Tgifは,直線,曲線,図形,文字入力などのさまざまな描画モードが備わって
いるドロー系画像ツールであり,kinput2を利用して日本語を入力できます.出力形
式は,PS,EPS,EPSI,GIF,XBM形式が利用できます.
LaTeXで作成した文書に図を貼り込みたい場合などに利用します.
次のように入力すると,Tgifが起動します.
% tgif [ファイル名] & <RET>
Tgifを起動すると図のようなウィンドウが表示されます.
[ファイル名]を指定した場合はその画像がキャンバスに表示され,
何も指定していないときは新しいキャンバスが表示されます.
Tgifを終了するには,[File]をプレスして表示されるメニューから[Quit]を選択します.
Tgifのウィンドウ内で右ボタンをドラッグすると, 描画モード選択用のプルダウンメニューが表示されます(図).
メニューから文字入力,直線,四角形,円形作図,フリーハンド作図などの描 画モードを選択できます.選択された描画モードは, 画面上部の`Panel
Window' (図)に表示されます.
描画モードメニュー(図)からモードを選択した 後,表に示した操作方法にしたがって図形を作成します. |
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Tgifのウィンドウ内でマウスの中ボタンをプレスして表示されるプルダウン メニューから,保存,編集,フォントやレイアウトなどの設定,変更を行えます. まずメインメニュー内で項目を選択し,中ボタンをリリースします.マウスカー ソルの形が変わるので,再びマウスボタンをドラッグすると,選択したモード に関して具体的な設定,変更を行うためのサブメニューが表示されます.その中 から項目を選択します.ほとんどのメニューは画面上部の `Panel Window' (図)にも表示されており, そこをマウスでクリックすることで設定,変更を行えます.
次にメインメニューを選択して表示されるサブメニューの各項目について説明します.
ファイルメニューを選択して表示されるコマンドのうち,主なもの を表に示します.
コマンド | 意味 |
New | ファイルの新規作成 |
Open | ファイルの読み込み |
Save | 上書き保存 |
SaveNew | 別名をつけて保存 |
Import | 追加読み込み |
出力 | |
Quit | Tgifの終了 |
Copy (複写),Cut (切り取り),Paste (貼りつけ),Duplicate (複製を作成) などを行えます.メニューの右端に表示された^d(複写)などは C-dを意味し,キーボードからC-dと入力しても複写 を行えます.
キャンバスを縦方向(Portrait)に利用するか,横方向(Landscape)に利用するかを決定します.
キャンバスに表示する範囲を調節します.ZoomInすると図形が拡大して表示 され,ZoomOutすると図形が縮小して表示されます.
複数の図形をグループ化し,複数の図形を一度に操作できるようにします. 複数の図形を選択した状態で実行します.
図形を前面に出したり,背面に配置したりします.特に塗りつぶした四角形の 前面に文字を表示するときなどに利用します.
[RotateClockWise],[RotateCounter]によって指定した図形を時計回り,半時 計回りに回転移動できます.
Page機能を利用すると1つのファイルに複数のページを作れます.さらに, [PageLayout]を選択して複数のページを1ページずつ表示するか,まとめて表 示するかを選択できます.
文字のフォントやサイズを変更できます.ただし kinput2 ()を用いて日本語を入力する場合は利用できる フォントに限りがあるので注意してください.
直線の太さ,実線,破線,矢印などのパターンを選択します.これはパネルウィ ンドウの中からも選択できます.
マウスの中ボタンを使ってメインメニューから[File]→[Save], または[SaveNew]を選択します.[Save]を選択した場合は,編集中のファイル名 で保存されます.また[SaveNew]を選択した場合は,新しいファイル名を入力す るためのウィンドウが表示されるので,そこでファイル名を入力し <RET>を押すと,.objという拡張子がついたファイル名で 保存されます.
Tgifで用いられるファイル形式はobj形式というフォーマットであり,描いた 図をLaTeX文書に取り込んだり,プリンタで印刷したり,WWW上で公開するに はそれぞれに適した画像フォーマットに変換する必要があります.パネルウィンド ウでLaTeX (EPS)と表示されている部分をマウスの左ボタンでクリックする とさまざまなフォーマットが表示されるので,用途に応じたフォーマットを選 択してファイルメニューから[Print]を実行します.その際ファイル名は tgif.objを,GIF形式で出力した場合はtgif.gif, EPS形式で出力した場合はtgif.epsとなります.なお,CNS 上のプリン タで印刷できる画像フォーマットはEPS形式とPS形式のみです.
マウスのコピー・アンド・ペースト () を利用して日本語入力を行う場合, TgifとともにEmacsなどを 起動しておく必要があります.
はじめに,Tgifに貼りつける文字列をEmacsの中に表示させ,その文字列をマウスで 選択して反転表示させます.次にTgifのウィンドウでマウスの中ボタンをクリッ クし,メインメニューから[Edit]→[Paste]を選択します. マウスポインタと共に四角の枠が表示されるので,Tgifのウィンドウ上で マウスボタンをクリックし,文字列を `Canvas Window' (図)に貼りつけます.
貼りつけた文字列のフォントが合っていないために,表示がおかしくなった場 合には,マウスの中ボタンを使ってメインメニューから[Font]を選択し,サブ メニューの中から横書き用の[Ryumin],[Gothic]または縦書き用の[Ryumin-V], [Gothic-V]のいずれかを選択すると,貼りつけた文字列が選択したフォントに 更新されます.
Tgifではkinput2というソフトウェアを使い,日本語の直接入力もできます. kinput2は,X Window System上で動作する日本語入力フロントエンドプロセッ サ(FEP)であり,これを利用してアプリケーションに日本語を入力できます.か な漢字変換にはWnn ()を利用しています.
kinput2は,日本語を入力するアプリケーションを起動する前に,バックグラ ンドジョブとして起動しておく必要があります.kinput2を起動するには,次のよ うに入力します.
% kinput2 & <RET>
kinput2は起動しただけでは何も起りませんが,アプリケーション内で文字入 力モードにした後に<SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力するとkinput2 のウィンドウが表示されます(図).
再度<SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力するとkinput2のウィンドウが 画面から消えて,もとの文字入力状態に戻せます.
ただしTgifを利用した状態では多少操作方法が異なります.`Tgif'ウィンドウ内で マウスの右ボタンをドラッグすると描画モードメニューが表示されるので,そ の中から文字入力モードを選択します.そして<CTRL>を押しながら<SPACE> を入力するとkinput2のウィンドウが表示されます.