tarコマンドを使用すると, 指定したディレクトリ以下のファイルやディレクトリを 1つのファイルにまとめられます. このように複数のファイルやディレクトリを 1つのファイルにまとめたファイルを, ``アーカイブファイル'' といいます. tarコマンドにより作成されたファイルの 拡張子は一般的に `.tar' です.
tarコマンドにはオプションの代わりに ``キー'' を指定します. キーは, オプションと同じ意味あいを持ちますが, マイナス記号 (`-') をつけません. 複数のファイルやディレクトリをまとめたいときは並べて指定してください.
tar [キー] [アーカイブファイル名] [まとめたいファイル,ディレクトリ名]
c | アーカイブファイルを作成する. |
x | アーカイブファイルからもとのファイルを復元する. |
t | アーカイブファイルの中身を見る. |
v | アーカイブファイルに格納したファイルや, アーカイブファイルから展開されたファイルを表示する. |
f | アーカイブファイルの名前を指定する. |
tarコマンドによるアーカイブファイルの作成は, ファイルの整理にも利用できます. 次に Wanderlust () のメールのデータが保存されている `Mail' ディレクトリ以下のファイルを アーカイブファイルにまとめる例を示します.
% tar cf Mail.tar Mail <ENTER> ← `Mail'以下のファイルをアーカイブファイルにまとめる % ls <ENTER> Mail Mail.tar usr pub % _
ここでは, `Mail' ディレクトリ以下のファイルを, `Mail.tar' というアーカイブファイルにまとめています. tarコマンドのキーにvを指定すると, 詳細な処理状況が表示されます.
アーカイブファイルにまとめられたファイルから もとのファイルを取り出すことを ``展開'' といいます. tarコマンドで作成されたアーカイブファイルを展開するときも, tarコマンドを使用します. 次に, `Mail.tar' というアーカイブファイルを展開する例を示します.
% ls <ENTER> Mail.tar usr pub % tar xf Mail.tar Mail <ENTER> % ls <ENTER> Mail Mail.tar usr pub % _