nupコマンドは
dvipsコマンドによって生成されたPSファイルを
縮小する場合に利用します.
nupコマンドへの入出力は
標準入力
()
および
標準出力
(
)
のみなので,
dvipsコマンドの出力を
パイプ
(
)
でつないで入力するか,
dvipsコマンドで生成されたPSファイルを
リダイレクション
(
)
を用いて入力する必要があります.
縮小度には1枚の印刷用紙に何ページ分を
印刷するかを指定します.
指定できるのは
2,
4,
8
のいずれかです.
nup -[縮小度] [オプション] < [縮小元PSファイル]> [縮小先PSファイル]
オプションには次のようなものがあります.
-l | ページの周囲を枠で囲む |
-n | 印刷用紙の縦横にあわせてページが回転するのを防ぐ |
nupコマンドの実行例を次に示します. ここではPSファイルの2ページ分を1枚の印刷用紙に印刷できるように縮小します.
% nup -2 < filename.ps > scaledown.ps <ENTER>
次の実行例では dvipsコマンドによって生成されたコマンドの出力の 8ページ分を1枚の印刷用紙に印刷できるように縮小し, 各ページの周囲の枠も出力します.
% dvips -f filename.dvi | nup -8 -1 > scaledown.ps <ENTER>
psmultiコマンドとパイプを利用して PSファイルを作らずに縮小印刷する書式を次に示します. 引数-pagesの後の縮小度には 1枚の印刷用紙に何ページ分を印刷するかを整数で指定します.
psmulti [オプション] -pages [縮小度] [縮小元PSファイル] > [縮小先PSファイル]
オプションには次のようなものがあります.
psmultiコマンドの実行例を次に示します. ここではファイルの2ページ分を印刷用紙1枚に収まるように縮小しています.
% psmulti -pages 2 filename.ps > scaledown.ps <ENTER>
また同様に, 文書の8ページ分を印刷用紙1枚に収まるように縮小し, ページ周囲に枠をつけない実行例を次に示します.
% psmulti -nodecor -pages 8 filename.ps > scaledown.ps <ENTER>