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1.3 PostScriptファイルのプレビュー

ファイルをPS形式に変換した後, 内容が希望通りに変換されているか確認するために, 印刷するPSファイルのプレビューを行う. プリンタから印刷されない場合などはまず, 正しくPS形式に変換されていることを確認すること.

PSファイルのプレビューにはGhostscriptかGhostviewを用いる. ただし,Ghostscriptは縦長(portrait)のPSファイル表示用に作られているので, 横長(landscape)のPSファイルのプレビューを行う場合は Ghostviewを用いるとよい.

1.3.1 Ghostscript

 

GhostscriptはPSファイルのプレビューを行うためのツールで, 一般のPSファイルおよびEPSファイル() のプレビューを行える. Ghostscriptを起動するには次のようにPSファイルあるいは EPSファイルを引数にしてgsコマンドを入力する. ただし,バックグラウンドジョブ()としては起動できない.

% gs [PSファイル]<RET>
また標準的な画面出力の例を次に示す.

% gs filename.ps<RET>
Initializing... done.
Installing Kanji fonts... done.
Ghostscript 2.6.1 (5/28/93)
Copyright (C) 1990-1993 Aladdin Enterprises, Menlo Park, CA.
  All rights reserved.
Ghostscript comes with NO WARRANTY: see the file COPYING for details.
>>showpage, press <return> to continue<<
++_
Ghostscriptが起動されると出力用のウィンドウが開き, 1ページ目が表示される. 次のページを表示するには, メッセージにしたがって<RET> を押す. 最後のページが表示し終るとGhostscriptの プロンプト``GS>''が表示されるので, quitを入力すれば 出力用ウィンドウが閉じてGhostscriptを終了する.

GS>quit<RET>
% _
出力用ウィンドウに何も表示されず,Ghostscriptを起動した シェル上に次のようなメッセージが表示される場合, 表示しようとしているPSファイルをGhostscriptが解釈できずに エラーとして処理していることが多い. このような場合の一般的な解決法はないので,ホストを変えたり, もう一度PS形式への変換方法を確認する.

% gs filename.ps<RET>
Initializing... done.
Installing Kanji fonts... Error: /invalidfont in -dicttype-
Operand stack:
    /Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H
Execution stack:
    %interp_exit  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval--  fals
e  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval--  false  --nostringva
l--  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval-- --nostringval--  
Dictionary stack:
    545/547  0/20  24/200  545/547  14/14  8/8  6/6
Current file position is 1096
Error: /undefined in --get--
Operand stack:
    /Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H  -dicttype-  /FDepVector
Execution stack:
    %interp_exit  --nostringval--  --nostringval--  --nostringval--  fals
e  --nostringval--  --nostringval--  false  --nostringval--  --nostringva
l--  --nostringval--  --nostringval--
Dictionary stack:
    545/547  0/20  24/200  545/547  14/14  11/14  119/300
Current file position is 27509
GS<3>_
Ghostscriptのエラーモードから抜けるには,Ghostscriptのエラーモードの プロンプト``GS<N>''に続けて,quitと入力する.

GS<3>quit<RET>
% _

   
1.3.2 Ghostview

   

GhostviewはGhostscript同様,PSファイルをプレビューするためのツールで,一般 のPSファイルおよびEPSファイルをプレビューできる.Ghostviewを起動 するには次のようにPSファイルあるいはEPSファイルを引数にしてghostviewコ マンドを入力すればよい.

% ghostview [PSファイル]<RET>
またGhostviewはGhostscriptとは異なり,バックグラウンドジョブとしても 起動できる.

% ghostview [PSファイル] &<RET>
Ghostviewの表示例を図に示す. またGhostviewのウィンドウ上のボタンとそのポップアップメニューの機能を 次に示す.一部のポップアップメニューの機能は[ ]内に示された キーボード入力でも機能するようになっている.


  
図: Ghostview




         
[16pt][2pt]
\begin{picture}(60,16)\put(30,8){\oval(60,16)}\put(0,0){\makebox(60,16){\bf File}}\end{picture}

Open... [ o ]


PSファイルを開く.ウィンドウが開くので新たに開きたいPSファイルを選択する.




Reopen [ r ]


PSファイルを開き直す.現在表示しているPSファイルを更新したときなどに用いる.




Print... [ P ]


すべてのページをプリンタに印刷する.小ウィンドウが開くのでプリンタ名を入力する.




Print marked pages... [ p ]


マークしたページのみをプリンタに印刷する.小ウィンドウが開くのでプリンタ名を入力する.マークしたページがない場合はすべてのページが印刷される.




Save marked pages... [ s ]


マークしたページのみをPSファイルとしてに保存する.ウィンドウが開くのでファイル名を入力する.マークしたページがない場合はすべてのページを保存する.




Copyright...


Ghostviewのコピーライトを表示する.




Quit [ q ]


Ghostviewを終了する.




[16pt][2pt]
\begin{picture}(60,16)\put(30,8){\oval(60,16)}\put(0,0){\makebox(60,16){\bf Page}}\end{picture}

Next [ f/<SPACE>/<RET> ]


表示ページを1ページ進める.





Redisplay [ ./C-l ]


ウィンドウを再描画する.





Previous [ b/<BS>/<DEL> ]


表示ページを1ページ戻す.





Center [ c ]


ページの中心をウィンドウ中央に合わせて表示する.





Mark [ m ]


現在表示されているページをマークする.マークされたページ番号には``$\star$''が表示される.





Unmark [ n ]


現在表示されているページがマークされていたら,マークを取り消す.




[16pt][2pt]
\begin{picture}(60,16)\put(30,8){\oval(60,16)}\put(0,0){\makebox(60,16){\bf Magstep}}\end{picture}
[ +/-/0/1/2/3/4/5 ]



拡大率を変える.-5〜5をポップアップメニューから選択する.キーボードから0〜5を入力した場合,そのMagstepに変更される.また+あるいは-を入力すると,Magstepを1ステップずつ上げたり下げたりできる.現在選択されているMagstepには``*''が表示される.




[16pt][2pt]
\begin{picture}(60,16)\put(30,8){\oval(60,16)}\put(0,0){\makebox(60,16){\bf Orientation}}\end{picture}




ページの表示形式を指定する.PSファイルにはあらかじめページの表示形式が指定されているものがあり,Ghostviewはその表示形式にしたがってページを表示する.表示形式があらかじめ指定されたものである場合,ポップアップメニュー上には``
\begin{picture}(8,10)(0,3)\put(0,2){\framebox(6,8){}}\put(1.5,4){\line(1,0){3}}\...
...5){\line(1,0){6}}\put(1,1){\line(1,0){6}}\put(7,0.5){\line(0,1){9}}\end{picture}
''が表示される.また表示形式を指定されているもの以外に変更した場合には``
\begin{picture}(10,10)(0,2)\bezier{10}(1.5,0)(0.75,0.75)(0,1.5)\bezier{10}(0,8.5...
...{\line(0,1){1}}\put(3.5,3){\line(1,0){3}}\put(3.5,7){\line(1,0){3}}\end{picture}
''が表示される.特に表示形式が指定されていない場合は``*''が表示される.あらかじめ指定された表示形式以外を選択するにはマウスの中央ボタンあるいはキーボードから<SHIFT>-↑/→/↓/←で指定する必要がある.またあらかじめ指定された表示形式に戻す場合はマウスの左ボタンあるいはキーボードから↑/→/↓/←で選択してもよい.




Portrait [ <SHIFT>+↑/↑ ]


用紙を縦長に用いる.




Landscape [ <SHIFT>+→/→ ]


用紙を横長に用いる.




Upside-down [ <SHIFT>+↓/↓ ]


ページの上下を逆転させる.




Seascape [ <SHIFT>+←/← ]


Landscape表示されたものを180度回転させる.




Swap Landscape


LandscapeSeascapeの機能を入れ換える.




[16pt][2pt]
\begin{picture}(60,16)\put(30,8){\oval(60,16)}\put(0,0){\makebox(60,16){\bf Media}}\end{picture}




用紙選択をする.Orientation同様,PSファイルにはあらかじめ用紙が指定されているものがあり,Ghostviewはその指定にしたがって用紙を指定する.ポップアップメニュー上の表示もOrientationと同様である.特に表示形式が指定されていない場合は``*''が表示される.あらかじめ指定されていない用紙を選択するにはマウスの中央ボタンを用いる必要がある.またあらかじめ指定されている用紙に戻すにはマウスの左ボタンを用いてもよい.


またボタンの横にある番号をマウスの中央ボタンでクリックすることで その番号のページを表示できる. また表示中のページについて画面に表示されていない部分を見るには, ウィンドウ下部と右部にあるスクロールバーをマウスで操作すればよい. ページ表示領域内をマウスでクリックすると ページの一部分を拡大できる. 拡大される領域は左ボタン,中央ボタン,右ボタンの順に大きくなり, 新しく起動されるzoomウィンドウに表示される. 同様にzoomウィンドウからでも拡大できる.