logo
 
cpacer

4.4 ファイルのバックアップ

ファイルのバックアップとは, 不慮の事故に備えてファイルのコピーを予備として保管してお くことを指します. ホームディレクトリ以下のファイルは, 機械の故障によるファイルの損失に備えてITCによって定期的に バックアップが取られています. しかし,個人的なコマンドの操作ミスでファイルを消去した場合, ファイルの復旧サービスは行われていません. そのため,損失の被害を抑えるためにユーザは各自でバックアップを定期 的に取る必要があります.

4.4.1 バックアップコマンド -- (tar)

バックアップをとるのに, 1つ1つファイルをコピーするのは非常に面倒です. tarコマンドを利用すると, ディレクトリ以下のファイルやディレクトリを アーカイブファイル([*])にまとめられます. アーカイブファイルの拡張子は`.tar'としてください.

tarコマンドのオプションには, マイナス記号(-)をつける必要はありません. また複数のファイル・ディレクトリをまとめたいときは並べて指定してください.

% tar [オプション] [アーカイブファイル名] [まとめたいファイル,ディレクトリ名] <RET>

4.4.1.1 オプション

c アーカイブファイルを作成する
x アーカイブファイルからもとのファイルを復元する
t アーカイブファイルの中身を見る
v コマンドが作業状況を報告する
f アーカイブファイルの名前を指定する

tarコマンドによるアーカイブファイルの作成は, バックアップの用途以外にもファイルの整理にも利用されます. 次にMailディレクトリ以下のファイルをアーカイブファイルにまとめて,圧縮する例を示します.

% tar cf Mail.tar Mail  <RET>  ←Mailディレクトリ以下のファイルをアーカイブファイルにまとめる}
% ls   <RET>
Mail    Mail.tar    usr    pub
% gzip -9 Mail.tar  <RET>   ←アーカイブファイルMail.tarを最高の圧縮率で圧縮する
% ls   <RET>
Mail    Mail.tar.gz    usr    pub
% _

ここでは, Mailディレクトリ以下のファイルを, Mail.tarというアーカイブファイルにまとめています. tarコマンドのオプションにvを指定すると, 処理状況が表示されます.

生成されたアーカイブファイルは圧縮でき, それをフロッピーディスクにコピーしてバックアップできます.

4.4.2 ホームディレクトリのバックアップ

ホームディレクトリのバックアップをとるためには, ホームディレクトリ全体を圧縮するすると効率的です. 圧縮にはtarコマンド([*]), gzipコマンド([*]) を利用してください.

% cd <RET>
% pwd  カレントディレクトリがホームディレクトリであることを確認する
/a/fs0601a/\taro
% cd ..<RET> ← 1つ上のディレクトリに移動する
% tar cf /home/archives/\taro/backup.tar \taro <RET>
                          ←ホームディレクトリをアーカイブファイルにまとめる
% cd /home/archives/\taro <RET>   ←ホームディレクトリを圧縮したディレクトリに移動する
% gzip -9 backup.tar   <RET> ←アーカイブファイルbackup.tarを最高の圧縮率で圧縮する
%  ls <RET>
backup.tar.gz
% _

4.4.3 フロッピーディスクによるバックアップ

CNS のホームディレクトリと Windows, Macintosh の間では, フロッピーディスクを使ってファイルを移動できます.

フロッピーディスクを使用する前にはフォーマットが必要です. 市販されている3.5インチのフロッピーディスクには 2DDと 2HD の2種類があります. CNS ではさまざまな機種のコンピュータがありますが, どのコンピュータでも利用できるようにするためには, 通常は3.5インチ2HDのフロッピーディスクを1.44MByteでフォーマットします. 詳しくは[*]を参照してください.