コンピュータの基本操作/コンピュータにおける情報構造/ファイル・ディレクトリの指定方法

3.4.1 絶対パス

ファイルやディレクトリを操作するためにカレントディレクトリ以外のディレクトリにあるファイルを指定する場合には,そのファイルがどのディレクトリにあるのか,またそのディレクトリはツリー構造の中のどの位置にあるのかを指定する必要があります.

ファイルを指定する場合には``パス''(path)を使って場所を表現します.パスを使ったファイルの指定には,``絶対パス''と``相対パス''の2つの方法があります.絶対パスの書式は,住所などと同じように,大きなまとまりから順に書きます.

SFCの住所: 神奈川県/藤沢市/遠藤/5322

  • UNIXでの絶対パス

    ツリー構造におけるルート(`/')を基点として,特定のファイルを指定する方法を絶対パスと呼びます.

    絶対パスでファイルを指定する場合は,ルートを基点とし,道のりとして通るディレクトリを順にスラッシュ(`/') で区切って表します.絶対パスによるファイル`text1'の表し方は次のようになります.

    絶対パス指定: /home/s01000hf/language/english/text1


    図 3.5:ファイル名とパス
    図 3.5:ファイル名とパス

    絶対パスによる指定ではルートを基点とするので,カレントディレクトリがどこであってもファイルの指定は同じ表現となります.またCNS 環境では各ユーザのホームディレクトリを絶対パスで`/home/ログイン名'または`~ログイン名'と表せます.例えばログイン名が`t01000tf'であれば,カレントディレクトリに関わらずホームディレクトリは`/home/t01000tf'あるいは`~t01000tf'と表せます.

  • Windowsでの絶対パス

    Windowsでは,絶対パスは自分の使用したいドライブから指定します.また,道のりとして通るディレクトリを順に円マーク(`')で区切って表します.

    例えば,Cドライブの`language'ディレクトリにある`text1'というファイルを指定する場合,次のようになります.

    絶対パス指定: c:\language\text1
  • Macintoshでの絶対パス

    Maciontoshでは絶対パスを指定することはありません.しかし概念としてはそれぞれのドライブがルートとなっています.つまり,ハードディスクやその他デバイスアイコンをダブルクリックすると,ルートディレクトリの情報を表示できます.

3.4.2 相対パス

3.5でファイル`text1'を指定するもう1つの方法は,ファイルをカレントディレクトリからの相対的な位置によって指定する方法です.この指定を相対パスと呼びます.例えば,カレントディレクトリが`circle'の場合,`english'ディレクトリにあるファイル`text1'は相対パスを使って次のように指定できます.

相対パス指定: ../language/english/text1

このとき,`..' はカレントディレクトリの1つ上のディレクトリを示し,``親ディレクトリ'' と呼びます.`circle'がカレントディレクトリの場合,`..'はディレクトリ`s01000hf'を示します.また,カレントディレクトリは`.' で表せます.パスを省略し,ファイルやディレクトリ名だけを指定した場合には,カレントディレクトリからの相対パスとなります.カレントディレクトリが`s01000hf'の場合,`language/english/text1'は`./language/english/text1'を表します.`.'は省略できるため,カレントディレクトリであることを明示する場合のみ指定します.