LaTeXの1ページの本文領域は何も指定しない場合には1段組で整形されますが,2段組の整形を行うこともできます.この場合本文領域は左右2つのカラムに分 けられて出力されます.2段組にするには次の2つの方法があります.
これらはどちらも基本的に本文領域を2段組にしますが,若干異なる点がありま す.次に,2段組と1段組の違いをまとめます.
2段組と1段組は次の点で異なります.
このうち2段組におけるabstract環境と改ページコマンドについて 説明します.
abstract環境は,1段組では文字サイズがsmallで ``Abstract''と表示がつくquotation環境として扱われます. () 2段組では番号なしの1つの節 (section)として扱われます.
2段組では改ページコマンドの1つである\newpageコマンドの機能が変化 します.1段組の場合は単純に改ページするだけですが,2段組の場合はページではなく カラムを変えます.つまり左カラムに\newpageコマンドを記述すれば右カラム に,右カラムに記述すれば次のページの左カラムに移行します.その他の改ページ コマンドは1段組の場合と同様の機能を提供します.
twocolumnクラスオプションを指定するには次のように記述します.
twocolumnクラスオプションを指定すると,最初から文書全体が2段 組になります.しかしarticle系のドキュメントクラスを指定して いるときは\maketitleコマンド()の出 力だけはページ上部に1段組で出力されます.
2段組にするにはtwocolumnクラスオプション以外にも,\twocolumnコマンドを利用できます. この場合twocolumnクラスオプションを指定する必要はありません.
文書途中で\twocolumnコマンドを記述すると,その場所で改ページが行 われ,次のページから2段組になります.これは同一ページ中に単純に1段組と2 段組を混在できないことを意味しています.これを回避するには次 のように\twocolumnコマンドにオプション引数をつけるとよいでしょう.
これによって改ページ後のページ上部を1段組にできます.この例を次に示しま す.
\twocolumnコマンドとは逆に,本文領域を1段組に戻す場合に利用するのが \onecolumnコマンドです.\onecolumnコマンドも改ページを行っ てから1段組にします.ただし\twocolumnコマンドのようなオプション引 数はとることはできません.