ページスタイルが制御しているのは,ページ番号の表示形式と表示位置,ヘッダとフッタの表示,非表示である. ヘッダ,フッタはそれぞれページ上部とページ下部の本文領域外の部分のことであり,一般にページ番号や章の標題などが表示される.ページスタイルの例を表3.2に示す.
jarticleドキュメントクラスでは
myheadingsが指定されているが,ヘッダに出力されるのはページ数だけである.文字列を出力する場合は\markbothあるいは\markrightコマンドを用いる.
\pagestyle{...}
\thispagestyle{...}
ページスタイルの指定と変更を行うには,\pagestyleおよび
\thispagestyleコマンドを用いる.文書全体のページスタイルの変更には\pagestyleコマンドを用い,文書中のある1ページのみの変更には
\thispagestyleコマンドを用いる.引数には表3.2の
いずれかのページスタイルを指定する.次にページスタイルの指定例を示す.例では最初にページスタイルにplainを指定し,続けてある1ページだけページ番号を出力しないように指定している.
\pagestyle{plain}\thispagestyle{empty}
headingsやmyheadingsといったページスタイルでは,ヘッダ領域に文字列を出力することができる.これらの文字列を指定あるいは変更するのが\markbothおよび\markrightコマンドである.\markbothコマンドは偶数ページと奇数ページ両方のヘッダを,\markrightは奇数ページのヘッダのみを指定する.
\markbothコマンドの記述方法を次に示す.
\markboth{偶数ページヘッダ}{奇数ページヘッダ}例えば,偶数ページのヘッダに文書のタイトルである``モンゴルの経済改革''を出力し,奇数ページのヘッダに執筆者の名前``山吹緑''を出力する場合は,次のように記述する.
\markboth{モンゴルの経済改革}{山吹緑}\markrightコマンドの記述方法を次に示す.
\markright{奇数ページヘッダ}
例えば,奇数ページのヘッダに節番号を出力する場合は,次のように記述する.\thesectionコマンドは章番号を出力するコマンドである.
\markright{\thesection}
\pagenumbering{...}
目次や付録などで,本文とページ番号の振り方を変えて出力するときには \pagenumberingコマンドを用いる.これはページ番号の出力形式を変更するコマンドである.\pagenumberingコマンドの引数として指定できる値を表3.3に示す.次の実行例では,ページ番号を小文字のローマ数字に設定している.
\pagenumbering{roman}
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