電子メールと電子ニュース/電子メールの基本概念/電子メール

電子メールはインターネットに接続された電子メールを配信するためのコンピュータ(メールサーバ)と,電子メールを送受信するためのツール(メールクライアント)により構成されます.なお,これ以降電子メールをメールと表記します.


図 1.1:電子メールの流れ
図 1.1:電子メールの流れ

電子メールの概念や,メールアドレスの説明については第VI部 1.2を参照してください.

次に,電子メール固有の表現について説明します.

1.1.1 メールヘッダ

メールは宛先や差出人,送信日時などを示すヘッダ領域と,手紙の中身に相当する本文領域の2つから構成されます.ヘッダ領域は表1.1に示す各フィールドで構成されており,ユーザがおもにに入力するものは`To:',`Cc:',`Subject:'です.`To:'にはメールのおもな宛先を入力します.`Cc:'(カーボンコピー)は,他人へのメールを控えとして自分にも送信する場合などに利用する欄です.メールの送信に関しては`To:'フィールドに入力するのとまったく同じですが,`To:'フィールドにはそのメールを読んでほしいユーザのメールアドレス,`Cc:'フィールドはそのメールを参考までに送るユーザのメールアドレスという意味があります.自分のアドレスが`Cc:'フィールドの場合は受けとったメールを読み飛ばす人もいるので注意してください.`Bcc:'(ブラインドカーボンコピー)は`Cc:'フィールドと同じ働きをしますが,メールの受け手は`Bcc:'フィールドに記載されたメールアドレスを見ることはできません.


表 1.1: メールヘッダ
ヘッダ名 意味
From メールの送り主
Date メールの発信時刻
Subject メールの表題
Sender メールの送り主
To 送り先のメールアドレス
Cc カーボンコピーの送り先のメールアドレス
Bcc ブラインドカーボンコピーの送り先のメールアドレス
Reply-To メールに対する返事を送るべきアドレスのリスト
In-Reply-To どのメールに対する返事かを示す識別子
X-ではじまるもの 利用者定義のヘッダ

CNS ではシステムメールボックスとしてメールサーバ(mail.sfc.keio.ac.jp)上に`/var/spool/mail/ログイン名'がユーザごとに用意されます.このファイルには新着メールが1つのまとまったファイルとして保存されています.不用意な操作は新着メールを消すなどのトラブルを生むので,直接操作しないでください.

1.1.2 利用上の注意

メールはコミュニケーションの一手段です.ユーザは利用に際して次のようなことに注意してください.

  • 宛先メールアドレスを確認する

    メールアドレスの書き間違いは,無関係な人にメールが届く,システムに無用な負担をかけるなどの弊害があります.メールを送信する前にメールアドレスを再確認してください.

  • 文体に気をつける

    無駄な引用や1行がむやみに長い文章などは,受け手の読みやすさという点から問題です.1行の長さは70字(全角文字では35字)程度に調整してください.Emacsには半角70文字で自動的に改行を行う機能があります.メール作成の際にこの機能を利用するにはホームディレクトリの下にある .emacsというファイルに以下の内容を記述します.

(add-hook 'mew-draft-mode-hook 'turn-on-auto-fill)

  • 情報の保護に注意する

    メールは物理的に離れた場所や,無関係な大量の人々に情報を伝達することも可能です.プライバシーを侵害するような内容や個人への誹謗,中傷といった内容は避けましょう.また,著作権の保護に留意することも必要です.