メールクライアントで作成したメールは`SMTP' (Simple Mail Transfer Protocol)というプロトコルを用いて``送信サーバ''に送られます(図1.1).送信サーバとはメールクライアントが最初にメール を送るSMTPサーバのことです.送信サーバはメールクライアントに設定する必要 があります.CNS ではユーザのためにSMTPサーバを用意していますので,その SMTPサーバを送信サーバとして設定します.
メールを受け取った送信サーバは,メールアドレスからメールの受信者のSMTPサー バを探し,SMTPを用いてメールを配送します.受信者のSMTPサーバはメールを受 け取ると,ユーザごとのメールボックスにメールを蓄積します.
メールボックスに蓄積されたメールを受信するには`POP3' (PostOffice
Protocol version 3),`IMAP' (Internet Message Access Protocol)などのプロ
トコルを用います.CNS
ではPOP3を使用できますが,パスワードを暗号化しない
POP3はセキュリティ上問題があります.CNS
ではユーザ認証部分を暗号化する
`APOP'を使用したPOP3や,POP3の通信内容全体を暗号化する`POP over SSL'
(Post Office Protocol over Secure Socket Layer)などの方法も利用できます
(表1.1).一般的なメールクライアントはAPOPかPOP over
SSL を用いたメール受信に対応(表1.2)しているので,
パスワードを暗号化しないPOP3は
用いないようにしましょう.
OS | メールクライアント | APOP | POP over SSL |
UNIX | Wanderlust | ○ | ○ |
Windows | Becky! Internet Mail | ○ | × |
Al-Mail | ○ | × | |
Outlook Express | × | ○ | |
Eudra | ○ | × | |
Mac OS | ○ | ○ | |
Outlook Express | ○ | ○ |
POP3を用いた場合のメール受信の概念図を図1.2 に示します.メー ルクライアントはユーザ名とパスワードをPOP3サーバに伝え,それらが正しければ POP3サーバはメールクライアントにメールデータを転送します.通常,メールクライアントはPOP3 サーバから受信したメールを,POP3サーバのメールボックスから削除します. POP3サーバからメールを削除しないようにするには,メールクライアントで設定 を行います.POP3サーバは``受信サーバ''ともいいます.