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4.10 シェルのカスタマイズ

CNSの標準環境では,ユーザが利用するシェルとしてtcshが利用されて いる.ここではtcshのカスタマイズ(設定変更)について述べる.

tcshではホームディレクトリの下に.cshrc.login.logoutの3つのファイルを作成すると,シェルの起動時やログイン,ログア ウト時に,特定のコマンドの実行や環境設定を行える.これらのファイルは一 種のシェルスクリプト()である.シェルの カスタマイズに関するファイルの一覧を表に示す.


 
表: シェルのカスタマイズに関するファイル
 
ファイル名 ファイルの内容
.cshrc シェルが起動されるたびに実行されるスクリプト
.login ログイン時に1度だけ実行されるスクリプト
.logout ログアウト時に実行されるスクリプト

     

なお,.cshrcファイルと.loginファイルはともにシェルの起動時 に読み込まれるが,.cshrcファイルが毎回読み込まれるのに対し,.loginファイルはログイン時に1度だけ読み込まれる.

4.10.1 .cshrcファイルの設定

   

.cshrcファイルは,シェルが起動するたびに読み込まれるシェルの設定 ファイルである.このファイルでは,常に設定する環境変数やシェル変数,エ イリアスの設定などを行う.次に.cshrcファイルの例を挙げる.

source /usr/local/lib/setup/.cshrc # この1行は消さない
  
set prompt="%m:%c% " # プロンプトの設定
set history = 500	# ヒストリの記憶回数を500回に設定
set path = ($path  /bin/script)	# パスの設定

setenv PAGER less # manコマンドなどで利用するページャをlessに設定

# 常に利用するエイリアスの定義 alias mew "mule -e mew" alias dir "ls -l | more" alias sdisp "setenv DISPLAY !*:0.0"

.cshrcファイルを記述する際の注意

.cshrcファイルを記述する際は次のような点に注意すること.

% source ~/.cshrc<RET>
% _
 

sourceコマンドを使用して設定の変更が反映されるのは,コマンドを実 行したシェルのみである.

4.10.2 .loginファイルの設定

   

.loginファイルはログイン時にログインシェルで1度だけ実行されるシェ ルスクリプトである.通常,シェルの利用環境は.cshrcファイルに設定 するので,.loginファイルにはログイン時に実行するコマンドのみを記 述する.

.loginファイルには絶対にX Window Systemを利用したアプリケーショ ンを起動するコマンドを記述しないこと.もし,ログイン時に新たにウィンド ウを開くアプリケーションを起動する場合は.xsessionファイルに記述 する.

 .cshrc,.loginファイルにxbiffなどのX Window Systemを 利用したアプリケーションを実行するためのコマンドを記述しないこと.これ は起動できない場合(rloginしたときなど)にもコマンドが実行されてし てしまうためである.また,rloginコマンドを記述してしまうとリモー トログインしたホストでさらに.cshrcを読み込んでリモートログインが ループして行われてしまうので絶対に記述しないこと.

4.10.3 .logoutファイルの設定

   

.logoutファイルも.loginファイル同様にログインシェルでログ アウト時に1度だけ実行されるシェルスクリプトであり,ログアウト時に実行 するコマンドを記述する..logoutファイルは標準では用意されていな いので,設定を行うときはホームディレクトリの下に. logoutという ファイルを作成する必要がある.