基本的なテキストカーソルの移動に関しては第1部 1.4.2 に示したが,編集作業においては広範囲にわたってテキストカーソルを移動する場合もある.表2.6にカーソルの移動に関するキー操作を示す.
Emacsのウィンドウの大きさには限りがあるため,編集しているバッファが大きい場合はそのバッファの一部しか見ることができない.現在ウィンドウに表示されている部分の前後を表示するには,M-v,C-vを入力する.M-vによって現在表示されている画面の1画面分前に, C-vによって現在表示されている画面から1画面分後に移動できる.また,M-<,M->を入力することによって,バッファの先頭,最後に移動できる.
特定の行にカーソルを移動したい場合,M-x goto-lineと入力して<RET>を押すと,カーソルを移動する行番号を指定できる.
Goto line: _
数字を入力してから<RET> を押すと,指定した行の先頭にカーソルが移動する. LATEXのファイル,およびJavaやC言語のソースコードを編集した後に latexコマンドやコンパイルを実行すると,何行目にエラーがあるというメッセージが出力されるので,修正の際にM-x goto-lineを利用すると効率よく作業が行える.
また,C-x lと入力すると,バッファ全体が何行あり,現在カーソルが文頭,文末より何行目に位置しているかが表示される.次にC-xlの実行例を示す.
Page has 7 lines (3 + 4)
この例では,最初の3はカーソルの前にある行数,4 はカーソルの後にある行数を意味する.