一般的にコンピュータでは絵や写真をビットマップ画像として表現する.絵や写真をビットマップ画像として取り込むにはスキャナという装置を利用する.
ここでは,メディアセンターオープンエリアに設置されているカラースキャナの使い方について説明する.カラースキャナは,専用のコンピュータ(ホスト名 : cctori,cctora)にログインして使用する.このスキャナでは,A4サイズまでのカラーイメージを読み取れる.
次のようにコマンドを実行すると,カラースキャナを使用するためのアプリケーションであるxscnのウィンドウが表示される(図2.6).
% xscn &<RET>
基本的な操作はすべてマウスで行える.`xscn'ウィンドウの左上にある[操作]→[パラメータ設定]を選択すると,`xscn'ウィンドウの横に`イメージリーダー・読み取りパラメータ'ウィンドウが表示される(図2.6).`イメージリーダー・読み取りパラメータ'ウィンドウでは,取り込む画像に関する次のような値について設定を行える.
解像度は,絵や写真を読み取る際にどの程度鮮明に読み取るかを表すもので,指定する数値を大きくすればそれだけ細かく読み取れるようになる.解像度の単位はdpi (dot per inch)で,[400dpi],[300dpi],[200dpi],[150dpi],[75dpi]の5段階から選択する.
[A4],[A5],[B5],[B6],[封筒],[はがき],[A6],[ミニ],[レター]という9段階の大きさを指定できる.これ以外の大きさを指定したいときは,`xscn'ウィンドウで指定する.
[自動調整]をクリックすると自動的に明るさが調整される.微調整は,[手動調整]をクリックしその下のスライドバーを操作するか,両端にある矢印をクリックして行う.
明るさと同様に,スライドバーを操作することで50%から200%までの間で縦,横の倍率を設定できる.ただし,画像を拡大するともとの絵が引き伸ばされることになるため,全体として画像が粗くなる.
[カラー],[モノクロ],[2値],[ディザー],[白]の5種類の中から1つを左ボタンでクリックすることによって設定する.`白黒反転モード'と`鏡像モード'は,それらの文字の左にある四角の中を左ボタンでクリックして指定できる.`白黒反転モード'を指定すると画像の白黒が反転し,`鏡像モード'を指定すると画像が鏡に写したように左右逆転する.
絵や写真をスキャナの読み取り面に置く.このとき,絵の端を読み取りの位置に合わせる.`xscn'ウィンドウ左上にある[操作]→[読み取り&表示]を選択すると,スキャナで読み取られた画像が`xscn'ウィンドウに表示される.
このような指定を行うことによって,大きな画像の一部を切りとれる.ただし,xscnでは細かい調整を行うことが困難なので,画像の細かい修正を行う場合には他のアプリケーションを併用する.
`xscn'ウィンドウの左上にある[操作]→[読み取り&保存]を選択すると,データ保存の設定ウィンドウが表示される(図2.7).ここでファイル名とファイルフォーマットを入力し[保存]をクリックすると,画像がファイルに保存される.ファイルフォーマット は,TIFF形式が最も汎用性が高く,他のツールでの編集などを行いやすいため,TIFF形式を選択するとよい.画像ファイル形式の詳細は第VII部 1を参照すること.
保存しているときには,読み込まれる画像は`xscn'ウィンドウには表示されない.あらかじめメニューバーから[操作]→[読み取り&表示]を選択し,画像を確認してから保存する.
スキャナは,簡単に画像ファイルを作成できるが,画像ファイルは1ファイルあたりのファイル容量が大きいため,画像ファイルを作り過ぎるとすぐに個人のファイル使用量の制限(100MB)を超えてしまう.制限を超えた場合は,スキャナで画像ファイルを保存しようとするとエラーメッセージが表示される.そのため,cctora,ccotriには/var/tmpディレクトリが大容量のファイルを一時的に扱うために用意されている.残りファイル容量に余裕がない場合は,ここで圧縮や切り取り,つなぎ合わせなどの編集作業を行える.
`xscn'ウィンドウの左上にある[操作]→[終了]を選択すると,ウィンドウが閉じてxscnは終了する.