XVは,対話的に画像の操作,編集を行えるアプリケーションである.XVの主な機能は,各種画像ファイル形式の表示や保存,変換であり,画像の作成などは行えない.
取り扱える画像ファイル形式を次に挙げる.画像ファイル形式の詳細は第1部 1を参照すること.
次のように入力すると,XVの起動画面が表示される(図2.9).
% xv &<RET>
% xv [ファイル名] &<RET>
ウィンドウの中で右ボタンをクリックすると,XVのコントロールパネルが表示される(図2.10).ここではコントロールパネルの機能について説明する.
[Load]は`xv'ウィンドウ上に,指定した画像ファイルを読み込んで表示する機能である.コントロールパネルの[Load]をクリックすると,`xv load'ウィンドウ(図2.11)が表示される.そのウィンドウ内でファイルのリストから該当するファイルを選択しクリックするか,`Load file:'に直接ファイル名を入力して[Ok]をクリックすると,その画像ファイルが`xv'ウィンドウに表示される.
また,コントロールパネル上部の[Image Size]をプレスして表示されるをメニューから画像の表示モードを変更すると,現在表示している画像をルートウィンドウにも表示できる.なおこの場合は,画像を表示していた`xv'ウィンドウは消える.
[Save]は現在`xv'ウィンドウに表示されている画像をファイルに保存する機能である.コントロールパネルの[Save]をクリックすると`xv save'ウィンドウ(図2.12)が表示される.`xv save'ウィンドウ内で画像ファイル形式(Format)と色形式(Colors)を選択する.該当するファイル名をクリックするか,`Save file:'に直接ファイル名を入力して[Ok]をクリックすると,選択した画像ファイル形式で画像が保存される.拡張子はFormatを選択した時点で自動的に付けられる.
また,画像が表示されている`xv'ウィンドウの大きさを変えることによって,画像の拡大縮小を行える.
[Grab]はウィンドウダンプを取る機能である.コントロールパネル上の[Grab]をクリックすると,`xv grab'ウィンドウ(図2.13)が表示されるので,取り込みたい内容によって次のように操作する.
`xv grab'ウィンドウの中の[Grab]をクリックし,取り込みたいウィンドウの上でマウスの左ボタンをクリックすると,そのウィンドウのみが取り込まれる(ウィンドウダンプ).ルートウィンドウをクリックすると画面全体が取り込まれる(ルートウィンドウダンプ).
ある範囲を指定して取り込む
`xv grab'ウィンドウの中の[Grab]をクリックし,マウスの中ボタンをドラッグすると,プレスした場所を始点に点線の枠が表示される.枠の大きさを調節して取り込みたい範囲を囲んで,マウスボタンをリリースすると,その範囲だけが取り込まれる. 指定時間後の画面を取り込む
`xv grab'ウィンドウの中の`Delay: [0] seconds'と書かれた部分に数字を入力し,[AutoGrab]をクリックすると,指定した秒数後にマウスカーソルが指しているウィンドウを自動的に取り込む.
xvのウィンドウを隠す
ルートウィンドウなどを取り込むときに,XV関連のウィンドウを隠したい場合には,`xv grab'ウィンドウの中の`Hide XV windows'をクリックしておく.
[Crop]はXVの画面に表示されている画像の一部分を切り取る機能である.XVのウィンドウ上で左ボタンをドラッグすると点線の枠が表示される.
この状態で,コントールパネル左下の[Crop]をクリックすると,枠で囲った部分だけが切り取られる.[UnCrop]はCrop操作の取り消しを行う.また,[AutoCrop]は表示画像に同一色の余白がある場合,その部分を自動的に切り捨てる.
表示している画像全体を縮小,拡大する.
表示している画像全体を90度回転する.
指定した範囲を縦,横に反転する.範囲を指定していない場合,画像全体を反転する.
現在表示されている画像ファイルに関する情報を得る機能である.コントロールパネル上部の[Windows]→[Image Info]を選択するか,またはコントロールパネル上でiを入力すると`xv info'ウィンドウが表示される.このウィンドウには現在表示されている画像に関する情報が示され,その画像に変化があるたびに書き換えられる.再度同じ操作を行うと`xv info'ウィンドウは閉じる.
現在表示されている画像の色調などの変更を行う機能である.コントロールパネルから[Windows]→[Color Editor]を選択するか,またはコントロールパネル上でeを入力すると`xv color editor'ウィンドウが表示される.このウィンドウには,RGBの設定やイメージの修正を行うためのさまざまな項目があるので,これらを変更することによって画像の修正を行える.
XVを終了するときはコントロールパネルの[Quit]をクリックするか,またはxvのウィンドウ上でqを入力する.
Next: 2.7 画像の加工
Up: 2. ペイント系画像ツールの利用
Previous: 2.5 ルートウィンドウへの画像の表示