メールは差出人・宛先や送信時間などの情報が記録された``ヘッダ領域''と, 文章やマルチメディアデータなどを記述する``ボディ領域''から構成されます. 手紙に置き換えると,ヘッダ領域は郵便番号や宛先などにあたり, ボディ領域は手紙の中に入っている文書や写真などにあたります(図1.3).
ヘッダはメールの先頭に書かれてあり,1行に1つの情報が記述されています. その1行は`フィールド'と`値'のペアになっており, それらは`:' (コロン)で区切られています. 代表的なフィールドとその説明を表1.3 に記載します.
ユーザがおもに入力するフィールドは, `To:',`Cc:',`Subject:'です. `To:'にはメールの宛名となるメールアドレスを入力します. `Cc:' (カーボンコピー)には, `To:'フィールドで指定した宛先の他に,そのメールの複製を送信する宛先を記述します. `To:'フィールドに入力してメールを送信する方法と機能は変わりませんが, `To:'フィールドにはそのメールの主たる受取人のメールアドレス, `Cc:'フィールドにはそのメールを参考までに読んでもらいたい人のメールアドレスを記述します.
フィールドに`Bcc:' (ブラインドカーボンコピー)を入力した場合, `Bcc:' に指定されたユーザは `To:'や`Cc:'フィールドに書かれたユーザと同じメールを受信しますが, `Bcc:' に入力されたメールアドレスは メールを受信したユーザには知らされません.
`To:',`Cc:',`Bcc:'フィールドでは, メールアドレスごとに半角のコンマ`,'で区切ることで,複数のメー ルアドレスを指定できます.
フィールド名 | 意味 |
From | 差出人のメールアドレス |
To | 宛先のメールアドレス |
Cc | カーボンコピーの宛先のメールアドレス |
Bcc | ブラインドカーボンコピーの宛先のメールアドレス |
Date | 発信日時 |
Subject | 題名 |
Sender | 送信者のメールアドレス |
Reply-To | メールに対する返事を送るべきアドレスのリスト |
In-Reply-To | どのメールに対する返事かを示す識別子 |
X-ではじまるもの | その他の情報を表すフィールド |
メールのボディ領域には,一般にメールの本文を記述しますが,`MIME' (Multipurpose Internet Mail Extensions) という規約にしたがって,ボディ領域を 複数に分け,1つのメールに複数の内容を記述できます.MIMEを用いてボディ領 域を複数に分割することにより,異なった複数のデータを1通のメールに含めら れます.また,MIMEにはバイナリデータをテキストデータに変換してボディ領域 に記述する規約も含まれているため,マルチメディアデータなどを含められます. ただし,メールを受け取る側が必ずしもマルチメディアデータを正しく処理でき るとは限らないので,受信者の環境に注意しましょう.