LaTeX/LaTeXによる文書整形の応用/図表を配置する

LaTeXでは,図表を記述した箇所だけでなく,見やすいようにページの上端や下端などに自動的に配置できます.この機能を提供するのがfigure 環境やtable環境といったfloat環境である.

figure環境は図を配置し,table環境は表を配置する機能を持ちます.これらfloat環境内では\captionコマンドで標題を出力させることができます.出力される標題の前には, figure環境では``図 1.1''のように,table環境では``表 1.1''のように番号が振られます.なお,両者の環境の違いは基本的にはこの標題の出力形式だけです.

float環境の記述例を次に示します.一般的に図の標題は図の下に,表の標題は表の上につけます.また,例で指定している\labelコマンドは,相互参照機能を利用するためにラベルをつけるコマンドです.相互参照についてはを参照してください.




\begin{figure}[位置指定]
具体的な図の記述
\caption[ヘッダ,目次用標題]{標題}
\label{fig-label-1}
\end{figure}

figure環境の記述例


\begin{figure}[位置指定]
\caption[ヘッダ,目次用標題]{標題}
\label{table-label-1}
具体的な表の記述
\end{figure}

tabular環境の記述例


figure環境やtable環境では,図表の配置を表のように指示できます.配置の指定は特になくても問題ありません.指定がない場合はLaTeXが適当に判断して図表を配置します.なお,これらの環境名に``*''をつけた場合は,2段組の場合に本文領域の横幅一杯の図表を出力できます.


表: 図表の配置指定

位置指定 機能
h 記述した場所に図表を出力する.``*''をつけた場合は指定できない.
t ページ上端に出力する.
b ページ下端に出力する.``*''をつけた場合は指定できない.
p 図表用のページを用意して出力する.

この位置指定は複数指定することもできます.例えば次のように指定すると,記述した場所に出力できるかを確かめ,無理であればページ上端に,さらに無理であればページ下端に出力します

1ページにレイアウト可能なfloat環境の割合と個数は表に示すtopnumbertotalnumberといったカウンタによって制限されているので注意すること.この他に,\topfraction\bottomfraction\dblfloatpagefraction といったパラメータによって配置制御がされる.詳細については専門書を参照のこと.