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5.5 他のユーザとの会話(2) -- phone

 

phoneは, 基本的にtalkと同様に他のユーザと リアルタイムで会話するためのツールだが, ひらがなを表示できるなど, talkよりも高機能なコミュニケーションツールである. これもtalkと同じくCNSの多くのホストで実行可能である.

5.5.1 phoneの基本操作

自分と同じホストにログインしているユーザに対してphoneを実行する ためには,コマンドに続けて会話する相手のログイン名を入力し, talkと同じように相手が応えるのを待つ. また,自分とは違うホストにログインしているユーザに対して phoneを実行するためには, 次の書式のように 相手のログイン名とホスト名および端末名を指定しなければならない.

% phone [ログイン名]@[ホスト名] [端末名]<RET>
相手の画面にはphoneを受けたというメッセージが表示され, 相手が応えると画面が上下に分割される. このとき,phoneコマンドを受ける側は, 相手のログイン名を指定してもしなくてもよい.

% phone s98000hf@ccz00 /dev/pts/2<RET>
次の例は, ccz01にログインしているユーザ(t98000tf)からかかってき たphoneに応えて会話を始めるところである.

Message from the Telephone_Operator@ccz00 at 6:08 ...  
phone: connection requested by t98000tf@ccz01 
phone: respond with "phone t98000tf@ccz01"
% phone<RET>
自分の入力した文字は上の画面に,相手の入力した文字は下の画面に表示 される(図).


  
図: phoneの実行例

phoneコマンドでの名前を変更する

 

phoneコマンドの際に表示される名前を 変更するには,シェル上で,環境変数PHONENAMEを次のように設定する.

% setenv PHONENAME "[名前]"<RET>
この1行を.cshrcファイル()に記述しておけば, 以降シェルを起動するときにPHONENAMEが設定される.

5.5.2 phoneのキー操作

phoneコマンドには,表のような機能が用意されている. これらの機能を利用するためのキー操作は,相手の画面には表示されない.


 
表: キー操作
 
キー操作 意味
C-c y phoneの終了
C-u 自分の入力中の一行を消す
C-n 自分の表示領域のすべての文字を消す
<ESC> コマンドモードに移行

5.5.3 かな文字の使用

<ESC>に続けて`set code jis'と入力すると, 入力した文字の表示がアルファベットから平仮名に切り替わる. 片仮名で表示するときには, その単語の一番はじめをアルファベットの大文字にすればよい. <SPACE><TAB>で単語を区切れる. また,母音で終わらない単語はアルファベットのまま表示されるので注意すること. 英単語など,純粋にアルファベットで単語を表示する場合は, ダブルクォーテーション(")でその単語を囲む.

  ホームディレクトリに`set code jis'と書いた.phonercという名前のファイルを作成しておくと, 以降phoneを起動するだけで入力が平仮名に切り替わる.

5.5.4 phone実行中の別コマンド実行

<ESC>を押すと,画面の下にコマンドラインが表示される. ここに`run [コマンド名]'と入力すると,そのコマンドが実行される. 実行結果は,通常の出力と同じように phoneの画面に表示される(図). この例では,fromコマンドを実行している.


  


phone実行中のUNIXコマンド実行





UNIXコマンド実行後の画面




5.5.5 画面のダンプ

<ESC>を押すと,画面の下にコマンドラインが表示される. ここに`dump [ファイル名]'と入力すると, 会話をしている画面をホームディレクトリ上のファイルに記録できる. ファイル名を指定しないと,.dumpというファイルに記録される.  

ホームディレクトリ上に指定した名前のファイルがすでに存在する場合には 上書きされてしまうので注意すること.

5.5.6 3人以上のユーザで同時にphoneをする

phoneは最初2人で始めるが, 途中で他のユーザを会話に参加させることもできる. これを行うには,<ESC>に続けて`call [ログイン名]'と入力する. 呼ばれたユーザがphoneコマンドを実行すると, 画面が人数分に分割される(図).


  
図: 3人以上での phone

5.5.7 CNS外のコンピュータにログインしている人とのphone, talk

 

相手がCNS外のコンピュータにログインしている場合でも, そのコンピュータがtalkコマンドやphoneコマンドに対応していれば, 会話できる. 通常と同じようにユーザ名に続いてホスト名を指定する. 次に,CNSから,CNS外部のpicasso.guide.ac.jpというホストにログインしている hubというユーザにphoneコマンドを実行する例を示す. この場合はpicassoがホスト名, guide.ac.jpが外部のホストのドメイン名となる.

% phone hub@picasso.guide.ac.jp<RET>

  
図: CNS外部とのphone

5.5.8 phoneの終了

phoneを終了するためには,C-cを押す. すると画面の左下に``Really quit?''と表示されるので, yを押す.

talkコマンドやphoneコマンドは端末名を指定しなくても 相手を呼び出せる. しかし,どの画面にメッセージが表示されるかわからないので, 複数の画面を開いている場合などはtalkやphoneがかかっていることに気づかないことが多い. 端末名を指定すると確実に現在作業中の画面で 相手を呼び出すことができる.