UNIXの操作/UNIXの基本操作/X Window Systemの基本操作

``X Window System''とは,UNIX環境でウィンドウやメニューなどの視覚的なインターフェースを利用できるシステムです.CNS のUNIX環境では,このX WindowSystemを利用して作業を行います.

X Window Systemではウィンドウやメニューなどの形状や動作を,``ウィンドウマネージャ''と呼ばれるプログラムによって管理します.CNS ではfvwm2というウィンドウマネージャを利用しています.

ここではX Window Systemの基本操作を,fvwm2を例として説明します.

2.4.1 ウィンドウの操作


図 2.5:ターミナルウィンドウ
図 2.5:ターミナルウィンドウ

ウィンドウの移動

ウィンドウを移動するには,図2.5のBの部分でマウスの中ボタンをプレスします.ウィンドウの外枠に沿って点線が表示されるので,目的の場所に動かしてボタンをリリースすると,ウィンドウが移動します.

また,複数のウィンドウが重なって表示されているときは,図2.5 のBの部分を左ボタンでクリックすると一番手前に移動し,右ボタンでクリックすると一番奥に移動します.

ウィンドウの大きさの変更

2.5のDをマウスのいずれかのボタンでプレスすると,ウィンドウの外枠に沿って線が表示されます.この枠線をプレスしたまま動かすことで,ウィンドウの大きさを変更します.目的の大きさに合わせてボタンをリリースすると,ウィンドウの大きさが変更されます.

ウィンドウのアイコン化

ウィンドウをアイコンとして表示することを``アイコン化''と呼びます.ウィンドウをアイコン化するには,図2.5のCをマウスのいずれかのボタンでクリックします.もとの状態に戻すには,アイコンを左ボタンでクリックします.

アイコン化されたウィンドウを移動するには,中ボタンでドラッグします.

スクロールとバックスクロール

ウィンドウ内に多くの文字が表示されると,最上段の1行が消え,各行が1行ずつ上に移動します.新しい行は最下段に表示されます.これを``スクロール''と呼びます. ウィンドウの左端についているスクロールバーを使うと,スクロールによって消えてしまった文字を見られます.これを``バックスクロール'' と呼びます.スクロールバーを利用するには,マウスの中ボタンでスクロールバーを上下にドラッグします.

メニューの表示

2.5のAをマウスのいずれかのボタンでプレスするとメニューが表示されます.そのままマウスを動かし,目的の項目のところでボタンをリリースすると,選択したメニューの項目に対応する動作が行われます.

2.1に,メニューの項目と対応するウィンドウ操作を示します.



表 2.1: プルダウンメニュー
項目 説明
Move ウィンドウを移動する
Resize ウィンドウの大きさを変更する
Raise ウィンドウを一番手前に移動する
Lower ウィンドウを一番奥に移動する
Iconify ウィンドウをアイコン化する
(Un)Stick ページの移動に関わらず,常にウィンドウを表示する
Destroy ウィンドウを破壊し,ウィンドウを表示しているアプリケーションを終了する
Delete ウィンドウを閉じる


`Destroy'はアプリケーションを強制的に終了させるため,コンピュータに負担 がかかります.そのため,入力を受け付けなくなった場合やカーソルがウィン ドウ内に表示されない場合のみ使用してください.

2.4.2 FvwmButtonsの操作

絵をマウスでクリックして選択すると,その絵に対応するアプリケーションをそれぞれ起動できます.表2.2に,FvwmButtonsの項目と対応する動作を説明します.




図 2.6: FvwmButtons




FvwmButtonsの説明
項目 説明
Shell ターミナルウィンドウの起動
Emacs Emacsの起動
Xman オンラインマニュアルの起動
Xcalc 計算器の起動
Xclock 時計の起動
Xpaint xpaintの起動
Xv xvの起動
Netscape Netscapeの起動
Kill ウィンドウメニューの`Destroy'(表2.1)に同じ


ボタンを押してから選択されたアプリケーションが表示されるまでには,多少時間がかかります.ボタンが1度押されるたびにアプリケーションが起動されるので,連続してボタンを押さないでください.


2.4.3 仮想ルートウィンドウの操作

fvwm2では画面よりも大きなルートウィンドウを用意しています.画面にはルートウィンドウの一部分しか表示できませんが,切り替えて作業することで実際の数倍の作業場所を持てる仮想ルートウィンドウ(ページ)という機能があり,ユーザはページを切り替えて作業を行えます.現在表示されているルートウィンドウの位置と,全体の状況を把握するには,FvwmPagerを利用します.

CNS のfvwm2では,ルートウィンドウの9倍分の作業領域が用意されています.FvwmPagerは9つの領域に分かれ,それぞれの領域が1つのページを表しています.違う色で表示されている領域が作業中のページであり,それを``カレントページ'' と呼びます.ログインした直後は,左上端のページがカレントページとして選択されます.カレントページにはウィンドウを表す四角形が表示されています.



図 2.7:FvwmPager
図 2.7:FvwmPager

次にページの移動方法について説明します.

マウスによるページの移動

マウスカーソルを画面の上下左右の端に移動すると,動かした方向のページに移動できます.ただし,FvwmPagerウィンドウにおいて端のページがカレントページとして選択されている場合には,マウスをその方向へ移動してもページは切り替わりません.例えばログイン直後に,マウスを上方向または左方向に移動しても,カレントページは移動しません.


キーボードによるページの移動

<CTRL>と矢印キーを組み合わせることで,マウスカーソルを画面の上下左右の端に移動した場合と同じくページを移動できます.


FvwmPagerウィンドウを利用したページの移動

FvwmPagerウィンドウ内の目的のページを示す領域を左ボタンでクリックすると,カレントページを移動できます.また,FvwmPagerの上でマウスの右ボタンをドラッグすると,FvwmPagerの領域に関係なくカレントページを移動できます.


ページ間のウィンドウの移動

ウィンドウを移動するには,タイトルバーをマウスの中ボタンでドラッグし,目的のページまで動かしてボタンをリリースします.

また,FvwmPager内に表示されているウィンドウを中ボタンでドラッグすることでページ間をまたがってウィンドウを移動できます.