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3.6 段組を制御する

LaTeXの1ページの本文領域は何も指定しない場合には1段組で整形されますが, 2段組の整形を行うこともできます.この場合本文領域は左右2つのカラムに分 けられて出力されます.2段組にするには次の2つの方法があります.

これらはどちらも基本的に本文領域を2段組にしますが,若干異なる点がありま す.次に,2段組と1段組の違いをまとめます.

3.6.1 2段組と1段組との違い

2段組と1段組は次の点で異なります.

このうち2段組におけるabstract環境と改ページコマンドについて 説明します.

3.6.1.1 2段組でのabstract環境

abstract環境は,1段組では文字サイズがsmallで ``Abstract''と表示がつくquotation環境として扱われます. ([*]) 2段組では番号なしの1つの節 (section)として扱われます.

3.6.1.2 2段組での改ページコマンドの機能

2段組では改ページコマンドの1つである\newpageコマンドの機能が変化 します.1段組の場合は単純に改ページするだけですが,2段組の場合はページではなく カラムを変えます.つまり左カラムに記述すれば右カラムに,右カラムに記述すれば次のページの左カラムに移行します.その他の改ページ コマンドは1段組の場合と同様の機能を提供します.

3.6.2 twocolumnクラスオプション

twocolumnクラスオプションを指定するには次のように記述します.

twocolumnクラスオプションを指定すると,最初から文書全体が2段 組になります.しかしarticle系のドキュメントクラスを指定して いるときは\maketitleコマンド([*])の出 力だけはページ上部に1段組で出力されます.

3.6.3 \twocolumnコマンド

2段組にするにはtwocolumnクラスオプション以外にも, \twocolumnコマンドを利用できます. この場合twocolumnクラスオプションを指定する必要はありません.

文書途中で\twocolumnコマンドを記述すると,その場所で改ページが行 われ,次のページから2段組になります.これは同一ページ中に単純に1段組と2 段組を混在できないことを意味しています.これを回避するには次 のように\twocolumnコマンドにオプション引数をつけるとよいでしょう.

これによって改ページ後のページ上部を1段組にできます.この例を次に示しま す.




3.6.4 \onecolumnコマンド

\twocolumnコマンドとは逆に,本文領域を1段組に戻す場合に利用するのが \onecolumnコマンドです.\onecolumnコマンドも改ページを行っ てから1段組にします.ただし\twocolumnコマンドのようなオプション引 数はとることはできません.