CNSのさまざまな利用/ファイル空間の効率的な利用/ファイルのバックアップ

ファイルのバックアップとは,不慮の事故に備えてファイルのコピーを予備として保管しておくことです.ホームディレクトリ以下のファイルは,機械の故障によるファイルの損失に備えてメディアセンターによって定期的にバックアップが取られています.しかし,個人的なコマンドの操作ミスでファイルを消去した場合は,ファイルを復旧できません.そのため,損失の被害を抑えるためにユーザは各自でバックアップを定期的に取りましょう.

4.5.1 バックアップコマンド -- tar

バックアップをとるのに,1つ1つファイルをコピーするのは非常に面倒です. tarコマンドを利用すると,ディレクトリ以下のファイルやディレクトリをまとめて1つのファイルにまとめられます.このファイルを``アーカイブファイル''と呼びます.アーカイブファイルの拡張子は`.tar'としてください.

次に書式を示します.tarコマンドのオプションには,マイナス記号(-)をつける必要はありません.また複数のファイル・ディレクトリをまとめたいときは並べて指定してください.

% tar [オプション] [アーカイブファイル名] [まとめたいファイル,ディレクトリ名]<RET>

オプション

c アーカイブファイルを作成する
x アーカイブファイルからもとのファイルを復元する
t アーカイブファイルの中身を見る
v コマンドが作業状況を報告する
f アーカイブファイルの名前を指定する

tarコマンドによるアーカイブファイルの作成は,バックアップの用途以外にもファイルの整理にも利用されます.例えば,Mailディレクトリ以下のファイルをアーカイブファイルにする例を次に示します.

% tar cf Mail.tar Mail<RET>
% ls<RET>
Mail    Mail.tar    usr.tar    pub
% gzip -9 Mail.tar<RET>
% tar xf usr.tar<RET>
% ls<RET>
Mail    Mail.tar.gz    usr    usr.tar    pub
% _
ここでは,Mailディレクトリ以下のファイルを,Mail.tarというアーカイブファイルにまとめています.tarコマンドのオプションにvを指定すると,処理状況が表示されます.

生成されたアーカイブファイルは圧縮をしたり暗号化でき,それをフロッピーディスクにコピーしてバックアップできます.

4.5.2 フロッピーディスクによるバックアップ

CNS のホームディレクトリとWindows,Macintoshの間では,フロッピーディスクを使ってファイルを移動できます.

フロッピーディスクを使用する前にはフォーマットが必要です.市販されている3.5インチのフロッピーディスクには2DDと2HDの2種類があります.CNS ではさまざまな機種のコンピュータがありますが,どのコンピュータでも利用できるようにするためには,通常は3.5インチ2HDのフロッピーディスクを1440Kbyteでフォーマットします.詳しくは第III部 4.5.1を参照してください.