2003 CNS GUIDE
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22.3 メッセージの送信

22.3.1 メッセージの新規作成 -- (w)

Summaryモードでwを押すと,新規に作成するメッセージの本文を書くウィンドウが表示されます.

To: _
Subject:
X-Mailer: Mew version 1.94.2 on Emacs 20.5 / Mule 4.0 (HANANOEN)
----

この状態を`Draftモード'といいます. このモードでは,Emacsでのファイル作成と同様の操作でメッセージを作成できます.

  1. 宛先を入力する.
    カーソルが1番上の`To:'の行に表示されるので,メッセージを送る相手のメールアドレスを入力します. 複数のユーザに送るには,メールアドレスをカンマ`,'で区切って続けて書きます. 必要ならば`Cc:'フィールドと `Bcc:'フィールド([*]) を自分で作成して,メールアドレスを入力します.
  2. 題名を入力する.
    `Subject:'に題名を入力します.
  3. 本文を作成する.
    `----'の下の行にカーソルを移動して,本文を作成します.

なお,以前にメッセージを送ったことのある相手のアドレスであれば,`To:'および `Cc:'フィールド の入力中に<TAB>を押すと,アドレスが特定できる状態であれば残りの部分が補完されます.

To: s03000hf
Cc: t03000tf
Subject: group work report_
X-Mailer: Mew version 1.94.1 on Emacs 20.5 / Mule 4.0 (HANANOEN)
----
太郎です.

Cc:フィールドは To:フィールドよりも後になければなりません. また`----'の行は,メッセージのヘッダ領域と本文領域の境界を表すものなので,消してはいけません.

22.3.1.1 signatureの付加 -- (C-c <TAB>,C-c C-i)

ホームディレクトリの下に `.signature' という名前のファイルを作成し,その中に自分の署名を書いておきます. メッセージを送る前に C-c <TAB>または C-c C-i を入力することで,その内容を本文に付加できます. `.signature'の内容は,あまり長くしないほうが良いでしょう. 次に `.signature'ファイル の例を示します.

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
Taro Fujisawa
Faculty of Environmental Information
URL http://www.sfc.keio.ac.jp/~t03000tf

22.3.1.2 作成の中止 -- (C-c C-q)

メッセージの作成を途中で中止するときは,C-c C-qを入力します. エコーエリアに `Kill draft message? (y or n)' と表示されます. ここでyを入力すると,Summaryモードに戻ります.

Kill draft message? (y or n) _

22.3.1.3 返信 -- (a)

受信したメッセージに対して返事を書くには,Summaryモードで返信するメッセージ番号にカーソルを合わせ,aを押します. `To:'フィールドや `Cc:'フィールドなど のヘッダがMewによって自動的に作成され,Draftモードになります (図22.5). この時,Emacsの画面は3分割され,1番上が`Summaryモード'のバッファ,中央がメッセージの内容を表示する`Messageモード'のバッファ,1番下が返事を書くための`Draftモード'のバッファになります.

メッセージの返事を書く(Mew)
図 22.5 メッセージの返事を書く(Mew)

22.3.1.4 引用 -- (C-c C-y,A)

返信メッセージを作成する状態で,もとのメッセージの本文を簡単に引用できます. DraftモードでC-c C-yを入力すると,もとのメッセージの本文の内容が,各行の先頭に`>'が付加された形で本文に挿入されます (図22.5).

また,Summaryモードでaを押す代わりに Aを押すと,本文をすべて引用して返信を書けます.

また,Mewでは複数のメッセージからの引用が簡単にできます. メッセージの返信を作成する際,画面が3分割されるので,C-x oもしくは マウスでクリック してSummaryモードにカーソルを移動します. 引用するメッセージを<SPACE>で選択すると,2番目のバッファにそのメッセージが表示されます. その状態でDraftモードのバッファにカーソルを移動して C-c C-yを入力すると,Draftモードのカーソルがある位置に選択されたメッセージを引用できます.

22.3.1.5 転送 -- (f)

Summaryモードでfを押すことによって 自分が受信したメッセージを違う相手に 転送できます.

22.3.1.6 マルチパートメッセージの作成

ファイルをメッセージに添付するには,マルチパートメッセージを作成します. Draftモードで本文を入力した後,C-c C-aを入力すると本文の最後に次の5行が追加されます.

------------------------------ attachments ----------------------------
      Multipart/Mixed                                        123/
     1  Text/Plain(guess)                                      CoverPage*
     2                                                         ._
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

この5行が添付領域です. マルチパートメッセージは 添付領域のリストに添付するファイルを指定して 作成します.

添付領域の各行は,パート番号,パートのデータ形式,パートの名前 の3つのフィールドからなります. この例では,1行目の`123/'と表示された行がこのメッセージ全体を表しており,1通のメッセージ全体としてのデータ形式は マルチパートメッセージ形式なので,`Multipart/Mixed'と表示されています. 2行めの`CoverPage'と表示された行は,さきほど作成した本文領域を意味しています. 本文領域のデータはテキスト形式なので,`Text/Plain'と表示されます.

次に,`hanabi.gif'を 新しいパートとして加える例を説明します. 一番下のパートの行,この例の場合だと `2 ._'の行の `.'にカーソルを移動し,cを押します. エコーエリアに`Copy from:~/'と表示されるので,次のように新たなパートとして加えるファイルのパスを入力します.

Copy from : ~/image/hanabi.gif_

ファイルのパスを入力し<ENTER>を押すと,エコーエリアに `Copy to (hanabi.gif) :' と表示されます. 添付する際のファイル名を入力し <ENTER>を押します. なお,何も入力せずに<ENTER>を押した場合は ( )内に表示されているファイル名がそのまま入力されます.

Copy to (hanabi.gif): _

添付領域の表示が 図22.6のような画面になり,hanabi.gifがパートとして加えられ,マルチパートメッセージの作成が完了します.

パート追加後の画面
図 22.6 パート追加後の画面

また,Windowsのアプリケーションで作成したファイルなど,表22.1にない形式のデータは 原則として``Application/Octet-Stream形式'' で送信する必要があります. パートに追加するだけではテキストファイルとして追加されてしまい,受け取る側が正常な形式のファイルとしてメッセージから切り離せなくなります.

次に,CNS のホームディレクトリに保存されている,JMP INで作成した `sample.jmp'というファイルを メッセージに添付して送る例を示します.

メッセージの本文を作成し,C-c C-aを入力して添付領域を作成します. cを入力して `sample.jmp' を新しいパートとして追加すると,添付領域が次のような画面になります.

------------------------------ attachments ----------------------------
      Multipart/Mixed                                        8/
     1  Text/Plain(guess)                                      CoverPage*
     2  Text/Plain(guess)                                      sample.jmp
     3                                                         .
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

このままだと `sample.jmp' がテキストとして認識されているので,バイナリファイルとして認識させる必要があります. カーソルをバイナリファイルとして認識させたいパートに移動し,Tを入力します. エコーエリアに `Type for sample.jmp(Text/Plain)' と表示されるので,次のように`Application/Octet-stream'と入力します.

Type for sample.jmp (Text/Plain): Application/Octet-stream_

`sample.jmp'のパートのContent-Typeが Application/Octet-streamに変更され,Base64という方法で符号化(encode)されたことを表す Bという英文字がパート番号の前に追加され,マルチパートメッセージの作成が完了します.

------------------------------ attachments ----------------------------
      Multipart/Mixed                                        8/
     1  Text/Plain(guess)                                      CoverPage*
B    2  Application/Octet-Stream                               sample.jmp
     3                                                         .
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

マルチパートメッセージを作成する添付領域では,cを入力して新しくパートを加える以外に,表22.2に示した操作ができます. 操作を行うパートにカーソルを持っていき,キー入力を行います.

本文を書かずにテキスト以外のファイルだけを添付すると,相手にわかりにくい場合があります. テキスト以外の形式のファイルをMIMEで送信する際には,本文領域に説明の文章をつけ加えましょう.
表 22.2 添付領域で可能な操作
入力キー 意味 入力キー 意味
c 新しいパートの追加 d パートの削除
r 各パートのファイル名の変更 e 新規 パートとしてExternal Body を作成
m サブディレクトリの作成(パートの階層化) D 簡単なパート内容の説明(Content-Description)を入力
f パート内容を読み込んで編集 T データ形式(Content-Type)の変更
F パートを新規ファイルとして作成 C Text/*のデータのcharset (文字コード)を指定

22.3.2 メッセージの送信

本文を作成した後,C-c C-mを入力すると ヘッダ部分の最後に次に示す3行が加えられます.

Mime-Version: 1.0
Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp
Content-Transfer-Encoding: 7bit

続けて,C-c C-cを入力すると メッセージが送信されます.

メッセージの送信(Mew Draftモード)
図 22.6 メッセージの送信(Mew Draftモード)