印刷/印刷できるファイル/PostScriptファイルのプレビュー

ファイルをPS形式に変換した後,内容が希望通りに変換されているか確認するために,印刷するPSファイルのプレビューを行います.プリンタから印刷されない場合などは,正しくPS形式に変換されているかを確認してください.

PSファイルのプレビューにはGhostscriptかGhostviewを用います.ただし,Ghostscriptは縦長(portrait)のPSファイル表示用に作られているので,横長(landscape)のPSファイルのプレビューを行う場合はGhostviewを利用してください.

1.5.1 Ghostscript

GhostscriptはPSファイルのプレビューを行うためのツールで,一般のPSファイルおよびEPSファイルのプレビューを行えます.Ghostscriptを起動するには次のようにPSファイルあるいはEPSファイルを引数にしてgsコマンドを入力します.

% gs [PSファイル]<RET>

Ghostscriptが起動されると出力用のウィンドウが開き,1ページ目が表示されます.次のページを表示するには,メッセージにしたがって<RET> を押します.最後のページを表示し終るとGhostscriptのプロンプト`GS>'が表示されるので,quitを入力すると出力用ウィンドウが閉じてGhostscriptが終了します.標準的な画面出力の例を次に示します.

% gs kamoike.ps<RET>
Aladdin Ghostscript 5.50 (1998-9-16)
Copyright (C) 1998 Aladdin Enterprises, Menlo Park, CA.All rights reserved.
This software comes with NO WARRANTY: see the file PUBLIC for details.
Loading NimbusRomNo9L-Regu font from /usr/local/share/ghostscript/5.50vfli
b/fonts/n021003l.pfb... 2184988 852664 1450696 152976 0 done.
Loading NimbusSanL-Regu font from /usr/local/share/ghostscript/5.50vflib/f
onts/n019003l.pfb... 2426092 1073508 1450696 155662 0 done.
>>showpage, press <return> to continue<<
_

GS>quit<RET>
% _
出力用ウィンドウに何も表示されず,Ghostscriptを起動したシェル上に次のようなメッセージが表示される場合,表示しようとしているPSファイルをGhostscriptが解釈できずにエラーとして処理していることがよくあります.このような場合は,ホストを変えたり,もう一度PS形式への変換方法を確認します.

% gs filename.ps<RET>
Initializing... done.
Installing Kanji fonts... Error: /invalidfont in -dicttyype-
Operand stack:
    /Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H
Execution stack:
    %interp_exit  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval--  fals
e  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval--  false  --nostringva
l--  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval-- --nostringval--  
Dictionary stack:
    545/547  0/20  24/200  545/547  14/14  8/8  6/6
Current file position is 1096
Error: /undefined in --get--
Operand stack:
    /Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H  -dicttype-  /FDepVector
Execution stack:
    %interp_exit  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval--  fals
e  --nostringval--  --nostringval--  false  --nostringval--  --nostringva
l--  --nostringval--  --nostringval--
Dictionary stack:
    545/547  0/20  24/200  545/547  14/14  11/14  119/300
Current file position is 27509
GS<3>_
Ghostscriptのエラーモードから抜けるには,Ghostscriptのエラーモードのプロンプト`GS<N>'に続けて,quitと入力します.

GS<3>quit<RET>
% _

1.5.2 Ghostview

GhostviewはGhostscript同様,PSファイルをプレビューするためのツールで,一般のPSファイルおよびEPSファイルをプレビューできます.Ghostviewを起動するには次のようにPSファイルあるいはEPSファイルを引数にしてghostviewコマンドを入力します.

% ghostview [PSファイル]<RET>

またGhostviewはGhostscriptとは異なり,バックグラウンドジョブとしても起動できます.

% ghostview [PSファイル] &<RET>

Ghostviewの表示例を図1.5に示します.またGhostviewのウィンドウ上のボタンとそのポップアップメニューの機能を次に示します.一部のポップアップメニューの機能は[ ]内に示されたキーボード入力でも機能するようになっています.


図 1.5:Ghostview
図 1.5:Ghostview

  • File

    Open... [ o ]
    PSファイルを開く.ウィンドウが表示されるので新たに開きたいPSファイルを選択します.

    Reopen [ r ]
    PSファイルを開き直します.現在表示しているPSファイルを更新したときなどに用います.

    Print... [ P ]
    すべてのページをプリンタで印刷します.ウィンドウが表示されるのでプリンタ名を入力します.

    Print marked pages... [ p ]
    マークしたページのみをプリンタで印刷します.ウィンドウが表示されるのでプリンタ名を入力します.マークしたページがない場合はすべてのページが印刷されます.

    Save marked pages... [ s ]
    マークしたページのみをPSファイルとして保存します.ウィンドウが表示されるのでファイル名を入力します.マークしたページがない場合はすべてのページを保存します.

    Copyright...
    Ghostviewのコピーライトを表示します.

    Quit [ q ]
    Ghostviewを終了します.

  • Page

    Next [ f,<SPACE><RET> ]
    表示ページを1ページ進める.

    Redisplay [ .,C-l ]
    ウィンドウを再描画します.


    Previous [ b,<BS><DEL> ]
    表示ページを1ページ戻します.

    Center [ c ]
    ページの中心をウィンドウ中央に合わせて表示します.

    Mark [ m ]
    現在表示されているページをマークします.マークされたページ番号には`*'が表示されます.

    Unmark [ n ]
    現在表示されているページがマークされていたら,マークを取り消します.

  • Magstep

    [ +-,0,1,2,3,4,5 ]
    拡大率を変えます.-5〜5をポップアップメニューから選択します.キーボードから0〜5を入力した場合,そのMagstepに変更されます.また+あるいは-を入力すると,Magstepを1ステップずつ上げたり下げたりできます.現在選択されているMagstepには`*'が表示されます.

  • Orientation

    ページの表示形式を指定します.PSファイルにはあらかじめページの表示形式が指定されているものがあり,Ghostviewはその表示形式にしたがってページを表示します.表示形式があらかじめ指定されたものである場合,ポップアップメニュー上には`'が表示されます.また表示形式を指定されているもの以外に変更した場合には` 'が表示されます.特に表示形式が指 定されていない場合は`'が表示されます.あらかじめ指定された表示形式以外を選択するにはマウスの中ボタンあるいはキーボードから<SHIFT>+↑,→,↓,←で指定する必要があります.またあらかじめ指定された表示形式に戻す場合はマウスの左ボタンあるいはキーボードから↑,→,↓,←で選択してもかまいません.

    Portrait [ <SHIFT>+↑,↑ ]
    用紙を縦長に用います.

    Landscape [ <SHIFT>+→,→ ]
    用紙を横長に用います.

    Upside-down [ <SHIFT>+↓,↓ ]
    ページの上下を逆転させます.

    Seascape [ <SHIFT>+←,← ]
    Landscape表示されたものを180度回転させます.

    Swap Landscape
    LandscapeSeascapeの機能を入れ換えます.

  • Media

    用紙を選択します.Orientation同様,PSファイルにはあらかじめ用紙が指定されているものがあります.Ghostviewはその指定にしたがって用紙を指定します.ポップアップメニュー上の表示もOrientationと同様です.特に表示形式が指定されている場合は` 'が表示されます.あらかじめ指定されていない用紙を選択するにはマウスの中ボタンをプレスして表示されるリストから用紙サイズを選択します.

    またボタンの横にある番号をマウスの中ボタンでクリックすることでその番号のページを表示できます.また表示中のページについて画面に表示されていない部分を見るには,ウィンドウ下部と右部にあるスクロールバーをドラッグします.ページ表示領域内をマウスでクリックするとページの一部分を拡大できます.拡大される領域は左ボタン,中ボタン,右ボタンの順に大きくなり,新しく起動される`zoom'ウィンドウに表示されます.同様に`zoom'ウィンドウからでも拡大できます.