CNSの標準環境では,ユーザが利用するシェルとしてtcshが利用されて いる.ここではtcshのカスタマイズ(設定変更)について述べる.
tcshではホームディレクトリの下に.cshrc,.login,.logoutの3つのファイルを作成すると,シェルの起動時やログイン,ログア ウト時に,特定のコマンドの実行や環境設定を行える.これらのファイルは一 種のシェルスクリプト(→)である.シェルの カスタマイズに関するファイルの一覧を表→に示す.
なお,.cshrcファイルと.loginファイルはともにシェルの起動時 に読み込まれるが,.cshrcファイルが毎回読み込まれるのに対し,.loginファイルはログイン時に1度だけ読み込まれる.
.cshrcファイルは,シェルが起動するたびに読み込まれるシェルの設定 ファイルである.このファイルでは,常に設定する環境変数やシェル変数,エ イリアスの設定などを行う.次に.cshrcファイルの例を挙げる.
source /usr/local/lib/setup/.cshrc # この1行は消さない set prompt="%m:%c% " # プロンプトの設定 set history = 500 # ヒストリの記憶回数を500回に設定 set path = ($path /bin/script) # パスの設定setenv PAGER less # manコマンドなどで利用するページャをlessに設定
# 常に利用するエイリアスの定義 alias mew "mule -e mew" alias dir "ls -l | more" alias sdisp "setenv DISPLAY !*:0.0"
.cshrcファイルを記述する際は次のような点に注意すること.
% source ~/.cshrc<RET>
% _
.loginファイルはログイン時にログインシェルで1度だけ実行されるシェ ルスクリプトである.通常,シェルの利用環境は.cshrcファイルに設定 するので,.loginファイルにはログイン時に実行するコマンドのみを記 述する.
.loginファイルには絶対にX Window Systemを利用したアプリケーショ ンを起動するコマンドを記述しないこと.もし,ログイン時に新たにウィンド ウを開くアプリケーションを起動する場合は.xsessionファイルに記述 する.
.logoutファイルも.loginファイル同様にログインシェルでログ アウト時に1度だけ実行されるシェルスクリプトであり,ログアウト時に実行 するコマンドを記述する..logoutファイルは標準では用意されていな いので,設定を行うときはホームディレクトリの下に. logoutという ファイルを作成する必要がある.