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4.4 エイリアス機能

  エイリアス機能を使うと,コマンドの別名(エイリアス)を登録できる.ユーザ が頻繁に用いるコマンドやコマンドラインを登録することで,効率的な作業 を行える.次にエイリアスの登録,確認,削除を説明する.

   
4.4.1 エイリアスの登録

エイリアスを登録するには,aliasコマンドを用いる.エイリアスには, コマンドだけでなくオプションや引数を含めた指定が可能なので,自分がその コマンドを使う際に必ず指定するオプションなどが決まっている場合には,そ れらもまとめて登録できる.

% alias [別名] [エイリアスをつけたいコマンドライン]<RET>

次の実行例では,ls -Fというコマンドラインをdirというエイリ アス(別名)で登録している.

% ls -F<RET>
dir1/           file1           linkfile@
% dir<RET>
dir: Command not found.
% alias dir ls -F<RET>
% dir<RET>
dir1/           file1           linkfile@
% _
    エイリアス機能を使って,初めからコマンドとして存在する文字列をエイリア スに指定してしまうと,初めから存在するコマンドを使用できなくなってしま う.そこで,aliasコマンドを用いる前に,登録する文字列がコマンド として存在しないことを確認しておく必要がある.コマンドの存在を確認する にはwhichコマンドを用いる.whichコマンドを実行して,``Command not found.''と表示されたら,その文字列はコマンドとして存在し ないので,エイリアスとして使用できる.

エイリアスは,基本的にaliasコマンドを実行したシェルでのみ有効で ある.よって,exitlogoutなどのコマンドで1度そのシェルを 閉じてしまうと,登録したエイリアスは失われてしまう.そこで,毎回同じエ イリアスを利用する場合には,ホームディレクトリにある.cshrc という設定ファイルにaliasコマンドを書き込む ()..cshrcファイルにaliasコマン ドを書き込むと,起動されるシェルすべてにそのエイリアスを適用できる.  

4.4.2 エイリアスの確認

 

現在登録されているエイリアスの一覧を見るには,aliasコマンドを引 数なしで実行する.すると,左側に登録されている別名,右側に実際に実行 されるコマンドラインを並べたリストが表示される.このときaliasコ マンドの引数として,登録した別名だけを指定するとその別名の実際のコマン ドラインが表示される.

% alias<RET>
dir     ls -F
rl      rlogin localhost -l
% alias dir<RET>
ls -F
% _

4.4.3 エイリアスの削除

 

1度登録したエイリアスを無効にするには,unaliasコマンドを用いる.

% which dir<RET>
dir:    aliased to ls -F
% dir<RET>
file1           other@          report/
% unalias dir<RET>
% dir<RET>
dir: Command not found.
% _
エイリアスをいくつも指定していると,エイリアスで設定した内容を再びエイ リアスに指定してしまうことがある.このときには,``Alias loop.'' と表示され,そのコマンドを実行できなくなる.また,すでに存在するコマン ドと同じ名前をエイリアスに設定すると,そのコマンドが実行できなくなる. このような際には,aliasコマンドで重複しているエイリアスを確認し, unaliasコマンドで解除する.次に例を示す.

% cat file.tex<RET>
Alias loop.
% alias<RET>
      :
cat     more
more    cat
      :
% _