電子メールと電子ニュース/メールクライアントを利用する/Mewの操作方法

CNS のUNIX環境でメールを読むには,Emacs上で動作するMew(Messaging in the Emacs World)と呼ばれるメールクライアントを利用します.

2.2.1 基本操作

起動 -- (M-x mew)

Mewを起動するには,Emacsを起動してM-x mewと入力します.起動画面(図2.1)が表示された後,受信メールの一覧が表示されます.この受信メールの一覧が表示されている状態を`Summaryモード'と呼びます.Mewはメールサーバに新しくメールが到着している場合,起動時にメールを受信します.メールの受信中は,エコーエリアに`Getting +inbox ...'と表示され,受信が終了すると新しく到着したメールが一覧に追加され,追加されたメールの数がエコーエリアに表示されます.新しいメールが到着していない場合,`No new message'と表示されます.




Mewの起動画面



メールの一覧表示



Summaryモードの操作

Mewでは,Summaryモードで表示するメール番号の範囲を,`Range'を用いて指定できます.

Summaryモードでsを入力すると`Range (update): 'とエコーエリアに表示されます.必要なRange(表2.1)を入力し, <RET>を押すと,Summaryの一覧が,指定した範囲で再表示されます.この例の場合,何も入力せずに<RET>を押すと,( )の中に囲まれているupdateが選択されます.

Summaryの再表示 -- (s)

Summaryモードに表示されている範囲よりさらに古いメールを読みたいときや,逆に比較的新しいメールのみの表示に変える場合には, sを押して,表示するRangeを入力し<RET>を押します(表2.1参照).指定したRangeの範囲でメールの一覧が再表示されます.


表 2.1: Summaryモードで表示するRangeの指定
範囲の指定方法 意味
all ディレクトリ内のすべてのメール
update 変更のあった部分(新着メールなど)を追加
first:10 最初の10通
last:10 最後の10通
100:10 100番から後へ10通
100:-10 100番から前へ10通
1-100 1番から100番まで

終了 -- (Q,C-x C-c)

Mewのメール操作を終了するにはQを押します.エコーエリアに次のように表示されるので,yを押すと,Mewは終了します.

Quit Mew? (y or n)_


2.2.2 メールの受信

メールサーバに新たに到着したメールを受信するにはSummaryモードで iを押します.M-x mewを実行したとき同様`Getting +inbox ...'と表示され,新しいメールが到着している場合はそれらが受信され,一覧に追加されます.新たにメールが到着していない場合はエコーエリアに`No new message'と表示されます.

Summaryモードでメールの内容を読むには,<SPACE>を押します(図2.3).メールの内容が長い場合はウィンドウに1度にすべての内容を表示できません.メールの続きの部分を表示させるには<SPACE>を押し,前のページに戻るには<BS>を押します.1つのメールの表示から次のメールの表示に移るには<SPACE>nを,前のメールに戻るには pを押します.



図 2.3:メール内容の表示(Mew)
図 2.3:メール内容の表示(Mew)

2.2.3 メールの作成


Summaryモードでwを押すと,新規に作成するメールの本文を書くウィンドウが表示されます.


To: _
Subject: 
X-Mailer: Mew version 1.94.1 on Emacs 20.5 / Mule 4.0 (HANANOEN)
--

この状態を`Draftモード'と呼びます.このモードでは,Emacsでのファイル作成と同様の操作でメールを作成できます.

1.
カーソルが1番上の`To:'の行に表示されるので,メールを送る相手のアドレス(CNS 内であればログイン名)を入力する.複数のユーザに送るには,そのユーザのアドレスをカンマ`,'で区切って続けて書く.
2.
必要ならば`Cc:'フィールドを 自分で作成して入力する.
3.
`Subject:'を入力する.

なお,以前にメールを送ったことのある相手のアドレスであれば,`To:'および`Cc:'フィールドの入力中に,他と区別のつくまで入力中に<TAB>を押すと,残りの部分が補完されます.

To: s01000hf
Cc: t01000tf
Subject: Report_
X-Mailer: Mew version 1.94.1 on Emacs 20.5 / Mule 4.0 (HANANOEN)
--


`To:',`Cc:',`Subject:'を入力したら,`--'の下の行にカーソルを移動して,本文を作成します.


`--'の行は,メールのヘッダ領域と本文領域の境界を表すものなので,消してはいけません.

signatureの付加 -- (C-c <TAB>C-c C-i)

ホームディレクトリの下に`.signature'という名前のファイルを作成し,その中に自分の署名を書いておきます.メールを送る前に C-c <TAB>またはC-c C-iを入力することで,その内容をメール本文に付加できます.`.signature'の内容は,4行程度の簡潔なものにしてください.次に`.signature'ファイルの例を示します.

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
Taro Fujisawa
Faculty of Environmental Information
URL http://www.sfc.keio.ac.jp/~t01000tf 

作成の中止 -- (C-c C-q)

メールの作成を途中で中止するときは,C-c C-qを入力します.エコーエリアに`Kill draft message? (y or n)'と表示されます.ここでyを入力すると,Summaryモードに戻ります.

Kill draft message? (y or n) _

2.2.4 メールの送信

本文を作成した後,C-c C-mを入力するとヘッダ部分の最後に次に示す3行が加えられます.

Mime-Version: 1.0
Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp
Content-Transfer-Encoding: 7bit

続けて,C-c C-cを入力すると実際にメールが送信されます.



図 2.4:メールの送信(Mew Draftモード)
図 2.4:メールの送信(Mew Draftモード)

2.2.5 メールの返信

受信したメールに対して返事を書くには,Summaryモードで返信するメール番号にカーソルを合わせ,aを押します.

`To:'フィールドや`Cc:'フィールドなどのメールヘッダがMewによって自動的に作成され,返信メールを作成する状態(Draftモード)になります(図2.5).このとき,Emacsの画面は3分割され,1番上が`Summaryモード'のバッファ,中央がメールの内容を表示する`Messageモード'のバッファ,1番下が返事を書くための`Draftモード'のバッファになります.


図 2.5:メールの返事を書く(Mew)
図 2.5:メールの返事を書く(Mew)

引用 -- (C-c C-y,A)

Mewでは返信メールを作成する状態で,もとのメールの本文を簡単に引用できます.DraftモードでC-c C-yを入力することで,もとのメールの本文の内容が,各行の先頭に`>'が付加された形で本文に挿入されます(図2.5).また,Summaryモードでaを押す代わりにAを押しても引用できます.

同じように,Mewでは複数のメールからの引用が簡単にできます.メールの返信を作成する際,画面が3分割されるので,C-x oもしくはマウスでクリックしてSummaryモードにカーソルを移動します.引用するメールを<SPACE>で選択すると,2番目のバッファにそのメールが表示されます.その状態でDraftモードのバッファにカーソルを移動してC-c C-yを入力すると,Draftモードのカーソルがある位置に選択されたメールを引用できます.

2.2.6 マルチパートメッセージ

Mewでは,``マルチパートメッセージ''という種類のメールを扱えます.マルチパートメッセージとは,メールに画像ファイルやバイナリファイルなどを独立したパートとして添付したものです.メールの受信者は簡単にそのパート部分を取り出してファイルとして保存,編集などができます.

ただし,メールを受け取る側が必ずしもマルチパートメッセージを正しく読めるとは限りません.例えば,CNS 内部であっても,相手がメールを読むのにMewを使っていなければ,文章以外は正しく表示されず,画像などは無意味な文字列になってしまうことがあります.マルチパートメッセージを送る際は,相手がマルチパートメッセージを読める環境にあることを確認してから送りましょう.


画像や音声などのパートを加えたメールは,各パートがもとの画像ファイルなどと同じディスク容量を消費し,そのメール自体も大きなファイルとなります.送信する際にネットワークに負荷がかかるので注意してください.

Mewは,画像などさまざまな形式のメールを扱えます.もともとメールは単純なテキストしか扱えませんでしたが,テキスト以外の形式のデータを送る需要が大きくなったため,MIME (Multipurpose Internet Mail Extensions)という規約が決められました.Mewは,この規約に従った方法で,メールを取り扱うようになっています.また,規約の名前を取って,送られるメール自体のことを``MIMEメッセージ''と呼ぶこともあります.

送信可能なデータ形式

マルチパートメッセージの各パートのデータ形式は,表2.2に示すものが利用できます.データ形式はファイル名の拡張子から自動的に判断されます.なお,Image/gifなどのデータの表現形式のことを,``Content-Type''と呼びます.


表 2.2: 可能なデータ形式
ファイル名の拡張子 Content-Type 意味
.txt Text/Plain テキストファイル
.html Text/Html HTMLファイル
.gif Image/Gif GIF形式の画像ファイル
.jpg または .jpeg Image/Jpeg JPEG形式の画像ファイル
.bmp Image/X-bmp BMP形式の画像ファイル
.png Image/Png PNG形式の画像ファイル
.au Audio/Basic AU形式の音声ファイル
.mpg または .mpeg Video/Mpeg MPEG形式の動画ファイル
.ps Application/PostScript PostScriptファイル
.ext Message/External-body External Body
.rfc822 Message/Rfc822 1通のメール全体
ファイル名が数字のみ Message/Rfc822 1通のメール全体
その他のファイル名 Text/Plain テキストファイル
その他のファイル名 Application/Octet-Stream その他のバイナリファイル

マルチパートメッセージの読み方

SummaryモードでMマークがついているメールは,MIMEのマルチパートメッセージです.次のように表示されているSummary一覧があるとします.

_ 32  05/17 Tarou Fujisawa   Re: New Design <<藤沢です.この前の件ですが,どう
  33 M05/17 Yoshiko Shonan   Re: New Design <<----Next_Part(Sat_Feb__8_13
  34  05/17 Hanako Fujisawa  Thanks. <<花子です.できたらお願いしたいのですが

ここで,カーソルをMマークがついたメールに移動させて <SPACE>を押すと,マルチパートメッセージの各パートのContent-Typeが表示され,さらに図2.6のようにパート1の内容が下のウィンドウに表示されます.


図 2.6:MIMEメッセージの表示例
図 2.6:MIMEメッセージの表示例

  32  05/17 Tarou Fujisawa   Re: New Design <<藤沢です.この前の件ですが,どう
_ 33 M05/17 Yoshiko Shonan   Re: New Design <<----Next_Part(Sat_Feb__8_13:
       1      Text/Plain
       2      image/jpeg
  34  05/17 Hanako Fujisawa  Thanks. <<花子です.できたらお願いしたいのですが

もう1度<SPACE>を押すと,この例ではパート2は文章ではなくJPEG形式の画像ファイルなので,Messageモードのバッファに次のように表示されます.

 ######  ######  #######  #####  ######     #    #     #
 #     # #     # #     # #     # #     #   # #   ##   ##
 #     # #     # #     # #       #     #  #   #  # # # #
 ######  ######  #     # #  #### ######  #     # #  #  #
 #       #   #   #     # #     # #   #   ####### #     #
 #       #    #  #     # #     # #    #  #     # #     #
 #       #     # #######  #####  #     # #     # #     #

Content-Type:	Image/Jpeg
Encoding: 	base64
Size:		98420 bytes
Filename:	adoguru.jpg
Program:	xv

To execute this external command, type 'C-c C-e'.
To save this part, type 'y'.
To display this part in Message mode, type 'C-c TAB'.
[End of message]

ここでC-c C-eを入力すると,xvが起動され,パート2の内容の画像が表示されます.このように,マルチパートメッセージを表示している状態で<SPACE>を押すと,次のパートが順次表示されていきます.パートが文書ではない場合は,画像や音声などといったデータ形式に応じて自動的に適当なツールが選択され,C-c C-eを入力することでパートの表示や再生が行われます.データ形式によっては適当なアプリケーションが見つからない場合がありますが,そのようなデータが含まれたアプリケーションを表示した場合,Messageモードのバッファに次のように表示されます.

 ######    ###   #     #    #    ######  #     #
 #     #    #    ##    #   # #   #     #  #   #
 #     #    #    # #   #  #   #  #     #   # #
 ######     #    #  #  # #     # ######     #
 #     #    #    #   # # ####### #   #      #
 #     #    #    #    ## #     # #    #     #
 ######    ###   #     # #     # #     #    #

Content-Type:	Application/Octet-Stream
Encoding: 	base64
Size:		42957 bytes
Filename:	list.xls

To save this part, type 'y'.
To display this part in Message mode, type 'C-c TAB'.
[End of message]

これらのパートはファイル名をつけて保存できます.まず,次のように保存したいパートにカーソルがあることを確認します.

  32  05/17 Tarou Fujisawa   Re: New Design <<藤沢です.この前の件ですが,どう
  33 M05/17 Yoshiko Shonan   Re: New Design <<----Next_Part(Sat_Feb__8_13
       1      Text/Plain
_      2      image/jpeg
  34  05/17 Hanako Fujisawa  Thanks. <<花子です.できたらお願いしたいのですが

ここでyと押すと,エコーエリアに次のように表示されるので,保存するファイル名を入力します.

File:~/_

マルチパートメッセージの作成

マルチパートメッセージを作成するには,Draftモードで本文を入力した後, C-c C-aを入力します.すると,本文の最後に次の5行が追加されます.

------------------------------ attachments ----------------------------
      Multipart/Mixed                                        123/
     1  Text/Plain(guess)                                      CoverPage*
     2                                                         ._
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

この部分を,メールの本文と区別して``添付領域''と呼びます.添付領域はメールを構成するパートのリストで,このリストに添付するファイルを指定してマルチパートメッセージを構成します.

添付領域の各行は,パート番号,パートのデータ形式,パートの名前の3つのフィールドからなります.この例では,1行目の`123/'と表示された行がこのメール全体を表しており,1通のメール全体としてのデータ形式はマルチパートメッセージ形式なので,`Multipart/Mixed'と表示されています.2行めの`CoverPage'と表示された行は,さきほど作成した本文領域を意味しています.本文領域のデータはテキスト形式なので,`Text/Plain'と表示されます.

新しくパートを加えるには,一番下のパートの行,この例の場合だと`2 ._' の行の`.'にカーソルを移動し, cを押します.エコーエリアに`Copy from:~/'と表示されるので,次のように新たなパートとして加えるファイルのパスを入力します.

Copy from : ~/image/hanabi.gif_

ファイルのパスを入力し<RET>を押すと,エコーエリアに`Copy to(hanabi.gif) :'と表示されます.添付する際のファイル名を入力し<RET> を押します.なお,何も入力せずに<RET>を押した場合は( )内に表示されているファイル名がそのまま入力されます.

Copy to (hanabi.gif): _

以上の作業を行うと,添付領域の表示が変り図2.7のような画面になります.これでhanabi.gifがパートとして加えられたことになります.同様に,他の文書やプログラムソースなどのファイルも新たなパートとして加えられます.


図 2.7:パート追加後の画面
図 2.7:パート追加後の画面

また,Windowsのアプリケーションで作成したファイルなど,表2.2にない形式のデータは原則として``Application/Octet-Stream形式''で送信する必要があります.パートに追加するだけではテキストファイルとして追加されてしまい,受け取る側が正常な形式のファイルとしてメールから切り離せなくなります.

次に,CNS のホームディレクトリに保存されている,Microsoft Excelで作成したsample.xlsというファイルをメールに添付して送る例を示します.

メールの本文を作成し,C-c C-aを入力して添付領域を作成します.cを入力して`sample.xls'を新しいパートとして追加すると,添付領域が次のような画面になります.

------------------------------ attachments ----------------------------
      Multipart/Mixed                                        8/
     1  Text/Plain(guess)                                      CoverPage*
     2  Text/Plain(guess)                                      sample.xls
     3                                                         .
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

このままだと`sample.xls'がテキストとして認識されていますので,明示的にバイナリファイルとして認識させる必要があります.カーソルをバイナリファイルとして認識させたいパートに移動し,Tを入力します.エコーエリアに`Type for sample.xls(Text/Plain)'と表示されるので,次のように`Application/Octet-stream'と入力します.

Type for sample.xls (Text/Plain): Application/Octet-stream_

`sample.xls'のパートのContent-TypeがApplication/Octet-streamに変更され,Base64という方法で符号化(encode)されたことを表すBという英文字がパート番号の前に追加されます.

------------------------------ attachments ----------------------------
      Multipart/Mixed                                        8/
     1  Text/Plain(guess)                                      CoverPage*
B    2  Application/Octet-Stream                               sample.xls
     3                                                         .
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

ファイルの添付作業が終了したらC-c C-mを入力します.マルチパートメッセージを送信するための情報が挿入されるので,確認した後,C-c C-cを入力します.

本文を書かずにテキスト以外のファイルだけを添付すると,相手にわかりにくい場合もありますテキスト以外の形式のファイルをMIMEで送信する際には,本文領域に説明の文章をつけ加えましょう.

パートを新たに加える操作は,指定したファイルを作成中のマルチパートメッセージ用のディレクトリにコピーすることで行われています.そのため,`Copy to:'としてコピー先を聞かれたときに,別のファイル名を答えても構いません.ただし,`.gif'などの拡張子はそのままにする必要があります.

添付領域での応用操作

マルチパートメッセージを作成する添付領域では, cを入力して新しくパートを加える以外に,表2.3に示した操作ができます.操作を行うパートにカーソルを持っていき,キー入力を行います.


表 2.3: 添付領域で可能な操作
入力キー 意味   入力キー 意味
c 新しいパートの追加   d パートの削除
r 各パートのファイル名の変更   e 新規パートとしてExternal Body を作成
m サブディレクトリの作成(パートの階層化)   D 簡単なパート内容の説明(Content-Description)を入力
f パート内容を読み込んで編集   T データ形式(Content-Type)の変更
F パートを新規ファイルとして作成   C Text/のデータのcharset (文字コード)を指定

External Body

2.2と表2.3にある``External Body''とは,実際のデータではなくURLなどのデータへの参照情報のみを持ちます.External Bodyを使うことによって,WWW などで公開されているデータへの参照情報のみを1つのパートとして送れます.

CNS のユーザ同士でやりとりするメールであれば,External bodytypeとしてlocal-fileを指定し,そのファイルへの参照情報を送ることで,ファイルそのものを送ることなく受信者はファイルを表示できます.

メールの実際の中身は次のようなファイルの置かれている位置情報だけで,ファイルそのものを送るわけではありませんが,受信者はMewの中でそのファイルの内容を表示できます.

2.2.7 メールの整理

不要なメールを残しておくことはファイル空間の無駄となるだけでなく,ユーザの利便性の観点からも望ましくありません.メールの削除や``リファイル(refile)''による整理を行ってください.

リファイルとは,ホームディレクトリのファイルをディレクトリを作成して整理するように,関連のあるメールを~/Mailの下にディレクトリを作成して整理することです.ユーザはMewを用いて簡単にリファイル行えます.

マーキングによる整理

Mewでは,Summaryモードで整理する内容に応じてマークをつけます.これを``マーキング''と呼び,マークには消去,リファイルなどがあります.メールを整理するにはマーキングを行い,次に実行(eXecute)を意味するxを入力します.

  • 消去 -- (d)

    不必要なメールを消去するには,Summaryモードで消したいメール番号にカーソルを移動してdを押します.メール番号と日付の間に,消去(Delete)を意味するDマークがつき,xを押すとメールが消去されます.

      29D 04/20 Hanako Fujisawa New Term <<花子です.学校はじまったけど調子
    _ 30  04/22 Hanako Fujisawa report <<またまた花子.昨日の玲ちゃんすごかっ
      31  04/22 Hanako Fujisawa meeting <<はなぴょんです.来週の打ち合せにつ
    

    xを入力し消去したメールは,実際には ~/Mail/trashディレクトリに移動されます.したがって,本当に消去されたわけではありません.

    消去したメールを完全に削除したい場合,SummaryモードでDを押します.次のようにエコーエリアに表示されます.

    Remove all messages in +trash? (yes or no)_
    ここで,yesと入力するとtrashディレクトリ内のメールが本当に削除されます.この作業を行ったメールは復旧できないので,注意して実行してください.
  • リファイル -- (o)

    メールをリファイルするには,Summaryモードでリファイルするメール番号にカーソルを移動し,oを押します.次のようにエコーエリアに表示されます.

    Folder name (+circle): +_

    ここで,リファイル先のディレクトリ名を`circle'などのように入力します.このとき,入力したディレクトリが存在しないと,次のように新しいリファイル先ディレクトリを作成するかどうかを尋ねられます.

    +circle doesn't exist. Create it? (y or n) _

    ここでyを入力すると,`~/Mail'以下に`circle'というディレクトリが作成されます.また,リファイル先の名前を入力する際に,(+circle)などのように`From:'などの値からリファイル先をMewが推測して表示するので,正しいときは <RET>を押します.

    このようにリファイルするディレクトリを指定すると,カーソルのあるメールの番号の後にoマークがつきます.

      31  04/22 Tarou Fujisawa ryuugaku <<気をつけてロンドン行ってきて下さい
    _ 32o 04/23 Hanako Fujisawa Re: ryuugaku <<私が帰ってくるまで待ってくれな
      33  04/23 Hanako Fujisawa Thanks!! <<大きな花束ありがとう.すごく嬉しか

  • 取消し -- (uU)

    Mewではマーキングを行っても,xを押して処理を実行しない限り,処理は実行されず,マークを外して処理を取り消せます.マークを外すには,マークを外すメール番号にカーソルを移動して uを押します.またUを押すと,メールについている任意のマークをすべて外せます. Dマークがついているメールがあり,そのすべてのDマークを外す例を次に示します.

      1D 04/20 Hanako Fujisawa New Term <<花子です.学校はじまったけど調子はど
    _ 2D 04/22 Hanako Fujisawa report <<またまた花子.昨日の玲ちゃんすごかった
      3  04/22 Hanako Fujisawa meeting <<はなぴょんです.来週の打ち合せだけど
      4D 04/22 Tarou Fujisawa How are you? <<ふじさわ.最近どうよ?

    ここでUを入力するとエコーエリアに`Input mark :'と表示されるので,Dを入力します.

    Input mark :D_

    これでSummaryモードですべてのDマークを外せます.

      1 04/20 Hanako Fujisawa New Term <<花子です.学校はじまったけど調子はど
    _ 2 04/22 Hanako Fujisawa report <<またまた花子.昨日の玲ちゃんすごかった
      3 04/22 Hanako Fujisawa meeting <<はなぴょんです.来週の打ち合せだけど
      4 04/22 Tarou Fujisawa How are you? <<ふじさわ.最近どうよ?
    


  • 実行 -- (x)

    マーキングを行い,実際に消去やリファイルを行うには,eXecute(実行)を意味するxを入力します.1度xを入力すると処理を取り消せないので注意してください.

フォルダとディレクトリ

新着メールが取り込まれる`inbox'フォルダも,他のフォルダと同様にMailディレクトリの中にディレクトリとして存在しています.`inbox'フォルダは,ユーザが自分で作成しなくてもあらかじめ用意されており,新着メールを読み込む際には`inbox'フォルダに読み込まれます.


図 2.8:フォルダとディレクトリ
図 2.8:フォルダとディレクトリ


  • リファイル先への移動 -- (g) `inbox'フォルダからリファイルしたメールを読むには,Summaryモードでgを押します.次のようにフォルダ名の入力を求められるので,リファイルする場合と同様にリファイル先を入力します.

    Folder name (+inbox): +_
  • コマンドによるメールの編集

    ユーザのホームディレクトリには`Mail'というディレクトリがあり,受信したメールはこの中にすべて保存されます.例えばユーザ t01000tfの`circle'にリファイルされた1通目のメールは`/home/t01000tf/Mail/circle/1'というファイルです.このファイルは普通のテキストファイルなので, morecpmvなどのコマンドで表示,コピー,移動したり,a2pslprコマンドを使って印刷できます.次に`inbox'ディレクトリの10通目のメールを印刷する例を示します.

    % a2ps -p ~/Mail/inbox/10 | lpr -P[プリンタ名]

新着メールが取り込まれる`inbox'フォルダと,自分が書いたメールを保存しておく`draft'というディレクトリはユーザが作らなくてもあらかじめ用意されます.この2つは特別なディレクトリなので,コマンドラインから消去しないよう注意してください.

メール番号のつけ直し -- (O)

メールの削除やリファイルを行うと,Summaryモードで表示されるメール番号に欠番が生じます.1から番号を振り直すにはOを押します.例えば,次のように2, 3, 5,6番が欠番になっている状態があります.

  1 04/20 Hanako Fujisawa New Term <<花子です.学校はじまったけど調子はど
_ 4 04/22 Hanako Fujisawa report <<またまた花子.昨日の玲ちゃんすごかった
  7 04/22 Hanako Fujisawa meeting <<はなぴょんです.来週の打ち合せだけど,

ここでOを入力すると,エコーエリアに次のように表示されます.次に,yまたは<RET>を入力すると,番号のつけ直しの処理がはじまります.

Pack +inbox? (y or n) _


処理が終わるとエコーエリアに`Listing +inbox ... done'と表示され,Summaryが再表示されます.

  1 04/20 Hanako Fujisawa New Term <<花子です.学校はじまったけど調子はど
_ 2 04/22 Hanako Fujisawa report <<またまた花子.昨日の玲ちゃんすごかった
  3 04/22 Hanako Fujisawa meeting <<はなぴょんです.来週の打ち合せだけど,

このとき,Dマークやoマークがついていたメールは,xを入力したとき同様に削除やリファイルが実行された後で番号がつけ直されます.

2.2.8 メールの検索

Mewでは,メールの送信者や宛先,`Subject'などの条件によってメールを検索できます.検索に利用できる条件を表2.4に示します.


表 2.4: Mewの検索条件項目
検索条件 意味 検索条件 意味
from From: フィールド | [パターン1]または[パターン2]
to To: フィールド ! [パターン]でない
cc Cc: フィールド body 本文中に[パターン]がある
subject Subject: フィールド & [パターン1]かつ[パターン2]
date Date: フィールド    

     

  • 結果表示を行う検索 - (/)

    Summaryモードで/を入力すると,エコーエリアに次のようなメッセージが表示されるので,検索対象とするディレクトリを入力します.

    Folder name (+inbox): +_

    例えば,`inbox'ディレクトリの中にあるs01000hfのユーザから送られたメールを検索するには,inboxと入力します.次のようにエコーエリアに表示されます.

    pick pattern: _

    ここで`from'や`to',`cc',`subject'などの検索対象(表2.4)と検索の条件値を次のように入力します.なお,検索対象の入力では,入力途中で<TAB>を押すことで残りの部分が補完されます.

    pick pattern: from=s01000hf_

    検索条件を入力し<RET>を押すと検索処理がはじまります.エコーエリアに`Picking message in +inbox ...'という検索中であることを示すメッセージが表示された後,検索条件に一致したメールの一覧が表示されます.他のメールも表示し直すにはsを入力し,Summaryの再表示を行います.(2.2.1).

    次に条件を組み合わせて検索する例を2つ示します.1つ目の例は`From:'フィールドに`s01000hf'を含み,かつ`Subject'に`report'を含むメールを検索しています.
    Summaryモードで/を入力し検索対象とするディレクトリを入力した後,次のように入力すると実際にメールの検索が行われ,検索結果の一覧が表示されます.

    pick pattern: from=s01000hf & subject=report_

    2つ目の例は`To:'フィールド,または`Cc:'フィールドに`s01000hf'を含み,かつ,`From:'フィールドに`t01000tf'を含むメールを検索しています.

    Summaryモードで/を入力し検索対象とするディレクトリを入力した後,次のように入力します.

    pick pattern: (to=s01000hf | cc=s01000hf) & from=t01000tf_
    以上のように入力すると,実際にメールの検索が行われ,検索結果の一覧が表示されます.
  • 複数のフォルダからの検索 -- (V)

    Mewでは複数のフォルダからメールを検索し,仮想フォルダと呼ばれるEmacs上のバッファに検索結果を表示できます.複数のフォルダからメールを検索するには,SummaryモードでVを入力します.次に仮想フォルダ名の入力を求められるので,エコーエリアに任意の文字列を入力します.単に<RET>を押すと,仮想フォルダ名は`++virtual'になります.

    Virtual folder name (virtual): _

    次に検索する単数,または複数のフォルダ名を入力します.複数のフォルダを入力する場合は,次の例のように`,'で区切る.またフォルダ名に`*'を指定すると,すべてのフォルダから検索できます.

    Folder name (+inbox): +inbox,+circle,+class_

    フォルダ名を入力し<RET>を押すと次のように表示されるので,検索条件を入力します.

    pattern : _

    指定した複数のディレクトリから検索条件に一致したメールが仮想フォルダに集められ,Summaryモードで表示されます.仮想フォルダのSummaryモードでは,oマークによるリファイル,Dマークによる消去,検索はできません.