LaTeX/LaTeXによる文書の整形/表の作成

LaTeXではtabular環境によって表を作成できます. tabular環境は表の各項目から自動的に各行,各列の幅や高さを決定し,各項目指定した出力位置に揃うようにします. tabular環境では基本的に縦の項目を並べるように出力を調整します.この縦の並びを`列'と呼び,横の並びを`行'と呼びます.各項目は出力形式にしたがって並べられます.各項目間は`&'で区切り,各行の最後には`\\'をつけます.最終行には`\\'はつけません.次にtabular環境の書式を示します.

\begin{tabular}{各項の出力形式}
項目11 & 項目12 & ・・・ 項目1n	\\
項目21 & 項目22 & ・・・ 項目2n	\\
項目k1 & 項目k2 & ・・・ 項目kn
\end{tabular}

2.6.1 各項の出力形式

各項目は各項の出力形式にしたがって整形されます.その出力形式はそれぞれの列ごとに指定します.各項の出力形式には表の列と同じ数だけの出力形式を並べて記述します.なお,各項の出力形式を指定するところでは空白を入れてはいけません.

2.12に,指定できる列の出力形式を示します.


表 2.12: 列の出力形式一覧
コマンド 効果
l その列の項目を左寄せします.
c その列の項目をセンタリングします.
r その列の項目を右寄せします.
| 列と列の間に縦罫線を出力します.
p{長さ} その列の項目の横幅を指定します.``長さ''には単位をつける必要が
  あります.項目そのものは左寄せされます.

2.6.2 横方向の罫線

tabular環境で横罫線を引くには,次の2種類のコマンドを使いわけます.

  • \hline
    各行の区切り``\\''の後に記述すると,その行の直後に表の横幅いっぱいの横罫線を引きます.
  • \cline{i-j} 基本的に\hlineと同じですが,表内の第i列目の先頭から第j列目の終端の間にのみ横罫線を引きます.

次にtabular環境の実行例を示します.



\begin{center}
\begin{tabular}{|p{10zw}|l|c|r|}
\hline
ここが8文字だと & 左寄せ & センタリング & 右寄せ\\
\cline{2-4}
残りの2文字が空く↑ & pを使わないと & 幅は長い文字列に & 合わせられます \\
\hline
\end{tabular}
\end{center}


ここが8文字だと 左寄せ センタリング 右寄せ
残りの2文字が空く↑ pを使わないと 幅は長い文字列に 合わせられます


2.6.3 \multicolumnコマンド

基本的に表は各行の列数をそろえますが,場合によっては複数の項をつないで1つの項目として扱うときもあります.そのような場合には \multicolumnコマンドを用います.

\multicolumn{項目数}{出力形式}{出力したい文字列}

\multicolumnコマンドを使用した項目では tabular環境で指定した出力形式が無効となります.よって\multicolumnコマンドの出力形式に``|''を指定しないと縦罫線が出力されないので注意してください.

次にmulticolumnの記述例を示します.



\begin{center}
\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|}\hline
\multicolumn{7}{|c|}{北陸道}\\ \hline
佐渡	&越後	&越中	&加賀	&
能登	&越前	&若狭\\ \hline
\multicolumn{2}{|c|}{新潟県}&富山県&
\multicolumn{2}{|c|}{石川県}&
\multicolumn{2}{|c|}{福井県}\\ \hline
\end{tabular}
\end{center}


北陸道
佐渡 越後 越中 加賀 能登 越前 若狭
新潟県 富山県 石川県 福井県