ページスタイルが制御しているのは,
ページ番号の表示形式と表示位置,ヘッダとフッタの表示,非表示です.
ヘッダ,フッタはそれぞれページ上部とページ下部の本文領域外の部分のことであり,
一般にページ番号や章の標題などが表示されます.
ページスタイルの例を表
に示します.
| スタイル | 出力 |
| empty | ページ番号,ヘッダ,フッタ共に何も出力しない |
| plain | ページ番号をフッタ中央部に出力する. ヘッダには何も出力しない |
| headings | ヘッダにドキュメントクラス依存の文字列と ページ番号を出力するフッタには何も出力しない |
| myheadings | 基本的にheadingsと同じ.ヘッダに出力される文字列 を\markbothあるいは\markrightコマンドで定義できる |
jarticleドキュメントクラスでは myheadingsが指定されていますが, ヘッダに出力されるのはページ数だけです.文字列を出力する場合 は\markbothあるいは\markrightコマンドを用います.
ページスタイルの指定と変更を行うには,\pagestyleおよび
\thispagestyleコマンドを用います.文書全体のページスタイルの変更
には\pagestyleコマンドを用い,文書中のある1ページのみの変更には
\thispagestyleコマンドを用います.
引数には表
のいずれかのページスタイルを指定します.
次にページスタイルの指定例を示します.
例では最初にページスタイルにplainを指定し,
続けてある1ページだけページ番号を出力しないように指定しています.
headingsやmyheadingsといったページスタイルでは,ヘッダ領域に文字列 を出力できます.これらの文字列を指定あるいは変更するの が\markbothおよび\markrightコマンドです.\markbothコマン ドは偶数ページと奇数ページ両方のヘッダを,\markrightは奇数ページのヘッダ のみを指定します.
\markbothコマンドの記述方法を次に示します.
例えば,偶数ページのヘッダに文書のタイトルである``モンゴルの経済改革'' を出力し,奇数ページのヘッダに執筆者の名前``山吹緑''を出力する場合は, 次のように記述します.
\markrightコマンドの記述方法を次に示します.
例えば,奇数ページのヘッダに節番号を出力する 場合は, 次のように記述します.\thesectionコマンドは 章番号を出力するコマンドです.
目次や付録などで,本文とページ番号の振り方を変えて出力するときには
\pagenumberingコマンドを用います.これはページ
番号の出力形式を変更するコマンドです.\pagenumberingコマンドの引数として指定できる値を表
に示します.次の実行例では,ページ番
号を小文字のローマ数字に設定しています.
| 出力形式 | 機能 |
| arabic | ページ番号をアラビア数字にする |
| roman | ページ番号を小文字のローマ数字にする |
| Roman | ページ番号を大文字のローマ数字にする |
| alph | ページ番号を小文字のアルファベットにする |
| Alph | ページ番号を大文字のアルファベットにする |
\pagenumberingコマンドでページの出力形式を変
更するとページカウンタがクリアされ,ページ番号はまた1から振られるよう
になります.また出力形式がalphあるいはAlphのとき,
ページ数がアルファベットの上限である26を超えるとエラーになるので注意して
ください.