2003 CNS GUIDE
copyright
 

2.3 メールの構成

メールは差出人・宛先や送信時間などの情報が記録された``ヘッダ領域''と,テキストやマルチメディアデータなどを記述する``ボディ領域''から構成されます. 手紙に置き換えると,ヘッダ領域は郵便番号や宛先などにあたり,ボディ領域は手紙の中に入っている文書や写真などにあたります(図2.3).

メールの構成
図 2.3 メールの構成

2.3.1 ヘッダ領域

ヘッダはメールの先頭に書かれてあり,1行に1つの情報が記述されています. その1行は`フィールド'と`値'のペアになっており,それらは`:' (コロン)で区切られています. 表2.1に代表的なフィールドとその説明を記載します. ユーザがおもに入力するフィールドは `To:',`Cc:',`Subject:'です. `To:'にはメールの宛名となるメールアドレスを入力します. `Cc:' (カーボンコピー)には,`To:'フィールドで指定した宛先の他に,そのメールの複製を送信する宛先を記述します. `To:'フィールドに入力してメールを送信する方法と機能は変わりませんが,`To:'フィールドにはそのメールの主たる宛先,`Cc:'フィールドにはそのメールを参考までに読んで欲しい人の宛先を記述します.

`Bcc:' (ブラインドカーボンコピー)に指定されたユーザは `To:'や`Cc:'フィールドに書かれたユーザと同じメールを受信しますが,メール送信者が`Bcc:'に入力したメールアドレスはTo:,Cc:の受信者にはいっさい知らされません.

`To:' `Cc:' `Bcc:' フィールドにおいて,メールアドレスを半角のコンマ`,'で区切り複数のアドレスも指定できます.

表2.1 フィールド一覧
フィールド名 意味
From 差出人のメールアドレス
To 宛先のメールアドレス
Cc カーボンコピーの宛先のメールアドレス
Bcc ブラインドカーボンコピーの宛先のメールアドレス
Date 発信時刻
Subject 題名
Sender 送信者のメールアドレス
Reply-To メールに対する返事を送るべきアドレスのリスト
In-Reply-To どのメールに対する返事かを示す識別子
X-ではじまるもの その他の情報を表わすフィールド

2.3.2 ボディ領域

メールのボディ領域は一般にメールの本文を記述します. ボディ領域はテキストデータしか記述できません. そこで,ボディ領域を複数に分け,1つのメールに複数の内容を記述できる `MIME' (Multipurpose Internet Mail Extensions) という規約が策定されました. MIMEを用いてボディ領域を複数に分割することにより,複数の異なったデータを1通のメールに含められます. また,MIMEはバイナリデータ([*])をテキストデータに変換して ボディ領域に記述するという規約も含まれているため,マルチメディアデータなどを含めることができます. ただし,メールを受け取る側が必ずしも マルチメディアデータを正しく処理できるとは限らないので相手の 迷惑にならないように使用しましょう.