LaTeXにはコマンドの先頭を示す`\'やコメントアウトを行う`%'など,多くの特殊文字が存在します.これらの文字はそのままでは出力できないので注意してください. 特殊文字の一覧,および出力方法はを参照してください.
ソースファイル中に`%'を記述すると, その行の`%'以降は本文として認識されません. これをコメントアウトといいます. これによりソースファイル中にコメントを書き込めます.次に例を示します.
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LaTeXでは,ソースファイル中に連続して半角空白を記述しても, 整形後の文書イメージには半角空白1個分の空白しか挿入されません.つまり, 文書イメージに意図的に余白を挿入したい場合でも,ソースファイル中に記述 した半角空白は基本的には意味をなしません.` 'はソースファイル上 での半角空白1個入力することを表します.次に例を示します.
これは文書が英文でも同じです.
LaTeXではソースファイルの記述の仕方 に関わらず,ページ単位で最適な大きさの余白を自動的に挿入し文書イメー ジの体裁を整えるので,基本的にはユーザが細かな空白調節をすることはできません. 任意の大きさの空白を挿入する方法についてはを参照してください.
LaTeXでは文書クラスで定義された1行の長さに合わせて 自動的に改行が行われます. そのためソースファイル中の改行は半角空白と同様, 基本的に意味をなしません. 整形後の文書イメージで意図的に改行したい場合には, 改行コマンド`\\'を用います.
LaTeXには文章整形の制御を指示する方法として,コマンド,環境,グルーピ ングという3つの方法があります.ここでは,この3つの考え方について簡単に 説明します.
LaTeXのコマンドは文章整形を指示するためのもっとも基本的な方法です.コマンド は基本的に'\'で始まる文字列で記述します.LaTeXはその際 半角空白やタブ,改行の前までをコマンドとして認識します.
環境とは\begin{環境名}というコマンドから \end{環境名}というコマンドで挟まれた範囲のことです. 環境名によって,この範囲に対して文字の大きさなどさまざまな 機能の指定を行えます. コマンド名の中には環境名として使用できるものもあります.
次にsmall環境とlarge環境を用いた具体例を示します.
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\begin{small}と\end{small}で囲まれた範囲は\small環境となり, 文字が小さく整形されます.またこの例ではsmall環境内でさらに large環境を利用しているので,その範囲ではlarge環境 となります.このように環境が入れ子構造になっている場合は内側で定義されたも のが優先されます.
グルーピングは,環境同様に コマンドの有効範囲を指定して 整形を行う方法です.グルーピングでは,中括弧{ }で本文の 任意の領域を囲うことによって有効範囲を指定します.またグルーピングも入れ 子構造にでき,環境同様にもっとも内側のグループが優先されます.次に \largeコマンドと\smallコマンドを用いた例を示します.
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LaTeXはいくつかのモードを持っており, モードごとに異なったルールに基づいて文書整形を行います. モードはLaTeXのコマンドや環境によって変化します.
普通に文書を記述するためのモードです. 1行の長さが決められており,越えると自動的に改行されます. 通常の文書整形はこのモードで行われます.
文書を左から右へ改行をせずに出力するモードです. \verb(), \underline() などのコマンドや, tabular環境()で適用されます.
数式を記述するためのモードです.半角英数字は mathitalic体になります.