2003 CNS GUIDE
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23.2 ベクトル画像の描画 -- Tgif

Tgifは,直線,曲線,図形,文字入力などのさまざまな描画モードが備わって いるドロー系画像ツールであり,kinput2を利用して日本語を入力できます.出力形 式は,PS,EPS,EPSI,GIF,XBM形式が利用できます. LaTeXで作成した文書に図を貼り込みたい場合などに利用します.

23.2.1 起動と終了

23.2.1.1 起動

次のように入力すると,Tgifが起動します.

tgif [ファイル名] &

Tgifを起動すると図23.6のようなウィンドウが表示されます. [ファイル名]を指定した場合はその画像がキャンバスに表示され,何も指定していないときは新しいキャンバスが表示されます.

tgifのウィンドウ
図 23.6 tgifのウィンドウ

23.2.2 終了

Tgifを終了するには,[File]をプレスして表示されるメニューから[Quit]を選択します.

23.2.3 基本操作

Tgifのウィンドウ内で右ボタンをドラッグすると,描画モード選択用のプルダウンメニューが表示されます(図23.7). メニューから文字入力,直線,四角形,円形作図,フリーハンド作図などの描 画モードを選択できます.選択された描画モードは,画面上部の`Panel Window' (図23.6)に表示されます.

描画モードメニュー(図23.7)からモードを選択した 後,表23.1に示した操作方法にしたがって図形を作成します.

描画モードメニュー
図 23.7 描画モードメニュー

表 23.1 各モードにおける描画方法
モード 操作
編集,四角形,円形,角丸長方形,頂点選択 マウスの左ボタンでキャンバスをクリックして始点を決定し,そのままマウスをドラッグして終点を決定します.
円弧 マウスの左ボタンで中心,始点,終点の順にキャンバスをクリックして円弧を決定します.
フリーハンド マウスの左ボタンをドラッグして描画します.
文字入力 マウスの左ボタンで入力する位置を決定し,文字を入力します.

23.2.4 メニュー操作

23.2.4.1 メインメニュー

Tgifのウィンドウ内でマウスの中ボタンをプレスして表示されるプルダウン メニューから,保存,編集,フォントやレイアウトなどの設定,変更を行えます. まずメインメニュー内で項目を選択し,中ボタンをリリースします.マウスカー ソルの形が変わるので,再びマウスボタンをドラッグすると,選択したモード に関して具体的な設定,変更を行うためのサブメニューが表示されます.その中 から項目を選択します.ほとんどのメニューは画面上部の `Panel Window' (図23.6)にも表示されており,そこをマウスでクリックすることで設定,変更を行えます.

23.2.4.2 サブメニュー

次にメインメニューを選択して表示されるサブメニューの各項目について説明します.

23.2.5 保存

マウスの中ボタンを使ってメインメニューから[File]→[Save],または[SaveNew]を選択します.[Save]を選択した場合は,編集中のファイル名 で保存されます.また[SaveNew]を選択した場合は,新しいファイル名を入力す るためのウィンドウが表示されるので,そこでファイル名を入力し <ENTER>を押すと,.objという拡張子がついたファイル名で 保存されます.

23.2.6 出力

Tgifで用いられるファイル形式はobj形式というフォーマットであり,描いた 図をLaTeX文書に取り込んだり,プリンタで印刷したり,WWW上で公開するに はそれぞれに適した画像形式に変換する必要があります.パネルウィンド ウでLaTeX (EPS)と表示されている部分をマウスの左ボタンでクリックする とさまざまなフォーマットが表示されるので,用途に応じたフォーマットを選 択してファイルメニューから[Print]を実行します.その際ファイル名は `tgif.obj'を,GIF形式で出力した場合は`tgif.gif',EPS形式で出力した場合は`tgif.eps'となります.なお,CNS 上のプリン タではEPS形式とPS形式の画像のみ印刷できます.

Tgifでは編集の際にobjファイルを必要とするので,どの形式で出力してもobj ファイルは消去しないでください.objファイルを消去した場合,再度その図を編集 できなくなります.

23.2.7 日本語入力

23.2.7.1 コピー・アンド・ペーストによる日本語入力

マウスのコピー・アンド・ペースト を利用して日本語入力を行う場合,TgifとともにEmacsなどを 起動しておく必要があります.

はじめに,Tgifに貼りつける文字列をEmacsの中に表示させ,その文字列をマウスで 選択して反転表示させます.次にTgifのウィンドウでマウスの中ボタンをクリッ クし,メインメニューから[Edit]→[Paste]を選択します. マウスポインタと共に四角の枠が表示されるので,Tgifのウィンドウ上で マウスボタンをクリックし,文字列を `Canvas Window' (図23.2)に貼りつけます.

貼りつけた文字列のフォントが合っていないために,表示がおかしくなった場 合には,マウスの中ボタンを使ってメインメニューから[Font]を選択し,サブ メニューの中から横書き用の[Ryumin],[Gothic]または縦書き用の[Ryumin-V],[Gothic-V]のいずれかを選択すると,貼りつけた文字列が選択したフォントに 更新されます.

23.2.7.2 kinput2による日本語入力

Tgifではkinput2というソフトウェアを使い,日本語の直接入力もできます. kinput2は,X Window System上で動作する日本語入力フロントエンドプロセッ サ(FEP)であり,これを利用してアプリケーションに日本語を入力できます.か な漢字変換にはWnn ([*])を利用しています.

起動

kinput2は,日本語を入力するアプリケーションを起動する前に,バックグラ ンドジョブとして起動しておく必要があります.kinput2を起動するには,次のよ うに入力します.

% kinput2 & <ENTER>
% _

使用方法

kinput2は起動しただけでは何も起りませんが,アプリケーション内で文字入 力モードにした後に<SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力するとkinput2 のウィンドウが表示されます(図23.8).

kinput2の使用例
図 23.8 kinput2の使用例

再度<SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力するとkinput2のウィンドウが 画面から消えて,もとの文字入力状態に戻せます.

ただしTgifを利用した状態では多少操作方法が異なります.`Tgif'ウィンドウ内で マウスの右ボタンをドラッグすると描画モードメニューが表示されるので,そ の中から文字入力モードを選択します.そして<CTRL>を押しながら<SPACE> を入力するとkinput2のウィンドウが表示されます.