3 over SSL'をりようしてパスワードを暗号化する必要があります.

[*] におもなメールクライアントの APOP・POP3 over SSL の対応状況をあげます.


表: 主要メールクライアントのAPOP・POP3 over SSL対応状況
クライアント名 バージョン APOP POP3 over SSL
AL-Mail32 1.12 ×
Becky! Internet Mail 2.00.08 ×
Eudra-J 5.0 ×
Outlook Express(Windows版) 6.00.2600.0000 ×
Outlook Express(Macintosh版) 5.02
Netscape 6 6.2 ×

1.3.3.1 APOP

`APOP' (Authenticated Post Office Protocol) とは, POP3のパスワード認証部分を暗号化することにより 安全性が高められたプロトコルです.

APOPを利用するには, メールサーバ上でパスワードの設定をし, APOPに対応しているメールクライアント ([*]) を利用する必要があります. なお, Windows版のOutlook ExpressはAPOPには対応していません.

次にAPOPのパスワードを設定するための方法を示します. なお,APOPのパスワードの変更も同様に行います.

1. mailにリモートログインする.

% ssh mail <RET>
t02000tf's password: <RET>
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% cd /var/forward <RET>
% _

2. パスワードを設定する.
popauthコマンドを実行します. パスワードを変更する際は今まで使っ ていたパスワードも求められます.

% popauth <RET>
Changing POP password for t02000tf.
New password: <RET>                   <- 新しいパスワードを入力する.
Retype new password: <RET>            <- 確認のためもう一度入力する.
% _

3.クライアントでAPOP利用の設定をする.

それぞれのクライアントでの設定方法は[*]を参照してください.

APOPのパスワードはCNSのパスワードとは別に管理されています.APOPのパスワードもCNSのパスワードと同様に,定期的に変更するようにしてください.
また,APOPのパスワードを忘れた場合やAPOPのパスワードを削除したい場合は,学生証を持ってメディアセンター1階のCNS/ERNSサービス窓口に行ってください.

1.3.3.2 POP3 over SSL

`POP3 over SSL'とは, POP3での通信を `SSL' (Secure Socket Layer) という通信方法を利用して暗号化したものです. SSLはWWW上の通信販売サイトなどでも利用されている 信頼性の高い方法です.

POP3 over SSLを利用するには, POP3 over SSLに対応しているメールクライアント ([*]) を利用する必要があります.