コンピュータへの命令を``コマンド''といいます. ユーザはおもにコマンドを利用してUNIX環境のコンピュータを操作します. あらかじめ決められた文字列をキーボードで打ち込み, <RET>を押すことでその文字列に対応した命令を実行します.
ユーザはコマンドを入力することでコンピュータに命令を与えられます. ``シェル''はプロンプト(`%')を表示して ユーザのコマンド入力を待ち, 文字が入力されるとそれを解釈してコマンドを実行し, コマンドの実行結果を返します.
シェルは,コマンドライン (コマンド,オプション,引数)を 受け付けてコマンドを実行します. 入力してから<RET>を押すまでであれば, コマンドラインに入力した内容を変更できます.
UNIX環境のコンピュータは, シェルにコマンドを入力して操作を行います. しかし実際には, ターミナルというものを用いて, ターミナルの中でシェルを操作しています. ターミナルの存在を意識することはありませんが, ユーザはターミナルを介してシェルとやりとりすることで色々なコマンドを実行できます. また, ターミナルを用いることによって, 別のコンピュータで起動したシェルを自分のコンピュータのように操作できます.
コマンドを解釈したり, 実行の結果を返すのはシェルの役目ですが, 文字の大きさを変更したり, ウィンドウにスクロールバーをつけるなど, 画面の表示に関する設定はターミナルで行えます.
また, ターミナルのうち, さまざまなエラーメッセージが出力されるものを``コンソール'' といいます. コンソールではログアウトを行えます. それぞれのウィンドウを ターミナルウィンドウ, およびコンソールウィンドウ といいます.
コンソールウィンドウはログアウトに利用するので,シェルへのコマンド入力は ターミナルウィンドウを利用してください.
ログイン後の画面には左上のコンソールウィンドウと 右下のターミナルウィンドウに`%'が表示され, その後に白抜きの四角が表示されます. マウスカーソルをそのウィンドウの中に入れると黒い四角が表示され, コマンドを入力できる状態になります.
% _
`%'を``プロンプト''といい, `_'を``カーソル''といいます. プロンプトは次の入力を促す記号であり, そのウィンドウがコマンド入力を受けつけていることを表します.
カーソルは次の文字の入力位置を表し, 入力した文字は黒いカーソルの部分に表示されます.
キーボードから1文字入力すると,
その文字が表示されてカーソルは1つ右に移動します.
コマンドを入力し終えた後<RET>を押すと,
そのコマンドが実行されます.
図2.8にコマンド処理の流れを示します.
コマンドの中には, その後に``オプション''をつけることで細かい 動作を指定できるものもあります. オプションは,普通はコマンドの後, `-'(マイナス記号)に続けて入力します.
また,コマンド名の後に``引数''(ひきすう)をつける ものもあります. 引数は,コマンドとオプションの後に入力し, おもにコマンドを実行する対象を指定するために利用します. コマンド,オプション,引数を まとめて``コマンドライン''といいます. コマンド,オプション,引数は空白で区切って指定します.
次にコマンドの書式を示します.
% コマンド名 [オプション] (引数) <RET>
ここでは簡単なコマンドについて紹介します.
自分が現在ログインしているホストの名前を表示するには, hostnameコマンドを実行します.
% hostname <RET> ccz00 % {\cursor}
現在の時刻を表示するにはdateコマンドを実行します.
% date <RET> 2002年11月23日 (土) 17時09分31秒 JST % _
その月のカレンダーを表示するにはcalコマンドを実行します. また,calコマンドの引数として月,年 を入力することで指定した月のカレンダーも表示できます.
%cal <RET> 2002年 2月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 % cal 4 2003 <RET> 2003年 4月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 % _
UNIXでは何百ものコマンドを実行できます. またコマンドのオプションの種類も多岐にわたっています. そのため多くのコマンドには利用方法を記載した オンラインマニュアルが用意されています.
オンラインマニュアルを表示するにはmanコマンドを実行します. 引数として使い方を調べたいコマンド名を入力します.
% man [使い方を調べたいコマンド名] <RET>
次にlsコマンドのオンラインマニュアル 参照例を示し(図2.9), manコマンド実行中のキー操作の一覧を 表2.4に示します.
% man ls <RET>
また,コマンドの中にはmanコマンドで 使い方を調べられないものもあります. そのようなコマンドの場合,オプションとして `-h'や`-help' を指定すると,使用方法を調べられるものもあります.