LaTeXでは1文字単位で文字の修飾を行うことができます.
LaTeXでの書体は次の3種類に分類できます.
また,書体の指定方法には次の2種類の型があります.
上記の2つの違いはコマンドの有効範囲の違いです.
宣言型は中括弧(`{}')に囲まれた部分が有効範囲になります. 範囲を指定するためには,中括弧を利用して グルーピングします. グルーピングによって これに対し命令型は中括弧に囲まれた 引数を1つとるので,そのコマンドの有効範囲は引数の部分のみです. 書体の変更範囲が広い場合は宣言型の指定を,狭い場合は命令型の指定を行います.
デザインの上で同一の系統に属する書体の類をファミリーといいます. ファミリーを指定することで書体の装飾方法を変更できます. 表2.4にファミリーによる書体指定を示します.
活字を文字の線の太さ,文字幅で分類したものをシリーズといいます. シリーズを指定することで文字の線の太さを変更できます. 表2.5にシリーズによる書体指定を示します.
活字を形で分類したものを字形といいます. 字形を指定することで文字の傾き具合を変更できます. 表2.6に字形による書体指定を示します.
LaTeXでは書体のサイズは相対的に指定します. つまり,基準の大きさ(jarticleクラスでは10pt)を \normalsizeとして,そこからの大小を相対的に指定します. 表2.7に \normalsizeが10ptの場合の文字の大きさを示します.
書体のサイズを指定するコマンドは,コマンド直後の文字から 新たにサイズを指定するコマンドが出現するまで有効となります. よって,範囲を指定してサイズを変更する場合には グルーピングによって そのコマンドの有効範囲を制限する必要があります.
文書に下線を引く\underlineコマンド と,フランス語やドイツ語のレポートを書く際に必要となる アクセントや記号を記述する方法について説明します.
文書に下線を引くには\underlineコマンドを使用します. 次に例を示します.
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\underlineコマンドで下線を引く文字列は途中で改行できません. 下線の途中で改行したい場合は,出力を見てどこに改行を入れるべきか確認し,もとの\underlineコマンドを2回に分けて使用します. この際,2つの\underlineコマンドの間に1つ以上の空白を入れないと 改行が行われないので注意してください.次に例を示します.
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アクセント類を表すコマンドはアクセントをつける文字を引数として指定します. 表2.8にアクセント類を表す コマンドを示します.
次にアクセント類を表すコマンドを使用した例を示します.
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表2.9,表2.10に 英語以外の文字,および記号の一覧を示します.
LaTeXにはコマンドの先頭を表す`\'やコメントアウトを 行う`%'など,多くの特殊文字が存在します.これらの特殊文字はその ままでは出力できないため,特別なコマンドを使用する必要があります.特殊文字 とその出力方法を表2.11に示します.なお,\verbコマンド() はソースファイルに書かれたものを整形せずにそのまま出力するコマンドです.