フォントは,文字形の表現形式によってビットマップフォント とアウトラインフォント の2種類に分けられる.それぞれ,ビットマップ形式,ベクトル形式 と呼ばれるデータで表現されている.
ビットマップフォントは,たとえば24 × 24などの格子を用意し,その なかに白と黒の点を打つことで文字の形を表現している(図 →).この形式はコンピュータが画面に画像を表示する形式そ のままであるため,ビットマップフォントを使うと素早く文字を表示できる.こ の特徴を生かして,主に画面表示に使われる.ただし,ビットマップフォントを 使って大きな文字を表示しようとすると,格子データの点そのものを拡大 しなければならない.この場合,ギザギザが目立ってしまい美しい表示が得られない.
一方アウトラインフォントは,文字のデータを輪郭データとして表現しており, 表示するときはこの輪郭データから適当な大きさの格子を必要に応じて計算して から表示する(図→).このため,表示される文字が特 定の(24 ×24などの)大きさに依存せず,大きな文字でもなめらかに表示 される.表示に時間がかかるが高品質な文字が得られるため,主にグラフィック スアプリケーションの表示や印刷などに使われる.
現在のMacintoshの環境では,特にビットマップフォントとアウトラインフォ ントの違いに気を使う必要はない.これらのフォントは,必要に応じて自動的 に使い分けられるようになっている.