ページスタイルが制御しているのは,ページ番号の表示形式と表示位置,ヘッダとフッタの表示,非表示です. ヘッダ,フッタはそれぞれページ上部とページ下部の本文領域外の部分のことであり,一般にページ番号や章の標題などが表示されます. ページスタイルの例を表2.2に示します.
スタイル | 出力 |
empty | ページ番号,ヘッダ,フッタ共に何も出力しない |
plain | ページ番号をフッタ中央部に出力する. ヘッダには何も出力しない |
headings | ヘッダにドキュメントクラス依存の文字列と ページ番号を出力する フッタには何も出力しない |
myheadings | 基本的にheadingsと同じ.ヘッダに出力される文字列 を\markbothあるいは\markrightコマンドで定義できる |
jarticleドキュメントクラスでは myheadingsが指定されていますが,ヘッダに出力されるのはページ数だけです.文字列を出力する場合 は\markbothあるいは\markrightコマンドを用います.
ページスタイルの指定と変更を行うには,\pagestyleおよび \thispagestyleコマンドを用います.文書全体のページスタイルの変更 には\pagestyleコマンドを用い,文書中のある1ページのみの変更には\thispagestyleコマンドを用います. 引数には表2.2のいずれかのページスタイルを指定します. 次にページスタイルの指定例を示します. 例では最初にページスタイルにplainを指定し,続けてある1ページだけページ番号を出力しないように指定しています.
headingsやmyheadingsといったページスタイルでは,ヘッダ領域に文字列 を出力できます.これらの文字列を指定あるいは変更するの が\markbothおよび\markrightコマンドです.\markbothコマン ドは偶数ページと奇数ページ両方のヘッダを,\markrightは奇数ページのヘッダ のみを指定します.
\markbothコマンドの記述方法を次に示します.
例えば,偶数ページのヘッダに文書のタイトルである``モンゴルの経済改革'' を出力し,奇数ページのヘッダに執筆者の名前``山吹緑''を出力する場合は,次のように記述します.
\markrightコマンドの記述方法を次に示します.
例えば,奇数ページのヘッダに節番号を出力する 場合は,次のように記述します.\thesectionコマンドは 章番号を出力するコマンドです.
目次や付録などで,本文とページ番号の振り方を変えて出力するときには \pagenumberingコマンドを用います.これはページ 番号の出力形式を変更するコマンドです.\pagenumberingコマンドの引数として指定できる値を表2.3に示します.次の実行例では,ページ番 号を小文字のローマ数字に設定しています.
出力形式 | 機能 |
arabic | ページ番号をアラビア数字にする |
roman | ページ番号を小文字のローマ数字にする |
Roman | ページ番号を大文字のローマ数字にする |
alph | ページ番号を小文字のアルファベットにする |
Alph | ページ番号を大文字のアルファベットにする |