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3.4 絶対パスと相対パス

ツリー構造の中でファイル名を指定するには,カレントディレクトリのファ イルであればそのファイル名だけを指定すればよい.例えば 図では,カレントディレクトリが`english'で あれば,`text1',`text2'とするだけでそのファイルを指定 できる.しかし,カレントディレクトリ以外のディレクトリにあるファイルを 指定する場合には,そのファイルがどのディレクトリにあるのか,またそのディ レクトリはツリー構造の中のどの位置にあるのかを指定しなければならない. ファイルを指定する場合には``パス(path)''を使ってファイルを指定する. パスを使ったファイルの指定の方法には絶対パスと 相対パスの2つの方法がある.


  
図: ファイル名とパス

   
3.4.1 絶対パス

ツリー構造におけるルート(/)を基点として,特定のファイルを指定する方 法を絶対パスと呼ぶ.例えば図でファイ ル`text1'を絶対パスで指定するための,ルートからファイル`text1'ま での道のりは次のようになる.

/ → home → s98000hf → language → english → text1

絶対パスでファイルを実際に指定する場合は,ルートを基点とし,道のりとして通る ディレクトリを順に``バックスラッシュ(/)''で区切って表す.絶対パスによる ファイル`text1'の表し方は次のようになる.

絶対パス指定: /home/s98000hf/language/english/text1

絶対パスによる指定ではルートを基点とするのでカレントディレクトリがどこで あってもファイルの指定は同じ表現となる.また各ユーザのホームディレクトリ は絶対パスで`/home/login-name'または`~login-name'と表され る.例えばログイン名が`t98000tf'であれば,カレントディレクトリに関わら ずホームディレクトリは`/home/t98000tf'あるいは`~t98000tf'と 表せる.

   
3.4.2 相対パス

でファイル`text1'を指定するもう1つ の方法は,ファイルをカレントディレクトリからの相対的な位置によって指定 する方法である.この指定方法を相対パス指定と呼ぶ.例えば,カレントディ レクトリが`circle'の場合,ファイル`text1'は相対パスを使っ て次のように指定できる.

相対パス指定: ../language/english/text1

このとき,``..''はカレントディレクトリの1つ上のディレクトリを示し, ``親ディレクトリ''と呼ぶ.この例ではディレクトリ`s98000hf'がこれに あたる.カレントディレクトリは``.''で表せる. カレントディレクトリのファイルをファイル名のみで指定するのも 相対パス指定である.