CNS
で直接利用できるUNIX では,`X Window System'を利用して作業を行います.
X Window Systemは,マサチューセッツ工科大学で開発されたウィンドウシステムで,現在UNIX で標準的に採用されています.
ログインすると図2.3のような画面が表示されます.
画面は,上下のGNOMEパネルとウィンドウによって構成されています.
`GNOME'とはGNU Network Object Model Environmentの略で,GNUのプロジェクトの一部としてメキシコのユーザグループによって作られた
フリーソフトウェアのデスクトップ環境です.
2.2.1 ウィンドウ
``ウィンドウ''は,作業をするための文字や画像を表示する領域のことです.
文書作成など,あらゆる作業はウィンドウを使って行います.
次にウィンドウの種類について説明します.
- ルートウィンドウ
画面の背景に見える部分は実際には1つの大きなウィンドウであり,これを``ルートウィンドウ''といいます(図2.3).
ルートウィンドウ上には,ログインをした時点でいくつかのウィンドウとマウス
カーソルが表示されています.
- ターミナルウィンドウ
左端に`%'が表示されているウィンドウを
``ターミナルウィンドウ''といいます.
コマンドを入力するときに利用します().
- コンソールウィンドウ(ログインウィンドウ)
``コンソールウィンドウ''は特別なターミナルウィンドウです.
このウィンドウでlogoutと入力すると,ログアウトできます.
CNS
のUNIX では,画面の左上に表示される`CONSOLE'というウィンドウを指します.
コンソールウィンドウにはさまざまなエラーメッセージが出力されるため,通常の作業領域としては利用しません.
- アプリケーションウィンドウ
``アプリケーションウィンドウ''は,アプリケーションを開いたときに表示されるウィンドウを指します.
Mozilla ()やEmacs ()などの
アプリケーションを表示するものです.
- ダイアログウィンドウ
``ダイアログウィンドウ''は``ダイアログ''ともいい,図2.4のように作業の流れを
ユーザに促すようなウィンドウを指します.
特に警告を表示するダイアログを,``エラーダイアログ''
といいます.
2.2.2 GNOMEパネル
GNOMEパネルを利用することで,アプリケーションの起動や
ウィンドウの操作がWindows やMac OS
のように容易にできるようになります.
主なGNOMEパネルの機能を紹介します.
2.2.2.1 GNOMEパネル(上)
- プログラムメニュー
プログラムメニューからさまざまなアプリケーションを起動できます.
テキストエディタのEmacs,WebブラウザのMozilla,画像処理のGIMP (),コマンドを実行できるターミナルなどを起動できます.
- お気に入りメニュー
ここには,個人で頻繁に使うアプリケーションを保存します.
[プログラム]→[デスクトップ設定]→
[メニューエディタ]を起動させて,お気に入りアプリケーションの
追加を行えます.
- 設定メニュー
GNOMEコントロールセンターを利用すると,デスクトップの環境の
個人設定ができます.
[デスクトップ]の[バックグラウンド]から
ルートウィンドウの画像を変更したり,[Sawfishウィンドウマネージャ]の[外観]からウィンドウの外観や
タイトルバーのボタンの配置などを変更できます.
- デスクトップメニュー
スクリーンのロックとログアウトが行えます.
- GNOMEページャ
ウィンドウを何度も開くと,ウィンドウが画面いっぱいになって
しまうことがあります.
そこで,仮想のデスクトップ空間(ワークスペース) を複数用意することができます.
複数のワークスペースに表示させるウィンドウを割り振ることによって,画面を整理することができます.
ページャをクリックすることによって,ワークスペースを切り替えられます.
2.2.2.2 GNOMEパネル(下)
-
メインメニュー
足のうらの形をしたアイコンが表示されています.
GNOMEパネル(上)
のプログラムメニューとお気に入りメニュー,設定メニュー,デスクトップメニューの項目がすべて入っています.
- ランチャ
ランチャはアプリケーションを視覚的に縮小して表示したもので,クリックすることでアプリケーションを起動できます.
メインメニューをクリックすると現れます.
- タスク・リスト
タスク・リストには,最小化したウィンドウをしまいます.
クリックすることでウィンドウを最小化したり,元の大きさに
戻したりできます.