``電子メール''とはインターネットを利用した手紙のようなものです. 電子メールはコンピュータで扱えるデータを送信でき, CNS のレポートシステム() でも利用されています.
電子メールは, 送受信される手紙である``メッセージ'' (または``メール'' )と, 送受信の仕組みを担う ``メールサーバ'' (以降サーバと表記します)と ``メールクライアント'' (以降クライアントと表記します)で 構成されています.
メッセージは``メールアドレス''に宛てて作成・送信します. CNS の利用者は, ログイン名のあとに `@sfc.keio.ac.jp'がついたメールアドレスを持っています. 例えば,ログイン名がt02000tfであれば, メールアドレスは`t02000tf@sfc.keio.ac.jp'です.
メッセージは`SMTP' (Simple Mail Transfer Protocol) という仕組みを利用して送信先のサーバまで配送されます.
メッセージを送信するとき, ユーザはクライアントを利用してSMTPサーバにメッセージを渡します. サーバはメッセージを受け取ると, 宛先のメールアドレスから相手のサーバを探し出し, そのサーバへ渡します. 相手方のサーバはメッセージを受け取ると, ユーザごとにサーバ内に蓄積していきます(図).
メッセージを受信するときに利用する仕組みには `POP3' (Post Office Protocol Version 3)や `IMAP4' (Internet Message Access Protocol Version 4) などがあります. CNS ではPOP3を利用しています.
SMTPによって配送されたメッセージは, POP3サーバに蓄積されます. ユーザがメッセージを受信するには, クライアントからPOP3サーバに接続し, POP3サーバに蓄積されたメッセージをクライアントにコピーします (図).
通常サーバからメッセージをコピー したクライアントは, サーバにあったメッセージを削除します.
メッセージには差出人・宛先や時間 などの配達情報が記録された``ヘッダ領域''と, 手紙における文面に相当する``本文領域''があります (図).
ヘッダは必ず本文の前に書いてあり, 表に 示す``フィールド''という情報で構成されています.メールアドレスを持った利用者は これらのフィールドの宛先などを入力しメールを送信します.
フィールド名 | 意味 |
From | 差出人のメールアドレス |
To | 宛先のメールアドレス |
Cc | カーボンコピーの宛先のメールアドレス |
Bcc | ブラインドカーボンコピーの宛先のメールアドレス |
Date | 発信時刻 |
Subject | 題名 |
Sender | 送信者のメールアドレス |
Reply-To | メッセージに対する返事を送るべきアドレスのリスト |
In-Reply-To | どのメッセージに対する返事かを示す識別子 |
X-ではじまるもの | その他の情報を表わすフィールド |
本文には``テキスト形式''と``HTML形式''があります. テキスト形式はテキストファイル()同様, 文章の情報のみを含む形式です. HTML形式はHTMLタグ()を利用し, 色や文字の大きさなどを指定してある形式です.
メールクライアントによっては HTML形式のメッセージを表示できません. また,HTML形式のメッセージは容量が大きいため 受信するときの負担が大きくなってしまいます. 普段はテキスト形式を利用し, HTML形式で送信する場合には 相手がHTML形式を受信できることを確認してから 送信してください.
もともと電子メールではテキストしか扱えませんでしたが, テキスト以外の形式のデータを送る需要が大きくなったため, `MIME' (Multipurpose Internet Mail Extensions) という規約が決められました. MIMEで本文領域を分割することにより, 本文以外にファイルを一緒に送れます. このように本文領域をMIMEで拡張されたメッセージのことを ``マルチパートメッセージ''あるいは ``MIMEメッセージ'' といい, 拡張された部分を ``添付領域'' といいます. メッセージの受信者は添付された部分を取り出して ファイルとして保存,編集などができます.
ただし, メッセージを受け取る側が必ずしもマルチパートメッセージを 正しく読めるとは限りません. マルチパートメッセージを送る際は, 相手がマルチパートメッセージを読める環境にあることを確認してから送りましょう.