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3.6 編集モード

Emacsには,さまざまな形式のファイルを作成する際の環境を提供する編集モードがある.

3.6.1 メジャーモード

メジャーモードはテキスト編集機能を大幅に変えるもので,ひとつのバッファで複数のメジャーモードを利用できない.メジャーモードの切り替えには新しくメジャーモードを起動する.起動しているメジャーモードはモードラインの編集モードの部分に表示される.次に主要なメジャーモードを示す.


C モード -- (M-x c-mode), Java モード -- (M-x java-mode)

CモードはC言語のソースコードを,JavaモードはJava言語のソースコードを編集するためのものである.Cモードは.cの拡張子を持つファイルを読み込むか, M-x c-modeと入力して起動できる.また,Javaモードは.javaの拡張子を持つファイルを読み込むか, M-x java-modeと入力して起動できる.次にCモード,Javaモードの主な機能を示す.

モード -- (M-x latex-mode)

モードはのソースファイルを編集するためのものである. .texの拡張子を持つファイルを読み込むか,M-xlatex-modeと入力することにより起動できる.モードでは通常のEmacsのコマンドの他に表3.5のコマンドが利用できる.


表 3.5: モード特有のコマンド
キー操作 機能
M-{ 1組の中括弧を挿入する
M-} 一致していない中括弧の後へ移動する
C-c C-e \ begin{...}の後で入力すると対応する\ end{...}を挿入する
C-c C-o itemizeなどを入力するとその\ begin{...}から\ end{...}までを挿入する


Shell モード -- (M-x shell)

ShellモードはEmacsの中でシェルを起動し,UNIXコマンドが実行できるようにする.M-x shellと入力することにより起動できる.

3.6.2 マイナーモード

マイナーモードは,テキスト編集機能を大幅に変えるメジャーモードとは異なり,若干の機能の変更を行うモードである.マイナーモードはメジャーモードとは独立しており,またマイナーモードもそれぞれ独立して機能する.次に主要なマイナーモードを示す.

Overwrite モード -- (M-x overwrite-mode)

Overwriteモードは,カーソルのある場所に入力する文字を上書きするものである.通常の設定ではこのモードはOFFになっている.この場合はカーソルのある場所の直前に入力文字が挿入される.

ON/OFFの切り替えはM-x overwrite-modeと入力することによって行う.OverwriteモードがONの場合は,モード行のメジャーモードの右にOvwrtと表示される.

また,Insertキーを押すとこのモードになる.もし文字が上書きされるような現象が起きた場合,Insertキーを押すか,M-xoverwrite-modeと入力すれば回避できる.


Auto fill モード -- (M-x auto-fill-mode)

Auto fillモードは,入力する行がある一定の文字数よりも長くなったら改行を入れバッファ内での各行の長さを揃えるモードである.日本語では約35文字のところで改行されるようになる.1行の長さを変更するには,改行するところまでカーソルを移動しC-u C-x fと入力する.また, M-x auto-fill-modeと入力することによってON/OFFの切り替えができる.Auto fillモードがONの場合,モード行のメジャーモードの右にFillと表示される.

一行が長いファイルの場合,電子メールで送ると文字化けしたり,で処理できないなどの問題が起こることがある.このため,1行が一定の文字数よりも長くなったときには,適宜改行を入れること.

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