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1.1 電子メールの仕組み

``電子メール''とはインターネットを利用した手紙のようなものです. 電子メールはコンピュータで扱えるデータを送信でき, CNS のレポートシステム([*]) でも利用されています.

電子メールは, 送受信される手紙である``メッセージ'' (または``メール'' )と, 送受信の仕組みを担う ``メールサーバ'' (以降サーバと表記します)と ``メールクライアント'' (以降クライアントと表記します)で 構成されています.

メッセージは``メールアドレス''に宛てて作成・送信します. CNS の利用者は, ログイン名のあとに `@sfc.keio.ac.jp'がついたメールアドレスを持っています. 例えば,ログイン名がt02000tfであれば, メールアドレスは`t02000tf@sfc.keio.ac.jp'です.

1.1.1 メッセージ送信の流れ

メッセージは`SMTP' (Simple Mail Transfer Protocol) という仕組みを利用して送信先のサーバまで配送されます.

メッセージを送信するとき, ユーザはクライアントを利用してSMTPサーバにメッセージを渡します. サーバはメッセージを受け取ると, 宛先のメールアドレスから相手のサーバを探し出し, そのサーバへ渡します. 相手方のサーバはメッセージを受け取ると, ユーザごとにサーバ内に蓄積していきます(図[*]).



図: メッセージ送信

1.1.2 メッセージ受信の流れ

メッセージを受信するときに利用する仕組みには `POP3' (Post Office Protocol Version 3)や `IMAP4' (Internet Message Access Protocol Version 4) などがあります. CNS ではPOP3を利用しています.

SMTPによって配送されたメッセージは, POP3サーバに蓄積されます. ユーザがメッセージを受信するには, クライアントからPOP3サーバに接続し, POP3サーバに蓄積されたメッセージをクライアントにコピーします (図[*]).

通常サーバからメッセージをコピー したクライアントは, サーバにあったメッセージを削除します.

図: メッセージ受信の流れ


1.1.3 メッセージの構成

メッセージには差出人・宛先や時間 などの配達情報が記録された``ヘッダ領域''と, 手紙における文面に相当する``本文領域''があります (図[*]).

図: メッセージの構成


1.1.3.1 ヘッダ

ヘッダは必ず本文の前に書いてあり, 表[*]に 示す``フィールド''という情報で構成されています.メールアドレスを持った利用者は これらのフィールドの宛先などを入力しメールを送信します.

フィールド
フィールド名 意味
From 差出人のメールアドレス
To 宛先のメールアドレス
Cc カーボンコピーの宛先のメールアドレス
Bcc ブラインドカーボンコピーの宛先のメールアドレス
Date 発信時刻
Subject 題名
Sender 送信者のメールアドレス
Reply-To メッセージに対する返事を送るべきアドレスのリスト
In-Reply-To どのメッセージに対する返事かを示す識別子
X-ではじまるもの その他の情報を表わすフィールド

1.1.3.2 本文

本文には``テキスト形式''と``HTML形式''があります. テキスト形式はテキストファイル([*])同様, 文章の情報のみを含む形式です. HTML形式はHTMLタグ([*])を利用し, 色や文字の大きさなどを指定してある形式です.

メールクライアントによっては HTML形式のメッセージを表示できません. また,HTML形式のメッセージは容量が大きいため 受信するときの負担が大きくなってしまいます. 普段はテキスト形式を利用し, HTML形式で送信する場合には 相手がHTML形式を受信できることを確認してから 送信してください.

1.1.3.3 添付ファイル

もともと電子メールではテキストしか扱えませんでしたが, テキスト以外の形式のデータを送る需要が大きくなったため, `MIME' (Multipurpose Internet Mail Extensions) という規約が決められました. MIMEで本文領域を分割することにより, 本文以外にファイルを一緒に送れます. このように本文領域をMIMEで拡張されたメッセージのことを ``マルチパートメッセージ''あるいは ``MIMEメッセージ'' といい, 拡張された部分を ``添付領域'' といいます. メッセージの受信者は添付された部分を取り出して ファイルとして保存,編集などができます.

ただし, メッセージを受け取る側が必ずしもマルチパートメッセージを 正しく読めるとは限りません. マルチパートメッセージを送る際は, 相手がマルチパートメッセージを読める環境にあることを確認してから送りましょう.

画像や音声などを添付したメッセージは, 各パートがもとの画像ファイルなどと同じディスク容量を消費し, そのメッセージ自体も大きなファイルとなります.送信する際にネットワークに負荷がかかるので注意してください.